狩りの歌 OP126
西への長かった旅が終わった。
無事に牛魔王の復活を阻止し…。
そして四人は帰路についた。
でも…一人の悪魔を逃してしまった事に…その時は誰も気づいていなかった。
八戒と悟浄は前に住んでいた家に戻った。
今まで通りの暮らしに戻ろうと…。
『ずっと貴方と居てもいいですか?』
そう言った八戒に悟浄は頷きそっと抱きしめた。
何事も上手くいっていた。
…その時までは。
幸せを噛みしめていた時、その悪魔は現れた。
全ての幸せを壊す為に…。
「八戒!」
そう叫ぶ悟浄の目の前で…八戒はさらわれた…你健一に。
「どうする気なんですか?」
八戒は你を睨み上げそう言う。
そんな八戒に你は笑って言った。
「暇だからちょっとウサギちゃんと遊ぼうと思ってね」
残酷な微笑み…。
その時から地獄の生活は始まった。
毎日繰り返される陵辱。
「やめて…やめてください…」
泣いてそう言っても你はただ笑ってその光景を見ていた。
ただの陵辱ではない…。
你の気まぐれだけで行われる…残酷な遊び。
そんな生活に八戒は身を削るような想いでいた…。
「家に帰して下さい…」
八戒は你に向かってそう叫ぶ。
何度も何度も…声が枯れる程にそう叫び続けた。
家に帰りたい…。
悟浄の待つあの家に。
そんな八戒に、ある日你はある事を言った。
それは一つのゲーム…。
「じゃあ賭をしようか。
君がこの森から無事抜け出せたら、お家に返してあげるよ」
そう言い研究所の外の森を指した。
それは深い森だった。
研究所のあるこの場所からは出口は見えない。
出口がどこにあるかも分からなかった。
「…やります」
それでも八戒はそう言った。
そう言うしかないだろう。
…ココから出るには…你の元から逃げるにはそれしか無いのだから。
「この森には一杯罠が仕掛けてあるから気をつけてね。
あと、君が出てから5分後に追いかけ始めるよ。
捕まったら君の負け。
お家には帰れないよ。
チャンスは3回だからがんばってね」
ゆっくりと笑いながら説明する你に八戒は震える手をギュッと握りしめた。
なんとしてでもこのゲームに勝たなくてはならない…。
そうでなければ…一生この研究所で你のおもちゃとして過ごさなくてはならないのだ。
そんなのは…絶対に避けたい。
「あ、コレつけてね」
你はそう言うと八戒の頭にウサギの耳の付いたカチューシャをはめる。
それは特殊な作りをしており、自分で外す事は出来なかった。
「な…なんですか…これは…」
戸惑う八戒に你は笑い、白衣のポケットから今度は白いフサフサとしたウサギの尻尾の付いたバイブを取り出す。
「このゲームは『ウサギ狩り』だからね。
君にはウサギさんになって貰わないとね」
「や…んん…」
八戒の体を押さえつけると、その尻尾を八戒の中に根本まで深く埋め込む。
そして特殊な器具で固定しロックを掛けた。
「良く似合うよ。
可愛いウサギちゃんだね」
八戒に与えられた衣服は大きめのシャツ一枚だけだった。
八戒は自分の体を隠すようにシャツの裾を下に引っ張り押えた。
「さあ、ゲームを始めようか」
森は予想しているよりも深かった。
森というよりも樹海と言った感じだ。
全く日の差さない森では方向感覚すら失われてしまう。
一体出口はどこにあるのだろう。
見当さえつかなかった…。
それでも八戒は走り続けた。
早く逃げなくては你に捕まってしまう。
…もうあんな生活は耐えられない。
「…悟浄…」
呪文のように悟浄の名前を呼ぶ。
それだけで力が湧いて来る気がした。
早くこの森を抜けて悟浄の元に帰ろう。
そしてまた前の様に二人で平和で幸せな生活をするんだ…。
そう思うことだけが心の支えになる。
「痛ッ……」
その時、八戒の右足に激痛が走る。
右足を見ると鉄の歯が八戒の足に食い込んでいた。
「罠…?」
それはよく狩りに使う罠だった。
八戒は慌ててそれを外そうとする。
罠を外さなくては逃げられない。
このままでは捕まるのも時間の問題だろう。
「どうしよう…」
どれだけ力を込めても、罠はどんどん八戒の足に食い込んでいく。
血が流れ土を赤く染める…。
八戒は罠から手を離し廻りを見回す。
気配を感じた…。
初めは你かと思ったが…そうではない。
もっと複数の……。
「………………」
八戒は地面に座り込んだまま息をのむ。
感じた気配は…野犬だった。
血の匂いに集まって来たのだろう。
その数はどんどんと増えていく…。
「やめて…来ないで下さい……」
逃げられない…。
野犬は八戒を囲むようにして徐々に近づいてくる。
そして一斉に飛びかかった。
「や…あぁ……」
野犬は鋭い歯で八戒の皮膚を食いちぎる。
足を…腕を…体を次々に噛まれる。
大量に血が溢れ意識が遠くなっていった。
「あれ?ウサギちゃんが掛かってるね。
一回目は僕の勝ちかな」
二回目のゲームはそれから数日後に行われた。
「さあ、始めよう」
你がそう言う。
それと同時にニィは八戒に向かってある液体を浴びせ掛ける。
その行為を気にしながらも、八戒は重い足を引きづりながら森へ向かった。
数日前に犬に噛まれた傷はまだ完治はしていない。
この体では思うようには動けない。
早く逃げなくてはすぐに捕まってしまうだろ。
八戒は走りながら自分に掛けられた液体を手で掬い見る。
その液体はべったりとして、ほのかに香りがする…。
これは何なのだろう。
你が仕掛ける物なのだから、何にしろろくな物ではないだろう。
しかしそれを考えてる暇も無い。
今、こうして歩いている内にも何個かの罠が発動する。
何本もの矢が八戒めがけて飛んでくる。
それをギリギリ避けると次は大きな網が上から振ってくる。
「……ッ」
痛む足を引きずりながらその網から逃れる。
出口までにあとどれぐらいの罠が用意されているのだろう。
そもそも出口という物が本当にあるのだろうか。
だんだん八戒の心に不安が押し寄せてくる。
それでもまた歩き始める。
あるかないかも分からない出口に…。
たった一つの希望に向かって。
ゆっくり慎重に罠に気をつけながら進む。
随分時間が経っている。
今、你はどの辺りにいるのだろう。
「……あっ…」
突然の後ろからの衝撃に八戒は地面に倒れ込む。
慌てて立ち上がろうとする八戒を押さえ込んでいるのは……大きな犬の足。
数日前の事を思い出し八戒は身をすくませる。
またあの時の様にズタズタに噛まれるのだろうか…。
「………え?」
恐怖に目を瞑る八戒の顔になま暖かい感触がする。
意外な事に目を開けると、そこには自分の体を舐める犬の姿…。
噛まれなかった事に八戒はほっと胸をなで下ろす。
しかし、犬の様子が普通ではない。
自分の体を舐める犬は、じゃれているという感じではない。
その時八戒はさっき你が掛けた液体の事を思い出した。
「や…んん…あ…やめて…ください……」
ねっとりとした犬の舌が八戒の体をなめ回す。
ザラザラとした舌の感触に身を震わせた。
「だ…駄目…其処は……」
犬の舌が八戒の中心に触れる。
その瞬間八戒の体を電流の様な刺激が流れる。
研究所に連れてこられてからのニィの研究と称した調教によって八戒の体は快楽に慣らされていた。
犬の舌だというのに…体は快楽を感じ取ろうとする。
「あ…や…やだ……あ…あぁ……」
犬は何度も八戒の中心を舐めあげる。
ピチャピチャという舐めあげる音が八戒の耳に届く。
「や…あ…あぁぁぁ…」
犬の舌の与える刺激に耐えられず八戒は頂点に達する。
犬にイかされてしまった屈辱に八戒の瞳から涙が流れ落ちる。
…早く帰りたい…。
こんな地獄からは早く抜け出したい。
八戒は心の中で強くそう祈った。
尚も自分の体をなめ回す犬を、着ていた服を囮に何とか引き離すことが出来た…。
犬の唾液でベタベタになった体に嫌悪を感じながらそれでも出口に向かって再び進む。
今の自分は一糸まとわぬ姿…おまけに頭にはウサギの耳、お尻にはウサギの尻尾が付いている。
こんな自分が表に出たら人はどう思うだろう…。
でも今はそんな事は気にしていなかった。
とにかくここから逃げなければ…。
「…………あッ!」
八戒の足を何かが掠める。
罠だ…。
そう思った時にはもう宙につり下げられていた。
八戒の体を無数のロープが絡め取る。
「くっ…」
何とかこの罠から抜け出そうと藻掻くが、動けば動くほどロープはきつく八戒の体に食い込んでいく。
動かなくても体重によってロープはどんどん締まっていった。
「…た…たすけて……」
そう呟いても誰の耳にも届かない。
だんだん日が暮れていく。
それでも誰も現れない。
もちろん今現れるとしたら…你しかいないのだが…。
その你すら現れる気配がない。
ロープの食い込む肌にはうっすらと血が滲み始める。
「……痛い……」
無理な体勢ときつく食い込むロープの痛みに涙が浮かんだ…。
「あれ?こんな所に可愛いウサギちゃんが掛かってるね」
你が現れたのはそれから一昼夜経ってからだった。
その時八戒は完全に意識を失っていた……。
「さあ、コレが最後のチャンスだよ」
遂にこれが三回目のゲーム…。
これに失敗すれば…もう自分は悟浄の元に帰れない。
そう思い八戒は必死に森の中を走った。
痛む足ももう気にならなかった。
走る度に草や石で素足が切りつけられる。
血まみれになりながら…それでも八戒は走り続けた。
「……………」
その時真っ暗な森に一点の光が見える。
………出口だ。
そう思い八戒はその光に向かって走る。
「あ…んん……」
その瞬間、八戒のお尻に埋め込まれたバイブがいきなり振動し始めた。
強い刺激に八戒は膝を折り地面に座り込む。
バイブを外そうとするが、しっかりと固定されたバイブは外す事が出来ない。
「や…あ…あん……」
バイブの与える刺激に八戒は悶える。
やっと出口が見えたというのに。
「………?」
絶頂を迎えるかというその時、急にバイブの振動が止まる。
不思議に思いバイブに手をやると、それは簡単に外れた。
何が起きたのかは分からない。
でもこれはチャンスだった。
今なら逃げられる…。
八戒は深く息を吐き体を落ち着かせる。
そして『逃げよう』そう思った時に八戒の体が地面に押し付けられる。
そして高く上げられた自分のお尻に異物を感じる。
それは今までバイブの入っていた秘所に一気に押し入ってくる。
「いたっ…な……いやぁ……」
バイブよりも大きいそれは…無機物ではない……。
生きているモノだ…。
誰が…そう思い八戒は必死に振り返る。
「ひっ……」
自分を犯しているもの…それは一匹の大きな犬だった。
興奮した犬は何度も八戒の中にその欲望を突き上げる。
それは普通の犬とは比べモノにならない程に大きい。
薬でも投与されたのか、犬は異常な程の興奮を見せる。
「ぐ…あ…あぁぁ…やめて…おねが……」
18cmは有ろうかという犬のモノが八戒の奥深くまで埋め尽くす。
受け入れきれずに八戒の秘所から白い液体に混じって血が流れる。
必死に抵抗しようにも、犬の力は大きく…体力の落ちた八戒の力ではどうにもならなかった。
地面を這うようにして八戒は光に向かって進んだ。
何度も犬に犯された八戒の秘所からは白い液体が溢れだしていた。
もう立つ力さえない…。
視界も滲み歪んではっきりしない。
少しでも気を抜いたら意識を失ってしまいそうだった。
それでも…少しずつ光に向かって進んでいく。
「…あ……」
あと少しで光に到達する…その時その光の中から一つの人影が現れる。
「…ごじょ……」
遠のく意識の中で八戒はそう呟く。
「なんだ。帰って来ちゃったの?
そっか、君は帰りたくないんだね?」
帰って来たのは…你の声だった。
そう…ここは出口ではなく…森の入口だったのだ……。
「分かったよ。ずっとここに置いてあげるね。
ずっと遊んであげるよ…この森の中で、ね……」
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