Lasciatemi morire! OP31
*この話は半パラレルです。
悟能は妖怪ですが、清一色に飼われてます。
ヒタヒタと石造りの廊下を素足で走る音が響く。
その足は血にまみれていた…。
それでも、その青年は一心に走り続けた。
しかし、その廊下の先には出口どころか窓すらなかった。
青年の足が止まる。
どこまでも続く冷たい廊下……。
その先にあるものは……絶望……。
「悟能。」
いつの間にか真後ろにいた人物……。
悟能と呼ばれた青年はその声に再び走り出す。
しかし、後ろから強く手を掴まれる。
「ほら、捕まえましたよ。」
悟能はうつむき、ぐっと唇を噛みしめる。
この城から逃げ出すことは出来るのだろうか…。
逃げ出したかった…。
たとえ…屍になってでも……。
この城に捕らえられてから何日経っただろう……。
最愛の人を助けにこの城へと来た…。
「いい加減諦めたらどうです?この城から…我の元から抜け出すことは出来ませんよ…。」
この男の手によって妖怪へと姿を変えられた…。
「こんなに怪我だらけになって…。自分で斬りつけたのですか?」
男は悟能の手をとり、その手の傷跡に唇を寄せる。
死のうとして斬りつけた手の傷…。
でも、妖怪へと変化させられたその肉体では…それぐらいのことでは…死に導かれない。
舌を噛みきっても
手首を切っても
どんなに血を流しても……死ねない。
「だめじゃないですか。アナタに傷を付けていいのは我だけなんですよ。」
男の体温を感じさせない冷たい舌が、乾いた血を舐めとっていく。
すべてを舐め終えると、男は寒気のするような笑顔を浮かべ、ゆっくりと口を開く。
男はまた口にするのだろう。
死ねない死刑への宣告を……。
悟能が逃げ出すたびに男が口にした言葉。
極限の苦痛と屈辱。
いっそのこと殺してくれればいいのに……
何時になったらこの身は滅びることが出来るのだろう。
寿命を待つにはあまりにも遠すぎる。
まず第一に妖怪の寿命はいったいどれ程のものなのだろう。
数日でも気が狂いそうになるぐらい長い時間に思えたのに…。
いったいどれぐらいの時を過ごせばいいのだろう。
あの時死ねていれば良かった。
あの男が気まぐれなどを起こさなければ、自分は人間の身のまま死んでいただろう。
自分は多くの罪を犯しすぎたから、最愛の彼女と同じ所には行けないだろう。
それでも、たとえ自分の行く先が地獄であっても、ここよりはマシだろうと思える。
だから……
僕を死なせてください
でも彼の願いは聞き届けられず、男の口から言葉が紡ぎ出されるだろう。
死よりつらいもの。
「さあ、悪い子にはお仕置きですよ……」
「相変わらずこの部屋は悪趣味ですね。」
自分の親の作った部屋を見て男は小さく笑った。
この部屋は男の親…百眼魔王の作った部屋…。
捕らえた娘たちに苦痛と羞恥…そして屈辱を与える為の部屋。
「今日はどれにしましょうね。」
清一色は部屋の物を見回す。
そして部屋の中心に置かれた椅子を見る。
「悟能こっちへ来て、この椅子に座りなさい。」
清一色は悟能を椅子に座らせる。
もちろん普通にではない……。
肘掛けの上に足をのせ縛る…。
大きく足を広げた状態にされる。
どんなに抵抗しても足を閉じることは出来ない。
続いて両手を背もたれの後ろで1つに纏められる。
「……やめてください……」
あまりの恥ずかしさに悟能は目を閉じ顔を背ける。
「こんな自分の姿は見たくないですか?じゃあ見えないようにしてあげましょう。」
清一色は布で悟能に目隠しをする。
「ほら、これでなにも見えませんよ……。」
清一色の手が悟能の肌を滑る。
目隠しをされているせいか、いつもより感覚が敏感になってしまう。
「…ん……や……」
その時部屋の扉が開く音が聞こえる。
続いて、何人かの足音が聞こえてくる。
「…な…なに…?」
「今日のお客様ですよ。」
多くの手が悟能へとのばされる。
「や…あ……やめて…」
視界を塞がれた状態で、多くの手の感触だけが肌を犯していく。
長いときが過ぎた。
多くの手により悟能は何度も高められる。
気が狂いそうだった。
「……もう…許してください…」
悟能が清一色に哀願する。
「…反省しましたか?」
「はい…ごめんなさい……」
その言葉に満足した清一色が指を鳴らすと一斉に悟能を嬲っていた手が引く。
「アナタは我のモノなんですよ…」
いきなり清一色のモノが悟能の蕾を割って入る。
「や…いや…あああ…」
「永遠に離しませんよ…」
Lasciatemi morire…………
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