幻想交響曲 Op23
◇エピローグ◇
目を覚ますと、見慣れた天井が目に入った。
…頭がはっきりしない……。
「…悟浄。良かった…意識戻ったんですね」
八戒の瞳に涙が浮かんでいた。
……どうしたんだよ…一体……。
「一体どうしたんですか?気を失うほどお酒を飲むなんて…貴方らしくない…」
………?
俺はゆっくりと記憶を呼び覚ます。
…思い出した……。
……俺は…街で歩いている三蔵と八戒を見て…それで…勝手に嫉妬して……。
あれは…。 あれは全て夢?
…幻……。
……ただの幻想………。
「…悟浄…どうしたんですか……」
俺は力一杯八戒を抱きしめた…。
八戒がどこにも行かないように…。
ずっとここにいろ…。
どこにも行かないでくれ…。
俺が…お前を殺してしまわないように……。
──── 愛情、嫉妬、独占欲…
──── 人は愛が為に狂う…