Je te veux Op.11
真夜中の斜陽殿の庭に一人の影。
「そこで何をしている」
後ろから掛けられた声にその人物は振り返る。
「……三蔵さん………」
月の光がその髪の色と引きつけ合う。
その眩しさに一瞬目が眩む。
「こんな時間にそんな所で何をしているのだ」
三蔵が再び問う。
「……いえ、なんだか眠れなくて…。少し外の空気を吸いに来たんですよ」
眩むような光を遮るかのように、目を閉じる。
「まだ外は寒い。部屋へ戻れ、八戒」
三蔵が、つい最近付けられた名で呼ぶ。
過去を立ちきらせるかのように………。
「折角ですから、お茶でも飲んでいきませんか?」
部屋まで送った三蔵に八戒がそう言うと、部屋の中へと促す。
三蔵は無言で八戒の部屋のベッドの縁へ腰を掛ける。
「どうぞ」
八戒が三蔵に煎れたばかりのお茶を手渡す。
そして自分もその隣へ腰を掛ける。
「…ところで……あなたはどうしてあそこへ来たんですか?」
「………」
八戒の問いに、三蔵は何も言わない。
立ち入った事をしてしまったか、と八戒は視線を下へおとす。
「……同じだ」
「……え…?」
聞こえるか聞こえないかの声量で返事を返す。
「俺も眠れなかっただけだ」
「悩みでもあるんですか?」
「………」
紫電の瞳と翠玉の瞳が、時が止まったかのようにお互いをうつし合う。
─────
J'ai compris ta detresse,
───── (私にはあなたの悩みがわかったの)
ゆっくりと目を伏せる。
───── Et
je cede a tes v?ux,
─────
(私 あなたの望みに従うわ)
「八戒、お前が好きだ」
「ええ、僕もあなたが好きです」
───── Fais de moi ta
maitresse.
─────(私をあなたの恋人にして)
「いいのか?」
「はい。……過去を忘れさせて下さい。……あなたの手で」
─────
Loin de nous la sagesse,
─────(分別から遠いところで)
二人は優しくキスを交わし、抱きしめ合う。
─────
Plus de tristesse,
─────(もう悲しみなんかない)
「僕をあなたのものにして下さい」
「ああ」
─────
J'aspire a l'instant
precieux
─────(私は素敵なひとときを期待するわ)
三蔵は八戒をゆっくりベッドへ押し倒す。
八戒の目がゆっくりと伏せられる。
それは合意の合図。
─────
Ou nous serons heureux;Je te veux.
─────(私達が幸福になれるひとときを、私 貴方が欲しいの)
三蔵の指が、八戒の上着のボタンを一つずつはずしていく。
月の光の中、八戒の白い裸体が浮かび上がる。
三蔵はその白い肌にゆっくりと唇を落とす。
肩口からゆっくりと下へ移動させ、時おり強く吸い、赤く跡を残す。
そのまま唇を下半身へと下げていく。
少し反応を始めた八戒のものに優しく息を吹きかける。
「…や…ぁ……三蔵さ……」
根元から先端に向かってなめ上げる。
先端を口に含み、吸い上げる。
「さ…三蔵さ…ん……」
八戒の甘い声に触発されたかのように、三蔵は八戒のものを口に含んだまま、頭を上下させる。
「やぁ、ああん」
八戒が一層甲高い声をあげ、三蔵の口の中に放つ。
三蔵はそれを飲み干すと、さらに下へと移動する。
「さ…三蔵さん、そんなとこ……」
三蔵は八戒の後ろに舌を差し込む。
「や……あん」
ある程度舌で慣らすと、三蔵はそこへ指を差し込む。
「……ッ」
一瞬、八戒の顔が苦痛で歪む。
「痛いか?」
「……大丈夫です。…なんか変な感じ…ん……」
三蔵は指を2本に増やすと、ゆっくりと動かす。
「ああ…はぁ…ん」
少しずつ、八戒の痛みが快楽へと変えられ、甘い声を漏らす。
「……もういいか?」
「…はい。きて下さい」
三蔵は指を抜くと、かわりにそこに己のものをおしあてる。
「ゆっくり息を吐け」
「…イ……ああ…」
ならしてはあるものの、初めて受け入れる男のものに、八戒が苦痛の表情を見せる。
三蔵は八戒の負担が少なくなるよう、ゆっくりと動く。
顔を近づけ、キスを交わす。
お互いの舌を絡め合わせる。
………全てが一つになれるように。
「……ん……」
気を失っていた八戒が目を覚ます。
「……大丈夫か?」
三蔵が心配そうに八戒にきく。
───── Je n'ai
pas de regrets
─────(後悔なんてしていないわ)
「はい。…あなたに抱いてもらえてとても嬉しかったです」
───── Et
je n'ai qu'une
envie:
─────(望んでいるのはたったひとつ)
八戒は三蔵の胸に顔をうずめる。
三蔵は優しく抱きしめる。
───── Pres
de toi,la tout
pres,
─────(あなたのそばにぴったりと寄り添って)
「ずっとあなたのそばにいてもいいですか?」
「ああ、ずっと側に居ろ。離れることは許さん…」
─────
Vivre toute ma vie,
─────(私の命ある限り暮らすの)
「愛しています、三蔵」
───── Que mon c?ur
soit le tien
─────(私の心はあなたのもの)
「俺も愛している」
ゆっくりと唇をあわせる。
───── Et ta
levre la ienne,
─────(あなたの唇は私のもの)
そのまま強く抱きしめ合う。
………けして離れないように。
───── Que ton corps soit le mien,
─────(あなたの身体は私のもの)
───── Et que
toute ma chair soit tienne!
─────(私の身体はあなたのもの!)
END
4444Hitのなほサマよりリク「三×八で八戒が三蔵の寺にいた頃の話、Je Te
Veux、レベルは赤」でございます。
こんな内容になってしまったので、Hシーンがかなりどーでもいい扱いになってスイマセン。だって詳しく書くと(書けないけど)また食い合わせが悪くなりそうで……。
とりあえず返品不可!(笑)
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