作品名 めまい         
作者名 ももち 麗子
出版社 講談社
発行日 2000.01


ストーリー

ももち麗子氏の『問題提起作品集』シリーズ

名門高校の教師の娘、京子は「絶対にT大へ行け!」という親の過大な期待に答えようともがいていた。それに加えて容姿のコンプレックス・・・京子にとって、それが過大なストレスになり自分を支配していた。

「痩せたい、勉強もできるようになりたい」・・・そんな時、京子は
「いつでもやめられる。ダイエットもできる」
軽い気持ちでドラッグに手を出してしまいます。上手に薬を使えばいい・・

そのうち京子はドラッグから抜け出せない生活になっていく・・・。



個人的感想

ドラッグにはまった少女の真実の姿を描いた作品。
いまやドラッグは、簡単に手に入れることができる。ドラッグを使った人に待っているのは・・・間違いなく破滅。そんなことは、頭では分かっていても、薬におぼれていく人は増える一方。単に京子のことを「意思の弱いやつだ」と罵れますか?自分に全く関係ないことと思わずに、そしてこれが今の実態だと、目をそむけずに見て欲しいと思います。

この作品は、たくさんの取材を元に構成されているそうですが、本当に内容が深いです。親の、周りの、そして少女のそれぞれの心がよく浮かび上がっています。理想ばかり掲げたドラッグ反対の本とは全く違い、ある意味とても感動しました。

作者の訴えを聞いて欲しいと思います。