八戒お誕生日企画(全員編)
その日は朝から慌ただしかった。
「……一体どうしたんでしょうねー……」訳がわからないので、ぼ〜っとしている八戒。
そこへ大きな紙袋を抱えた悟空が通りかかる。
「悟空、忙しそうですね。どうしたんです?」
「ん〜、ごめん。八戒には言えないや」
バタン、と扉を閉める。
中で何をやってるのか気になる八戒はノブに手をかける。
「八戒。おまえは入んなよ」
と、言いつつ後ろからやってきた悟浄。
「悟浄……。中で何をやっているんですか?」
「それは言えねえ。とりあえず、おまえは入ってくんなよ」
バタンと扉が閉められ、そこに取り残される八戒。
「………」
さらに後ろからやってくる三蔵。
「…あ、…三…」
バタン。
言い終わる前に部屋の中へと消える三蔵。
閉じられた扉を見つめる。
「…僕だけ仲間はずれですか………」
八戒は自室にこもっていた。
「……ふう」大きくため息をつく。
───── …別に教えてくれたっていいじゃないですか。
閉じられた扉が自分と三人を区切っているようだった。
信じあえる仲間だと思っていたのに……。
───── 僕は必要ないのかな……。
忘れていた孤独感がよみがえる。
八戒の目にうっすら涙がたまる。
「………ッ」
その時急に視界が布のような物で遮られた。
「八戒、そのままちょっとコッチへ来て」
目隠しをされたまま、別の場所へと誘導される。
「目隠しはずすよ。3、2、1」
パッと目隠しがはずされる。
八戒の視線にうつったものは……。
……飾り付けされたケーキ。
そのケーキに書かれた文字は………
「おたんじょうびおめでとう、八戒」
───── 今日は…………。
「…ありがとうございます」八戒に隠して行っていたのは、この準備だったのだ。
八戒の目から涙がこぼれる。
さっきの涙とは違い、暖かい涙。
「本当にありがとうございます。今、とっても幸せです」
─────
END
某絵本からパクってます。わかります?
…………ふう