48 STUDIES Op48
46.梃子がかり(てこがかり)




「うーん…」
悟浄は一冊の本を見ながらうめき声を上げる。
悟浄が本を読むなんて珍しいと思い、八戒は思わず窓の外を見る。
とりあえず、今のところは良い天気である。
今日は洗濯物をいっぱい干したので雨は困るなぁ、などと心の中で結構酷いことを考えてしまう。
それほど悟浄が本を読んでいるのは珍しかった。
それも見た感じ、雑誌とかでは無さそうだ。
しかし、本自体にはカバーが掛けられていて何の本を読んでいるかまではわからない。
そんな、読んで考える物などあっただろうか、と考えるが心当たりは何もない。
とりあえず悟浄が珍しく悩んでいるようなので、声をかけずにそっとコーヒーの入ったカップを悟浄の側に置く。
その瞬間、突然悟浄が勢いよく立ち上げる。
「…わ…何ですか?」
八戒が驚き飛び退く。
悟浄はそんな八戒の肩をがしっと掴む。
「八戒、ちょっと試したいことあるから付き合ってくんねぇ?」
「は…はい……」
悟浄のあまりに真剣な様子に八戒は思わず首を縦に振ってしまった。


そのまま手を引かれて連れてこられた先は…悟浄の部屋。
「…ご…悟浄……」
抵抗する間もなくベッドに押し付けられる。
そしてそのまま荒々しく衣服が剥ぎ取られていく。
「………」
抵抗しようとして悟浄の肩に手をかけたときに、悟浄と目が合う。
今まで見たことのない瞳…。
何かを思い詰めているという感じだった。
ずっと何かを考えていた悟浄…。
それと何か関係があるのだろう。
自分は悟浄の悩みが何かわからない。
だから何も答えられない。
今、自分に出来ること…それは……。
八戒は抵抗を止め、悟浄の為すがままになる。
今の自分に出来ることはこれしかないから…。
「八戒……」
悟浄は八戒の服を全て脱がせると自らも裸になる。
そして69の型をとり、八戒の中心に顔を埋める。
「あ…ごじょ…」
悟浄は一体何を悩んでいるのだろう。
わかってあげられないということに八戒の胸が痛む。
責めて少しでも力になりたい、と悟浄のソコに舌を寄せる。
今でも同じ男のモノを口に含むには抵抗がある。
それでも必死に悟浄のモノを高める。
「八戒…」
悟浄の舌と指を使い、八戒の中心とその奥の蕾を愛撫する。
…一体どれくらいそうしていただろう。
静かな部屋に二人の息づかいと湿った音だけが響く。
「…八戒……」
やがて、悟浄がそう言うと八戒のモノから離れ、更に下方に移動する。
そして…。
「……………………できねー。
 やっぱこんなの絶対無理!」
「…悟浄?」
突然の悟浄の叫びに驚き、八戒が体を起こす。
「悟浄、どうしたんですか?」
心配そうに言う八戒に悟浄は一冊の本を取りだし見せる。
どうやら悟浄が先程まで読んでいた本のようだ。
「…これは……」
そこには男と女が絡み合っている図が描かれている。
「この『梃子がかり』ってヤツだけど、ぜってー無理だと思わない?こんなの入んねーよ」
と悟浄は力説する…。
さっきまで悟浄が悩んでいたのはこれなのだろうか…。
「……もう、服を着ても良いですか?」
穏やかな口調でそう言う。
しかし、その言葉には計り知れないほどの怒りが含まれているのがわかった。

その後、悟浄の姿を見たものはいない…(笑)


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