48 STUDIES
Op48
33.理非知らず
「…悟浄…どうしたんです…?」
何故そんなことが起こったかはわからない…。
それくらい突然の出来事であった。
「やめて下さい…悟浄…」
叫ぶような八戒の声も悟浄には届かない。
どうして…と悟浄に何度も問いかける…。
ずっと二人で普通に…平和に暮らしていたのに。
どこで何が違ってしまったのだろう。
何が原因だったのだというのだろう。
「……悟浄…」
何故自分は悟浄に組み敷かれているのだろう…。
悟浄の目はもはや正気とは思えない感じで…。
自分の知っている悟浄とは全く違っていて…怖かった。
…悟浄が怖い。
「悟浄…」
何が原因かなんてわからない。
ただ、わかることは…もう自分と悟浄は前のような関係にはなれない。
どんな結末を迎えることになっても…二人は友人には戻れないだろう。
「いや…悟浄…やだ……やめて…」
悟浄が八戒の服を引き裂くように脱がせる。
そして、手を後ろで一つにまとめると衣服の残骸で縛り上げる。
「おとなしくしてろよ」
「どうし…」
悟浄の唇によって言葉を途中で遮られる。
悟浄の唇が異常なほど熱く感じられた。
「ん…んん……」
唇を割って悟浄の舌が入り込む。
まるで別の生き物のように口内を浸食していく。
八戒は必死に頭を振り抵抗を示すが、悟浄に顎を掴まれ、それすらも阻まれる。
「ん…は…あ……」
解放された唇の端から、互いの唾液の混ざり合った物が筋を作り流れ落ちる。
悟浄の舌はそれを追うように八戒の身体を下へと移動していく。
「は…ぁ…ごじょ…」
悟浄の手が八戒の中心へと伸ばされる。
いきなり与えられる性急な刺激に息が詰まりそうになる。
「やめ…ごじょう…ゃ…」
八戒の瞳にうっすらと涙が溜まる。
それでも悟浄は動きを止めるどころか更に早めていく。
「だめ…や…あぁ……」
先端の窪みに軽く爪を立てると八戒は悟浄の手に精を放つ。
まだ息も整わぬ八戒の後ろに、今放ったばかりのものを塗りつける。
両足を持ち上げられたところで悟浄が何をしようとしているのか気付き、再び抵抗を始める。
男が本気で抵抗すれば簡単に挿入れることは出来ない。
悟浄は苛立ったように舌打ちすると、八戒の足を離す。
そして、一旦場を離れると何かを手にして戻ってくる。
「………?」
それは輪になった紐であった。
悟浄は再び八戒の両足を持ち上げると、その膝の裏に紐を通す。
そして、反対側を首にかける。
「や…何を…」
首が吊り上げられる。
無理な体勢に、体の自由が全く利かない。
「…そのままじっとしてろよ」
抵抗のおさまった八戒に満足そうに笑うと熱を持った自身を八戒の後ろにあてがい、一気に貫く…。
「……ぁ…」
八戒の口から声になりきらない悲鳴が上がる。
あまりの痛みに視界が霞む。
苦しくて息が詰まりそうだった。
「…や…やめて…」
悟浄はそんなことはかまわず、八戒の奥へと何度も腰を押し付ける。
これが夢であればいいのに…。
そんな叶わない願いを抱えたまま、八戒は意識を手放した。
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