The Merry Farmers Op.16

 

「今日からアルバイトに入りました猪八戒です。
よろしくお願いします」
自己紹介をして、深々と頭を下げる栗色の髪の青年。
ここはマ○ドナ○ド長安店である。
「俺がこの店のオーナーの玄奘三蔵だ。
とりあえず、お前は愛想がいいからとりあえずカウンターに入れ。
仕事の内容はあそこにいる髪の赤い軽そうな男に聞け。
おい、悟浄」
三蔵に呼ばれて赤い長髪の青年がやってくる。
「新しく入った奴だ。レジとか教えてやれ」
三蔵はそう言うと奥へ消えていった。
「猪八戒です。よろしくお願いします」
八戒がにっこりと微笑む。
「俺、沙悟浄。よろしくな。
実は俺、お前と大学同じなんだぜ、知ってた?」
「…え、そうなんですか?」
「学部違うけどな。俺、美人さんの顔は一度見たら忘れねぇぜ」
そう言ってニヤッと笑う。
「エーロ河童」
突然、悟浄と八戒の間に少年が出現する。
くるっと八戒の方を向く。
「俺、孫悟空、高3。フライヤー(揚げ物)担当。よろしくな」
にっと笑い右手を差し出す。
「残飯処理担当の間違いじゃねぇの?」
「廃棄になるヤツ食ったって別にいいじゃんかー。
残飯処理ってなんだよー」
悟空がブーブーと悟浄に文句を言う。
八戒はそれを微笑ましく眺める。
「僕は猪八戒、大学4年です。よろしくお願いします」
八戒は悟空の右手を両手で包み込むように握手をする。
悟空は八戒の頭の先からつま先までをじっと眺める。
「悟浄もついに男をナンパするようになったなんて嘆かわしいな。ホ○ガッパとか思ったけど、八戒、本当キレイ」
「誰がホ○ガッパだ」
悟浄が両手でこぶしを作り、悟空のこめかみをグリグリをしめる。
「いってーな。○モガッパ!」
ギャイギャイと騒ぐ2人。
そこへ………。
「さっさと開店準備をせんか!」
三蔵店長から一発ずつハリセンをいただき2人は黙る。
「ちきしょー。時給安いくせにこき使いやがって…」
悟浄が小声でぼやく。
「まずスマイル0円ってのがやってられねぇよな。俺、掛け持ちでホストクラブでもバイトしてんだけどよー。あそこじゃスマイルひとつで車だって手に入るぜー。なー、八戒、お前もやってみねぇ?ここなんかとくらべもんにならねぇぐらい金入るぜ」
「遠慮しておきます。じゃあ、悟浄さんは何でここでアルバイトしているんですか?」
八戒は苦笑する。
「そりゃ、ごーじゃすマダムばっかり見てると飽きるからだよ。
ここは周りに結構高校があるだろ。かわいい女子高生の子猫ちゃんたちがいっぱいくるぜ」
「お前、次バイト中にナンパしたらクビだぞ!」
奥から三蔵店長の怒鳴り声が響く。
「次って……」
本当にバイト中にナンパしてるんですか?という目で八戒は悟浄を見上げる。
「いーっつもナンパしてるもんな、エロガッパは」
ポテトを揚げながら悟空がきししと笑う。
「お前も次つまみ食いしたらクビだぞ!」
三蔵店長に怒鳴られ悟空が、悲しそうな顔をする。
「え〜。だって腹減ると働けないよ〜」
う〜腹へったー、と悟空はその場にしゃがみ込む。
「…開店だ」

───── スマイル0円。
───── ただし、スマイルのみでの御注文は御遠慮下さい。


♪次回予告(大ウソ)♪
マ○ドナ○ド長安店のお向かいにロッ○リアが……。
カリスマ店長、紅孩児、スマイル女子高生李厘の兄妹の攻撃(?)に長安店大ピンチ?
次回「激闘のハンバーガーショップ」
須く見よ。

 


END

 


3456HITのそーこサマより、リク。
「某ファーストフード店で働く4人」でした。
初めてカップリング無しで書いたよ……。
私にはこれが限度です。許してそーこサマ…。
いつかこれの赤ヴァージョン(38)を書きたいな…。


 

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