48 STUDIES Op48
13.立ち花菱(たちはなびし)
悟浄はスキンシップが好きだとよく言う…。
確かに、すぐに人にベタベタと触りたがる。
特に八戒相手には…。
しかし…スキンシップも度を超せば…セクハラというのではないだろうか…。
「なー、八戒」
いきなり八戒の背中に重みがかかる。
「…わ…悟浄、ビックリしましたよ。何ですか?」
「ん、最近八戒に触れてなかったからスキンシップゥ」
悟浄は八戒にベタベタと触りまくる。
「もう、夕飯の支度の邪魔ですからどいてください」
八戒は悟浄を軽くあしらう。
実際の所は、八戒は悟浄に触れられるのは好きである。
…好きだからこそ困るのだ。
悟浄に慣らされてしまった体は、悟浄に触れるだけで感じてしまう。
特に、ここ数日は野宿が続いているので、悟浄に少し触れられただけで体が悟浄を求め始めてしまうのだ。
……今日も野宿なので…悟浄には触れられたくない…。
そんな八戒の気持ちを知ってか知らずか、悟浄は八戒にベタベタと触れたがる。
八戒に触れたいから…。
そして、嫌がる八戒のしぐさが可愛いからというのもある…。
「八戒ーゥ」
悟浄は突然背後から八戒を抱きしめる…が…
ザク…
「………」
「……え…?」
丁度夕飯の支度をしている八戒の左手に右手で持っている包丁が触れる…。
「……悟浄…」
これにはさすがの八戒も額に怒マークが出てしまう。
「ごめんなさい」
これには悟浄もさすがに悪いと思い素直に謝る。
八戒は仕方ないですね、と溜息をつき血のにじむ左手の人差し指に右手をかざし、気功で治そうとする。
「疲れてんのにそんくらいの怪我で気功使うなよ。
こんなのなめとけば治るぜ」
八戒の左手を掴み、その人差し指を口に含む。
「ぁ……」
指を暖かい口内に含まれ、傷口を舐められる感覚に、だんだんと別の感覚が生まれてくる。
そんな八戒の様子に気付いた悟浄はわざといやらしいなめ方をする。
まるで、いつも八戒のモノにしているように…。
「…ん…」
ただ指を舐められているだけなのに、だんだんと体が熱くなるのがわかる。
「ほれ、あとはバンドエイドでもはっとけよ」
悟浄は八戒の指を離し、肩をぽんっと叩くとそんな八戒を置いてどこかに行ってしまう。
「……悟浄のバカ…」
八戒は自分の指の傷を見つめ、まだ赤いその顔で小さく呟いた。
みんなが寝静まった頃、八戒はそっとジープを抜け出した。
「…はぁ……」
八戒は小さく溜息をつく。
寝れない…。
その理由は…。
八戒はぎゅっと自分の体を抱きしめる。
体が熱い…。
悟浄に煽られてしまった体は、時間を置いてもまだ疼き…熱を求めてしまう。
このままでは眠ることもできない。
…だからといって自分でする…というのも恥ずかしすぎる…。
「…確かこの辺に泉があったと…」
月明かりで照らされている森の中を進む。
体が熱くて眠れないのなら、冷たい水でも浴びて熱を下げよう…。
そう思い、八戒は森を進む。
「………?」
しばらく進むと前方に人影が見えた。
一体誰…。
「よう、八戒」
「…ご…悟浄」
そこにいたのはさっきまでジープで寝ていたはずの悟浄である。
いつの間に先回りをしたのだろう。
「こんな所で何をしているんですか?」
「そういうお前こそ何してんだよ」
質問をそのまま返され、八戒は言葉に詰まる。
「…ちょっと眠れないんで、散歩です」
視線を背け、ごまかすように言う。
そんな八戒に、悟浄は笑いながら近付く。
「へぇ」
「あなたは何をしているんです…っん…」
八戒の質問には答えず、悟浄は強引に八戒の唇を奪う。
悟浄の下に口内を犯され、八戒の熱はますます高められる。
「…俺は、八戒は溜まっちゃって寝れないんじゃないかなーって思って♪」
「な…」
「そうなんだろ?ここはもうこんなになってるし」
悟浄は八戒のズボンの上からすでに形を変え始めているモノに触れる。
「…やめて下さい…」
そのまま木に背中から押しつけられる。
「溜まった熱を下げるなんて簡単だろ?
とりあえず一発出しちまえばいいんだよ」
抵抗する八戒の腰を片手で押さえ、もう片手で八戒のベルトとジッパーを外す。
前だけくつろげると、もうかなり限界を迎えていた八戒のモノが姿を見せる。
そのまま、悟浄は八戒のモノを口に含む。
「や…ごじょう……」
ここ数日吐き出されていない欲望は少しの刺激ですぐに出口を求め始める。
悟浄は空いている手で袋の方も刺激をする。
激しいわけではないが、的確に八戒の弱いところをついてくる。
「ん…や…あぁ……」
その刺激に八戒は我慢できずに悟浄の口内に溜まっていた欲望を吐き出す。
「……は…あ…悟浄……」
悟浄は八戒のモノを飲み干すと、八戒の頬に軽くキスをする。
「そんじゃ、八戒おやすみ。ゆっくりと休めよ」
そう言い、悟浄は先にジープへと戻る。
…一緒に戻って三蔵か悟空が起きていたら、ということを考えてなのだろうが…。
八戒の力の入らない体を木に預けたまま、根元に腰を下ろす。
「…悟浄のバカ…セクハラガッパ…」
と小さく悟浄の消えた方に向かって呟く。
再び熱を高められた体はあれだけでは足りずにまだ刺激を求める。
…明日もジープの運転などをしなくてはいけないので本番をするわけにはいかないのもわかっているけど…。
「……よけいに眠れないじゃないですか…」
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