雅楽「越後獅子」 OP29
12月31日の夜、悟浄と八戒の所へ三蔵と悟空がやってきた。
「……お寺の方いいんですか…?」
「めんどくさい」
「…………」
行事のたびにウチに逃げてくるのはやめてほしいなあ、と八戒は思う。
「なあ八戒、なんか食うものない?」
「じゃあ、年越しそば作りますね。」
まあ、予想はしていたので年越しそばもおせちも4人分用意してあるのだが……。
「……でも……」
最高僧がこれでいいんでしょうかね…。
───
数時間後
大量飲食を終えた2匹……もとい、2人はすっかり眠りについていた。
八戒はやれやれと思いつつテーブルを片付ける。
「そんなの後でやればいいだろう。それより出かけるぞ。」
「…何処へですか?」
「初詣に決まっているだろう。」
「…神社にですか…?」
「教会に行くつもりか?」
「…いえ…そうじゃないですけど…」
三蔵から初詣という言葉がでるとは……。
「いいんですか?宗教違うのに…」
「他の奴らもほとんど仏教徒だろ。」
三蔵の言葉に八戒は、なるほど、と感心してしまう…。
「着替えてこい」
「…って着物にですか?」
───
数分後
着物に着替えた八戒が部屋から出てくる。
三蔵は普通の私服であった。
「三蔵は着物じゃないんですね…」
でもまあ、法衣じゃないからいいか…と八戒は思った。
「行くぞ。」
「はい。」
「やっぱり込んでますね…」
待ちのはずれにある小さな神社であったが、それなりの人があつまっていた。
「三蔵は何をお願いしたんですか?」
「…そういうものは人に言うものじゃないだろう。」
三蔵は少し赤くなり視線をそらす。
「そうですね。」
八戒は楽しそうに、ふふっ、と笑う。
「あ、おみくじ引きませんか?」
「吉、ですね。三蔵はどうでした?」
そう言って八戒は三蔵のおみくじを覗き込む。
「……俺も吉だ…」
「同じですね…あれ?」
八戒は自分のおみくじと三蔵のおみくじを交互に見比べる。
「…まったく同じですね…」
2人のおみくじは同じ番号だった。
「同じ運勢なんですね…。」
「…運命共同体…だな…。」
「はい。」
森の小道に入ると、街のざわめきがウソのように静かだった。
「あ…年が明けたようですね…。」
街で打ち上げられた花火が新しい年の始まりを2人に知らせる。
「明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします…。」
ゆっくりと2人の唇が重なる。
「ん…」
三蔵の舌が八戒の口内へと入り込み、少しずつ八戒を攻め立てていく。
「…んん…ちょっと……さんぞ…」
三蔵の足が八戒の着物の裾を割る。
「や…三蔵…やめてください…こんな所で…」
「この時間のこんな所、人はこない。」
三蔵の手が着物の裾から入り込み、八戒の脚をなで上げる。
「そ…そういう問題じゃなくて……」
「…帰ったらあいつらが居るからな…」
「…そうですけど…ん…や…」
いきなり中心を掴まれ八戒の体がビクっと震える。
「や…さんぞ…着物が汚れちゃいますから……や…やめてください…」
「そうだな…」
「え…三蔵…」
着物の下だけを上の方に捲り上げる。
「汚れないようにしっかり持ってろよ。」
「…ん…んん…」
両手で着物の裾を持っているので抵抗ができない。
「や…あ…あああん…」
前への刺激を中断し、いきなり後ろへと指がさしこまれる。
中をゆっくりかきまわすようにし、指を1本から2本へと増やす。
中が解れるとその指を抜き、八戒の腰に手を回す。
「…いくぞ…」
「ん…や…ああああ……」
「……もう……なにもこんな所ですることないじゃないですか……」
八戒が目にうっすら涙をため三蔵にいう。
三蔵は無言でハンカチをだし八戒の涙を拭う。
「…腰が痛くて歩けないですよ。」
「…家までおぶってやる…」
「そ…そんなの…悟浄と悟空になんていうんですか。」
八戒は顔を赤くして抗議する。
三蔵は少し考え、八戒の草履を手に取ると鼻緒を引き千切る。
「なにをするんですか……」
「お前の草履の鼻緒が切れたからおぶって帰る、これでいいだろ。」
三蔵の背中は暖かかった。
その暖かさを感じながら八戒は綺麗な星空に祈った。
─── 今年も三蔵とずっと一緒に居られますように…
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