48 STUDIES Op48
20.こたつがかり
ある日八戒は斜陽殿に三蔵を訪ねていった。
一風変わった贈り物を持って…。
「これは何だ…」
三蔵が訝しげな目で八戒を見る。
そんな八戒は三蔵の視線を特に気にもせずにそれを組み立てていく。
「こたつですゥ」
殺風景な三蔵の部屋の真ん中にそれを置く。
「そして…」
八戒はごそごそと持ってきた紙袋をあさる。
「みかんとお茶。この三点セットで今年の冬は完璧ですね」
「………」
一体どの辺が完璧なのだろうか…。
「はい、三蔵。熱いから気を付けて下さいね」
三蔵に差し出されたのはコーヒーではなく熱い緑茶。
三蔵はそれを受け取り一口飲む。
お茶の葉のよい香りが広がる。
体が温まり、とても和んだ気分になる。
「とっても良いお茶が出に入ったんです。
だから貴方に飲んでもらいたかったんです」
八戒が優しく微笑みかける。
暖かい笑顔。
このお茶のような…
いや、このお茶が八戒のようなのかもしれない。
「おいしいですか?」
「…あぁ…」
「よかった」
八戒が本当に幸せそうに笑う。
「最近、三蔵元気なかったから…」
自分もお茶に手をつけるとポツリという。
「何か貴方を元気付けてあげたかったんですけど、一体どうしていいかわからなくて。
いろいろ考えたんですけど…」
八戒は部屋を見回す。
「本当にこの部屋って殺風景ですよね…。
何だか生活感がないですし…。
だから、…きっと今が冬だって事もあまり感じていないと思って…。 それで冬を楽しんでもらおうと思って『冬三点セット』にしたんですよ」
はい、と三蔵にみかんを手渡す。
部屋の中に静かな空気が流れる
決して嫌な静けさではなく心が落ち着く。
「やっぱりこたつって落ち着きますよね。
必需品ですね」
三蔵は無言で立ち上がる。
「…三蔵、どうしたんですか?」
「…八戒……」
急に後ろから抱きしめられる。
「別に俺はこんなものは必要じゃない。
こんなものよりお前の方が落ち着くし…」
「…ちょ…さんぞう…」
三蔵の手が八戒の上着の中に入り込む。
「お前の方が暖かいし…な…」
三蔵が八戒に優しく口付ける。
何度も口付けを交わし、少しずつ繋がりを深くしていく。
「あ…ん…さんぞ…」
三蔵の唇が首筋から少しずつ下がっていく。
そして、胸のあたりで止まる。
「んん……」
少し固くなり始めた胸の突起を口に含み、舌先で転がす。
八戒が時折甘い声を上げる。
もう片方を手で刺激してやると八戒の声は一段と高くなる。
手を下におろし、ズボンの上から八戒自身をさすり上げると、そこはもうすっかり反応を示していた。
三蔵は手早く八戒のズボンと下着を脱がせる。
そして、八戒自身に直に触れる。
「あ…い…あぁ…」
八戒の腕が三蔵の背中にまわされる。
軽く動かすと八戒の腰が物欲しげに揺れる。
「さんぞ…うしろも…おねが……」
躊躇いがちに八戒が求めてくる。
「あぁ」
三蔵は八戒に軽く口付けると、今まで八戒自身を刺激していた手を八戒の蕾にゆっくりと差し込む。
「ん…あぁ…」
少しずつ中を解すようにして、本数を増やしていく。
背中にまわされた八戒の手に力が籠もる。
小刻みに震えているのがわかる。
「どうした、もう我慢できないのか?」
「ん…も…ほしい…」
顔を紅く染め、目を伏せ、躊躇いがちに八戒が言う。
「…ならこい…」
「え…?」
三蔵は床に座ったままだ…。
「欲しいなら自分で入れてみろ」
八戒は躊躇いながら一度深呼吸をする。
そして、こたつの机に手を置きバランスを取るとゆっくりと三蔵の上に体を降ろす。
「ん…あぁ……」
少しずつではあるが、三蔵自身を自分の中に収めていく。
時間をかけて全てを収めると、こたつについた手を支点にゆっくりと腰を動かす。
三蔵はそんな八戒を後ろからそっと抱きしめた。
「もう帰るのか?」
身支度を終えた八戒に三蔵がポツリと洩らす。
「えぇ…。またすぐに来ますから」
三蔵に軽く口付け、立ち上がる。
「あ、そうだ。そのこたつ、僕だと思って大事にしてくださいねゥ」
…その後、そのこたつは『八戒』と命名された……
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