クローバーファンタジー Op151



◆W:夜と構図◆

 夜が更ける……。
 一日の終わりを迎える為に。
 いつもの様に夜は更ける。

 いつもの様に……



「ちょっと、悟浄…」
 八戒は悟浄を見上げてそう言う。
 夕飯も終わり、今日は酒場に出かけなかった悟浄と二人で借りてきたビデオを見て……さあ、もう遅いからそろそろ寝ようかと思ったとき、悟浄にソファーに押し倒されたのだ。
 いきなりの事に慌てて、八戒は悟浄の体を押し返す。
「悟浄、何するんですか」
「言わなきゃ分かんない?」
 悟浄は不敵なな笑いを浮かべながら言う。
 勿論この状態で悟浄が何をするつもりなのか、本当に分からない訳ではない。
「じゃー、ヒント」
 何も言わない八戒に、悟浄はおもしろがって八戒のパジャマのボタンを一つずつ外し始める。
「ちょっと、やめてください」
 八戒は慌てて抵抗するが、悟浄は器用にボタンを外し八戒のパジャマを脱がし始める。
「ほら、早く答え言わないとヒントは進むよ〜」
「…………」
 その言葉に八戒は顔を赤らめる。
 悟浄が何をするか、それはもうこの状態ではナニしかないだろう。
 それをあえて、八戒の口から言わせようというのだ。
 口ごもる八戒に悟浄はどんどんと服を脱がしていく。
「わ、分かりましたから」
 八戒は観念してそう言う。
「はい、お答えは?」
 悟浄は待ってましたとばかりに満面の笑みで八戒を見る。
「えっと……セックスするつもりなんですよね……」
「大正解〜〜」
 小さな声で言う八戒に対して悟浄は大きな声に拍手まで付けて言う。
「答えたんですから、離してください」
 自分の服を脱がす手を引き離そうとするが、悟浄は離さずまだ脱がし続ける。
「ちょっと…んん……」
 そして何か言おうとする八戒の唇を自分の唇で塞ぐ。
 軽いキスを何度か交わし、少しずつ深いものへと変えていく。
「正解者には正解を実践でプレゼントです」 悟浄はそう言い八戒に覆い被さる。
「もう…昨日もしたじゃないですか」
「昨日は昨日、今日は今日。
 それに、八戒の側にずーっといるって約束しちゃったからさ。
 やっぱり一番近くにいかないと駄目じゃん?」
「悟浄……」
 軽い感じで言う悟浄に八戒は溜息を吐く。「分かりました。
 せめて、ベッドに行きましょう……」
「おっし、サービスで運んでやるぜ」
「あ…ありがとうございます」

 
 悟浄の腕の中で八戒は考える。
 ずっと側にいる…。
 その約束とこれは本当に関係あるのか……分からない。
 悟浄の優しさなのか……それともただスケベなだけなのか……。
 それも分からない。
 それでも……


 でも、まあ……よしとしましょう…









 そうして終わる……。

 いつもと変わらない

 平和で

 幸せな

 そんな一日が

 そしてまた明日……

 いつもの様にまた始まる




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