48 STUDIES Op48
26.雁が首(かりがくび)



─── ねぇ、貴方は僕のことをどう思っていますか?

貴方の側にいても良いですか?

……僕のこと、見てくれますか?


「…来い……」
その立った一言で閨に呼び出される。
「失礼します」
八戒は静かにそう言って、三蔵の着物を脱がせる。
そして自分も全て服を脱ぐ。


三蔵に初めて抱かれてからどれくらい経っただろう。
無理矢理…力ずくで抱かれてから…。
きっと三蔵は気が付いていない。
自分が三蔵を愛しているということを…。
気付こうともしない。


「三蔵…」
小さく呟いて三蔵のモノを口に含む。
口内にもうすっかり慣れた三蔵の味が広がる。
「ん…んん……」
三蔵を喜ばせたくて、舌先で何度も三蔵を舐め上げる。
「は…三蔵…」
愛しい人のために…舌で、手で、そして唇で愛撫を加える。
自分の口内で三蔵のモノが脈を打ち、熱を帯びていくのが嬉しかった。
「三蔵…」
でも、三蔵は布団の上に横になったまま…自分には何も言ってくれない。


「三蔵…あ…さんぞ…」
三蔵のモノを口に含んだまま、自分の物を三蔵の足に擦りつける。
……こんな自分の姿に嫌悪する。
こんなのはSEXでも何でもない。
…ただの自慰ではないか。
「んん…ん…」
八戒が三蔵のモノを強く吸うと自身が二、三度震え精を放つ。
八戒もそれと同時に精を解き放った。
「ん…は…三蔵…」
八戒は三蔵の放ったモノを一滴も零さないように飲み干す。
そして、三蔵の方を見る。
…しかし、三蔵は八戒を見ない。


「今日はもう帰れ…」


─── 最近では抱いてすらくれないのですね…。

八戒は服を身につけると小さく会釈をして部屋を出る。
廊下の冷たい空気が八戒の身体の熱を奪う。
冷えていく身体と思考…。
嫌悪と虚無だけが残る…。


愛してなんて言わない…。
だから…せめて僕を見てください…。

 

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