幻想即興曲 Op18





 手の中に収められた『罪』と書かれた牌。
 その牌にそっと口づける。
 ……貴方は……誰………?



 旅の途中で寄った街……。
 その街は昔、百眼魔王の被害にあった街だった。
 そこで思いがけない事実を耳にした。


 ーーーーーー 百眼魔王に世継ぎはいない……。



 貴方は誰……。
 何度も何度も僕の前に姿を現し、……そして消えていった……。
 貴方は誰なんですか?
 何の為に僕の前に姿を現すのですか……?



 背後に感じる気配……。
 もう二度もこの手で引き裂いたのに……。
 どうして貴方はまた僕の前に現れるのですか?
「アナタが我を呼んだからですよ」
 呼んだ……僕が……?
 ……何の為に……?
「我はアナタが求めるモノを与える為にここに居るのですよ」
 僕は求めるモノ?
「アナタのお姉さんが死んだ時……アナタは何を求めましたか?」
 ……花喃が死んだ時……。
 僕が求めたモノ……。
 全ての憎しみをぶつける事のできるモノ……。
 それを引き裂く事のできる力……。
 そして……自分自身の死を求めた……。
 清一色の存在にすべての憎しみをぶつけ……。
 清一色に貰った力で彼を引き裂き……。
 そして……清一色から受けた傷はほぼ致命傷となった……。
 ……悟浄が僕の事を助けなければ……僕は望んだ通り、自らの死を手に入れる事ができただろう。
 ……すべては自らが望み、求めたモノ……。
「再び我がアナタの前に姿を現した時……。
 アナタは何を求めましたか……?」
 ……あの時……僕は……。
 八百ねさんが……自らぶ刃を向けたその時から、僕の名かで再び大きな存在になった花喃……。
 あんなに苦しかったのに……だんだん花喃を失った事が平気になって……忘れていく事に罪悪感を感じ……。
 壊れたいのか。吹っ切りたいのかも分からず……ただ苦しんでいた。
 清一色が現れて……破壊というものを与えられそうになって……僕は本当は壊れたく無かった事を知った……。
 ……そして再び清一色を切り裂く事によって……僕は吹っ切る事ができたのかもしれない。
 ……すべては自らが求めるがままに……。

「そして我は再びアナタの前に現れました。
 アナタは我に何を求めるのですか?」
 今……僕が求めるもの……。

 ーーーーーーーー 僕を愛して下さいと言ったら……貴方は愛してくれますか?






 OP18なので1×8にしてみました。
 微妙にパラレってます。なんとなく思いついた設定だから……。ラブではない相愛ってのを書いて見たくてさ……。
 突発企画なのでちょっと短いです……。
 しかも『日本東洋音楽研究B』の授業中です。
 あやしい民族音楽流れまくり。
 私はこんなにがんばっているのに闇管が寝てる……はう。




 データ紛失の為(当時私は自分で入力してません。闇管がやってました)なかった小説。
 大掃除したら、元の手書きノートが見つかったので入力してみました。
 初期の作品なので……はは……文法とか所々おかしいけど、まああえて羞恥プレイって事でそのままです。
 漢字の間違いだけは直したけど……。
 
 これ、大学の授業中に書いてたのね……ごめんO先生。


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