Passion   Op.5

コンコン…とドアをノックする音が廊下に響く。
「はい」
ノックからそんなに間をあけずにその部屋の者がドアを開ける。
「どうしたんですか?悟空」
そう言って、にっこり微笑む。
「八戒に話があって…」
その様子はいつもとは少し違って、緊張しているような感じだった。
「立ち話もなんですからどうぞ」
そういって八戒は悟空を部屋の中に招き入れた。

 

「話ってなんですか?」
ベッドに腰をかけて優しく微笑む八戒。
悟空は何度も口を開いては閉じる。
そして覚悟を決めるように、ぎゅっと手を握りしめ、口を開く。
「…俺、八戒のことが好きだ」
「ありがとうございます。僕も悟空の事、大好きですよ」
まるで園児にプロポーズされた保母さんの様に微笑む。
その言葉に悟空の顔がにぱっと明るくなる。
悟空は八戒をぎゅっと抱きしめる。
───── 本当に悟空はかわいいいですねぇ。
そう思った時、八戒は悟空にベットに押し倒され、唇を奪われる。
上着のスソから悟空の手が入り込み、八戒の胸の突起をなぶる。
「ちょ…ちょっと悟空…」
悟空の腕を押さえて制止の声をかける。
「八戒俺の事好きなんだろ」
首筋に舌を這わしながら、上着のボタンを1つずつはずしていく。
舌をゆっくりと露になった白い肌へと進めていく。
開いている手で、八戒のズボンのベルトをはずそうとする。
「悟空…やめて下さい…」
再びかけられた制止の声に上げられた顔は、いつもの明るい少年の顔ではなく、性欲に満ちたオスの顔であった。
八戒の背筋に押さえきれない恐怖が走る。
体がガタガタと震える。
「ヤ…助けて……三蔵!」

ドカっていう音と共にドアがはずれて吹っ飛ぶ。
入ってきた人物は八戒の上にのしかかっている悟空にケリを入れ吹っ飛ばすと、顔の横数センチの所に拳銃を撃ち込む。
「さっさと失せろ、殺すぞ」
悟空は逃げるように部屋を出ていく。

三蔵はまだガタガタと震えている八戒をやさしく抱きしめる。
落ち着かせる様にゆっくりと背中をさする。
「…三蔵……」
ようやく落ち着いてきた八戒の上着のボタンを1つずつはめていく。
「…ありがとうございました…」
「ガキ相手だと思って油断してんじゃねーぞ」
三蔵は八戒の前髪をサラッとかきあげる。
「はい…。でもまさか悟空があんな行動に出るとは思いませんでしたから…」
戸惑うような笑みでいう八戒。
「…ああ…どうやら悟浄の入れ知恵らしいぞ」
ピキッと八戒の笑顔が完全に凍り付く。
「…そうですか……」
「…あいつらにはお前が誰のものかはっきり思い知らさせないとな。もちろんお前にも…」
えっ!?と八戒が声を上げるより早く、三蔵が八戒を押し倒し、強引に唇を奪う。
片手で八戒のあごを押し、口を開かせると、もう片方で上着のボタンをはずしていく。
激しい口付けから解放された時には、上着は完全に脱がされていた。
「…ちょっと三蔵……もう…何の為に服を着せたんですか!!」
抗議の声を上げる八戒に三蔵はサラリと言い放つ。
…………………………………………………………………。

 


次の日、八戒は誰の目から見ても、不機嫌なのは明らかだった。
もちろん表面上は笑顔だが……。
「…おい…いい加減に機嫌をなおせよ」
三蔵はジープの助手席から運転席に向かって言う。
「……………。」
八戒の返答はさっきからずっと無言である。
そして図に乗ってかすかに聞こえたつぶやき…。
「……エロ坊主……」
…昨夜、支配者の証や、お仕置きとされる激しいSEXにより気絶するように眠った八戒。
朝起きた時から三蔵を完全に無視しているのであった。
三蔵は『やりすぎたか』と公開しながら大きくため息をつく。
嫌な沈黙のままジープは進んでいく。
後部座席には人影はない……。
えっ…悟浄と悟空は?って。
カメラさん、もう少し引いて下さ〜い。
「ごめんなさい!もうしません!」
「まじ悪かったって。いくら妖怪でもこりゃ死ぬぞ!」
ジープの後ろにロープでくくられ、引きづられている2人
─────── 市中引き回しの刑、執v行v中v

 

END

 



ってなわけで、とらわれの姫君Yよりリク第2段。(←なんかとらわれのハズなのに貢がされてる私…)
『悟浄に入れ知恵された悟空が…八戒ピンチに三蔵王子(正義の味方ではないかも)が…』でした。
なんかウチの三蔵サマ、だしぬき王だなぁ。
なんか三蔵サマが助けにくるあたりのシチュエーションが某ホ○ゲーと同じだ…。パクったわけではない…。(爆死)
まあ今回のポイントは一度着せてから脱がす三蔵サマでしょうかね…。(バカ)


 

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