48 STUDIES Op48
18.鯉の滝登り
ここは某私立高校である。
「…あれ…?」
2年A組クラス委員長である猪八戒は、体育の時間にいるべき筈の姿が見あたらないことに気が付いた。
今日はグランドでサッカーの予定である。
まだ授業が始まったばかりで先生も来ていないような時間ではあるが生徒が来ていないのはおかしい。
彼の姿は朝確認しているし、先程着替えているときにも居たと思う…。
なによりも教室はさっき自分が施錠をした。
つまり着替えは終わっているはずなのだ。
それなのにグランドにいないのはおかしい…。
つまり…
「またさぼりですか」
八戒はやれやれと溜息をつく。
そして、彼が居るだろうと思われる場所に向かって歩き出した。
「悟浄、やっぱりココですか」
窓から半分乗り出していた悟浄と呼ばれた男はその声に振り向く。
…その口には火のついた煙草…。
「…八戒なんでここに…」
悟浄は煙草を隠すわけでもなく一度大きく吸うとそう言う。
「貴方の行動はいつも一緒なんですよ…」
ココは第二体育準備室である…。
普段使われている第一準備室とは違い第二に入っているのは体育祭関係のものばかりなので普段はほとんど人が来ない。
一時期はヤンキーの溜まり場になっていたのだが、悟浄がこの部屋を私物化するために一度シメたので、それ以来ほとんど誰も来なくなっている。
ただし、八戒だけは別である。
悟浄の幼なじみである八戒は、持ち前のよい性格(笑)と恐ろしい笑顔で悟浄に言うことをきかすことが出来る。
いわば悟浄使いである…。
「悟浄、次の時間は何の時間か知ってます?」
「体育」
「じゃあ、何でこんな所にいるんですか」
八戒は溜息をつく。
まったくやれやれである。
悟浄がちゃんと体育に出た事なんて数えるほどしかないんではないだろうか。
「んー。俺今生理だから見学っつーことで」
「いつから貴方に生理が来るようになったんですか!」
「まーまー、そう怒るなって。もしかして生理?」
「あるわけないでしょ!」
八戒はぐったりと脱力する。
悟浄と話していると疲れる…。
真面目に向き合うだけ無駄なのでは…と考える。
一体、いつからこんなのになってしまったんだろう。
幼いときはもっと可愛らしかった気がするのに…。
…………。
そんなことはない…。
やっぱり幼い頃から悪ガキだった…と八戒は心の中で訂正する。
「何でそんなに体育ばかりサボるんですか?」
悟浄は日頃から不真面目ではあるが他の教科はそこまでサボってはいない。
…授業中に寝てはいるけど。
おまけに体育教師というのは大抵鬼教師でこの学校も例に漏れず…である。
また悟浄と体育教師が乱闘騒ぎになれば結局八戒が迷惑を被ることになるのだ…。
「めんどくさいから」
八戒の心中を余所に悟浄は反省もなく、そう言うとまた煙草に火をつける。
この男は…と八戒は怒りがこみ上げてくる。
「運動もしないで煙草ばっかり吸っているようじゃもう体力かなり落ちてるんじゃないですか?」
少し嘲笑うように言う。
「そーか?」
「そうですよ。貴方の自慢の肉体もすぐにボロボロですね」
その言葉には悟浄もうーんと考えてしまう。
悟浄にとって鍛え上げられた肉体はかなり自慢であるらしい。
それが衰えてしまうのは困る…。
「困りますよね。じゃあ体育を…」
途中まで言ったところで八戒は壁に押しつけられる。
「困るから運動しよう」
「…………」
言っていることは違っていないハズなのに…この状況は何かが違う…。
「一発やれば運動になるよな♪」
「…悟浄…もう一度ききますけど…今は何の時間ですか?」
楽しそうに言う悟浄に八戒は冷たい視線を返すが悟浄は全く気にしていない。
「…体育…。じゃ保健体育って事で」
「何が『じゃ』なんですか!…や…」
八戒の体操服を捲ってあまり日に焼けていない肌に唇を落とす。
「だって、八戒のかわいー体操服&短パン姿に俺、もう我慢できねーし」
胸元を舐め上げながら片手で八戒のあらわになっている足をさすり上げる。
「や…あ…授業…サボりに…」
とぎれとぎれの言葉はだんだん小さくなり最後には聞こえなくなってしまう。
「大丈夫。俺にまかせとけって」
短パンの中に手を忍ばせ、八戒のモノを直接刺激してやる。
何が大丈夫なんだ…と思いつつもだんだんと強くなる刺激に何も考えられなくなる。
八戒の抵抗がやんだのをいいことに悟浄は八戒の短パンと下着を一気に脱がせる。
「あ…やだ…ん…」
八戒のモノを口に含み、空いている手を後ろに差し込み前と後ろを同時に刺激する。
立ったままの八戒の足に力が入らなくなり、支えるように悟浄の頭を握りしめる。
銜えたまま上下に動かし、同じように後ろも動かすと八戒は大きく体を震わせ悟浄の口内に精を放つ。
「は…あ…」
「なぁ、今度は俺のもしてよ」
まだ荒く息をつく八戒の耳元で悟浄は低く囁く。
八戒はけだるい体を動かし、悟浄のままに跪くと短パンと下着を少しおろし悟浄のモノを取り出すと、恐る恐る口に含む。
舌を使い少しずつ悟浄を高めていく。
だんだんと悟浄自身が大きくなり苦しさに八戒が顔を歪める。
「…八戒、もういいぜ」
悟浄の言葉に八戒は悟浄のモノから離れ上目遣いに悟浄を見上げる。
その目はうっすらと涙に濡れている。
「八戒…欲しいか?」
「…はい…」
八戒は少し恥ずかしそうに答える。
「じゃあこいよ…」
悟浄は立ったままそう言う。
「そんなの…無理ですよ…」
「無理じゃないって、ホラ左足上げて」
八戒は恐る恐る左足を上げる。
悟浄は八戒の左足を掴むと自分の方に引き寄せる。
少しかがんだ悟浄のモノが八戒の後ろにあてられる。
そのまま重力で一気に根元まで入れる。
「…や…ごじょ…あ…」
片足だけでは支えきれず、八戒は悟浄に縋るように両腕をまわす。
「ホラ…できただろ…」
「ん…や…はずかしい…」
上は体操服を着たまま、下は片足に短パンと下着を引っ掛けているだけという姿に悟浄は興奮を抑えきれず荒々しく腰を振った。
「こら、お前ら授業サボってどこいっとった!」
「すいませーん、委員長が貧血で倒れたんで休ましてましたー」
悟浄は八戒をおんぶしたまましれっとそう言う。
確かに八戒はぐったりとして体調が悪そうである。
「…ならしかたがないな…ちゃんと保健室につれてっとけよ」
体育教師もそれ以上は何も言えない。
「…悟浄…」
つまりこれが『大丈夫』という事であるらしい…。
しかし…
八戒の瞳は復習の炎に燃えていた…。
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