小悪魔のトリル Op22
おっす。オラ、悟空(笑)
俺、みんなにバカだって言われてるけど、そこまで頭は悪くない。
実はこれでいて、結構策略家なんだぜ。知ってたか?
今日はその技を見せてやるぜ。
俺は、ある夜聞いてしまった。
夜中に、ふと目が覚めて、水を飲もうと思って下の食堂に行った。
そしたら、食堂に明かりが見えたんだ。
ドアを少しだけ開けて中を見ると、悟浄と三蔵が酒を飲みながら話をしていた。
あの二人が話してるなんて珍しいな〜、って思って、悪いとは思いながらも、盗み聞きをしてみたんだ。
「三蔵、お前八戒のこと好きだろう」
「だったら何だと言うんだ」
「勝負しねぇか?」
「勝負?」
「あぁ、どっちが先に八戒をモノに出来るか勝負しようぜ」
「……いいだろう」
……。
悟浄と三蔵が八戒を取り合い?
なんかビックリだ。
…だって、俺も八戒のこと好きだもん。
まぁ、あの二人の気持ちも分かるよ。
八戒は綺麗だし優しいし…。
男の目から見てもグッとくるものがある。
早くモノにしとかないと他の男に取られそうだしな。
…でも俺だけカヤの外にするなんて…。
「でもまぁ。あのサルも八戒のことかなり気に入ってるみたいだな」
「…そうだな」
「でも、まだガキだもんな。ちょっとな〜」
中から人をバカにしたような悟浄の笑い声が聞こえてくる。
…バカにしやがって。
いっとくけど、俺は五百歳以上なんだぞ。(記憶無いけど)
俺を本気にさせたな…。
俺を怒らしたらどうなるか、思い知らせてやるぜ。
── こうして俺の作戦は決行されることに
なったのだ。
俺達はある街に着いた。
今日はここで一泊するらしい。
ついでに、悟浄と三蔵の勝負の日も今日らしい。
だって二人の目の色が違うもん。
…でも、八戒は俺がもらうよ。
「今日の部屋はツインが二つですけど」
いつも通り八戒が宿を取りに行き、戻ってきた。
ツインが二つという言葉を聞き、二人の目の色がさらに変わった。
勝負を仕掛けるのか?
「八戒、俺と同室にしようぜ。バカ猿と一緒だとうるさくて寝れねぇーからよ」
「俺だってコイツと同室は嫌だ」
二人共、俺を理由に八戒と同室になろうとしてんのか。
でも甘いね。
俺は少し甘えた顔をして八戒に近づく。
「悟浄も三蔵もヒデェよ。そんなに俺、うるさくねぇよ〜。な、八戒。八戒は俺と同室でもいいよな」
じっと八戒を見上げる。
「えぇ。いいですよ」
八戒が俺に、にっこりと微笑む。
おっしゃ。作戦成功。
「じゃあ、今日の部屋は、僕と悟空。悟浄と三蔵ってことで」
俺は八戒について部屋へと向かう。
もちろん、悟浄と三蔵の方を振り返って笑ってやる。
ザマーミロってな。
こうして、俺は八戒との同室権をゲットした。
作戦はまだこれからだ。
──夜。
ついに勝負をかける時が来た。
俺はまくらを持つと八戒のベッドへと、てこてこと歩み寄る。
「八戒、一緒に寝ても良い?」
俺は最大級に甘えた笑顔を作る。
「…いいですよ」
俺の笑顔に八戒はにっこり笑うとOKの返事を出してくれる。
俺は、へへっと笑うと八戒のベッドへと潜り込む。
布団の中に、ほのかに八戒の香りがする。
俺は八戒の胸元に顔を埋める。
「もう、どうしたんですか?今日の悟空は甘えん坊さんですね」
八戒は少し困ったような顔をしているが、嫌がっている様子はない。
「俺、八戒のこと好きだよ」
出来るだけ純粋そうに笑って言うと、八戒は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔で
「ありがとうございます。僕も悟空のこと好きですよ」
と言ってくれた。
俺はにっこり笑うと、八戒に口付けた。
まぁ、まずは舌は入れない。
「ちょっと…悟空」
八戒は少し慌てている。
「なんで?ダメなの?キスって好きな人同士がするんだろ?」
俺はわざと少年めいた顔で言う。
そうすれば八戒は拒めない。
やさしいから…。
俺はそんな八戒の優しさを利用する。
使える物はなんでも利用しないとな。
「え、でもそれは…」
「俺、八戒のこと好きだから、八戒の全てが欲しいんだ」
八戒の首元に唇を落とし、ゆっくりと下へずらしていく。
パジャマのボタンに手をかけると、八戒が抵抗する。
ま、ここで素直に行くとは思わなかったけどさ。
俺は、捨てられた子犬のような顔で八戒を見る。
「八戒…俺のことキライなの?」
その言葉で八戒の抵抗が止まる。
八戒の性格から、こうなることは予想済みだ。
俺はこの隙に再び八戒の唇を奪う。
今度は深く口付ける。
八戒の頬を両手打はさみ、逃げられないようにする。
そして舌を差し込む。
もう見えても俺は結構キスが巧い。
え、どこで覚えたって?
それは企業ヒミツ。
俺のキスで八戒は結構、力が入らなくなってきている。
もう、手を離しても大丈夫かな。
俺は頬に添えていた手を離し八戒のパジャマのボタンを一つずつはずしていく。
今度は抵抗されない。
ボタンを全てはずすと、唇を離し、その胸元へと移動する。
「や…あ…」
胸の突起を口に含むと、八戒の唇から甘い声が漏れる。
やっぱ、八戒って可愛い。
俺は八戒のソコを執拗に攻め立てた。
八戒の唇から次々に甘い声が漏れる。
八戒の声って…なんか刺激的だよな。
なんか、痕を残したくって、俺は八戒の胸にいくつもの痕を残す。
「…あ…悟空……」
俺は八戒のパジャマのズボンと下着を一気に取り去る。
指を唾液でぬらすと、八戒の後ろへと指を忍ばせる。
八戒は、俺の服をぎゅっと掴む。
…もしかして……。
「八戒、初めてなの?」
俺の問いに八戒はぎゅっと目をつむったまま、こくこくと頷いた。
え、初めて?ヤッター。
「八戒、大丈夫だから力抜いて」
俺はゆっくりと時間をかけて八戒の後ろを解していった。
だんだんと柔らかくなり、八戒の顔が少しずつ赤くなっていくのがわかる。
そろそろいっかな。
「八戒…入れるよ」
俺はそう言うと一気に貫いた。
「あ…い……ご…く………」
俺はこうして八戒の初モノを手にすることが出来た。
──次の日。
今日の俺は限りないほどの優越感の中にいた。
悟浄も三蔵も気付いたようだ。
昨夜、八戒が気を失ったあとに付けた所有の証…。
うなじに付けられたキスマークに。
教訓 短所も使いようによっては武器になる。
俺は幼く見える、と言う短所を使い、見事に八戒を手に入れた。
みんなもがんばれ。
完。
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