48 STUDIES
Op48
42.ひよどりごえの逆落とし(ひよどりごえのさかおとし)
十二月…年の終わり。
といえばやはり忘年会ではないだろうか。
世の中では毎日のように忘年会が行われている。
「と、いうわけで。
皆さん今年もお疲れさまでした。乾杯ゥ」
三蔵一行も例に漏れず忘年会であった。
ちょうど所用で街に数日滞在しなくてはならなくなったからだ。
……というのは口実で、実際の所はなんだかんだ言ってただ酒が飲みたいだけである。
今夜は無礼講である。
普段はあまりお酒を飲ませて貰えない悟空も、この時ばかりは飲み放題(笑)である。
ほんの少しの時間でかなりの量のお酒が減っていく。
ハイペースなせいかかなり酒の回りも早い。
もう既にかなり酔ってるなー…と“ザル”な八戒は一人淡々と杯を傾けながらそう思った。
「ゲームしようぜ」
ある時悟浄がそう言いカードを取り出す。
それと同時に数枚の紙を渡す。
「何ですか?この紙は」
「これに何個か罰ゲームを書くんだよ。
で、負けたヤツが一枚引いてそれを実行すんの」
悟浄は手に持った紙をヒラヒラさせながらそう言う。
「おもしろそうぢゃん♪」
各々紙に何か罰ゲームを書く。
何を書いたのかは誰かが負けて引かないことにはわからない。
しかしまぁ、酔った男が四人集まればそう上品なものなど期待は出来ない。
というよりも、むしろ下品である。
下ネタの嵐といっても間違いではないくらいに…。
そんな罰ゲームを書く方も書く方であるが、やるヤツも…である。
そんなことが平気になるくらいに皆酔っていた。
……八戒を除いて。
八戒だけは相変わらず素面である。
ゲームにも強いため、まだ一度も罰ゲームを受けていない。
「わー、八戒の負けだー」
皆の盛り上がりも最高潮に達したあたり、ようやく八戒が初めてゲームに負けた。
「ほれ、一枚」
悟浄が罰ゲームを書いた紙の入っている袋を八戒の前に出す。。
「…仕方ないですね」
八戒は苦笑いをしながら一枚引く。
今までの様子を見ている限り、ロクな物は書かれていないことがわかる。
せめて自分の書いた物が当たらないものかと思いつつ紙を開く。
「………」
八戒は紙に書かれている文字を見て絶句する。
「何が当たった?
お。大当たりー『全裸で逆立ち』」
悟浄が八戒の紙をのぞき見て拍手する。
「ほれ、早く」
「…本当にやるんですか?」
そう言って周りを見る…が、三人ともマジ酔っぱらい状態になっている上、本気の目である。
これはどうしたものか…と考えてしまう。
「早くしろよ〜。
よし、手伝ってやろうぜ」
なかなか行動をおこさない八戒に三人が近付く。
「え…ちょっと、やめてください」
三人がかりで八戒の服を脱がす。
その目は…かなり据わっていた。
「ほれ、八戒逆立ち。早くー」
「………わかりましたよ」
こうなったらヤケである。
もう、どうにでもなれ、という気で八戒は逆立ちをする。
潔い八戒のすがたに三人が感嘆の声を上げる。
そこまでは良かった。
その様子を見ていた悟空が突然八戒に近付く。
そして、逆立ちしている八戒の足を掴み、足を広げさせると足の付け根の…蕾に唇を寄せる。
「や…何…?」
「「!!」」
突然の悟空の行動に三人の動きが固まる。
悟浄と三蔵は一気に酔いが醒めたのか、引きつった笑いを見せる。
「…じゃ…じゃあ、今日はお開きってことで…オヤスミ……」
そう言うと関わり合いにならないように、とそそくさと部屋を出る。
「待って…や、悟空やめて下さい…」
悟空はやめるどころか、どんどんエスカレートさせていく。
舌先で蕾を割り、内部を舌で掻き回す。
更に片手を八戒の中心へと伸ばしゆっくりと扱き上げる。
八戒は抵抗しようとするが、逆立ちをしている上、悟空に蕾を舐め上げられ、力が入らない。
支えている手が震える。
「悟空…やめ…て……くださ…い…」
八戒は必死に叫ぶが完全に寄っている悟空に声は届かなかった。
「おはよ…頭イタイ…。
ところで、昨日いつお開きになったの…?」
「「「………」」」
翌朝、頭を抱えて悟空が起きてくる。
どうやら昨夜の記憶はないらしい。
悟空がこの先お酒を飲ませて貰えることはなかった…。