カメちゃん第4号

  カメちゃん
  第 4 号
           2004年5月10日
   発 行  ハイキングクラブ「カメ2003」
      会 長 今 泉 勝 次
       〒655−0045
       神戸市垂水区北舞子2−6−2−111
       пi078)784−1108
       e-mail:katsu-50@mub.biglobe.ne.jp
       振替 14340-69630041、「HCカメ03」
    −−−−− 主な内容 −−−−−
 2月例会報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 第9回視覚障害者全国交流登山・西日本集会・・・・ 
 4月例会報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 四国遍路珍道中・・・・・・・・・・・・・・・・・
 2003年度活動報告、会計決算報告
  2004年度予算案・・・・・・・・・・・・・・
 今後の予定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 事務局より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2月例会報告
  2004年2月15日(日)
行き先:六甲山、市ヶ原→新神戸駅。歩行距離:約10q、歩行時間:約6時間
集合:午前9時、JR元町駅西口
参加者、全盲:池田欽一・今泉勝次・今泉初子・神崎・    山本正樹・坂田勇・森の7名
弱視:中桐・山本厚子の2名。晴眼者:長竹・井上の2名、合計11名。
 サポーター:兵庫県連各会から24名、総勢35名。
   当日は少し寒さの残る日でしたが、視覚障害者・サポーター合わせて総勢35名の参加がありサポート講習会として企画し良かったと思いました。
 今回はサポートロープも準備してみましたが、会員で参加された皆さんはいかがでしたでしょうか?
 私自身、サポートロープを持ってサポートされ歩くのはあまりしたことがなかったんですが、いつもサポートされ歩いていてサポートしてくれる人の靴をけったり足を踏んだりするのでこれからはサポートロープを持ちそういう事がないようにしたいと思います。
 ハイキングや登山、サポートしてくれる晴眼者・視覚障害者お互いに疲れが少なくすむよう考えていきたいものですね。
 今回、私は3人の方にサポートをしていただきました。全く初めて参加された方が1人、後の2人は少し経験のある方でした。初めての方も結構うまくこなしてくれたんで良かったです。
 年に数回はサポート講習会をして、私たちカメの例会にたくさんの方がサポートとして参加してくれるようになれば一番嬉しいことです。
 視覚障害者1人に対しサポーター(晴眼者)の人が2人というのが理想です。実現を目指し頑張って歩きましょう。  カメの会とサポートを協力してくださる方と一緒にサポートブックを作りたいと考えてますので、要望・意見などお寄せください。(今泉勝次)

視覚障害者ハイキングサポート講習会に参加して
尼崎ハイキングクラブ  大 塚 正 勝
 「カメ」さんの会員の皆様始めまして。今回「県連の主催による視覚障害者ハイキングサポート講習」が2月15日に大師道〜修法ケ原〜市ケ原コースにて実施され受講生として参加いたしました。今後もよろしくお願い致します。
 今回の山行例会内容はカメさんの会員より詳細な報告が有ると思いますので省略します。気の付いたことと疑似体験の2件について報告致します。
 ハイキングと普通スポーツと呼ばれている運動では非常に大きな違いがあります。普通のスポーツは荷物を背負わないが、激しい運動で最大運動といいます。  ハイキングはザック(荷物)を背負った状態で非常に長い時間運動をしますが普通のスポーツよりゆっくりした運動という意味で最大下運動といいます。
 荷物を背負って長時間の歩行なので普段の生活で私達が使っているエネルギー消費量は約 1.5〜2倍のエネルギーを消費すると言われています。
 つまり、エネルギーの消費拡大は汗との戦いになります。今回は冬場でのハイキングなのでどうしても厚着になりがちです。
 動き始めると、荷物を背負っているので、すぐに汗が出てきます。これが私達の体温を一定にさせるのですが、シャツは汗で濡れますので、綿のシャツでは乾きが遅く体温をこのシャツの汗が更に下げることになりブルブル震えることになります。
 これは決して冬場だけではなく夏場も同じです。ハイキングの体温調整は重ね着と衣服を着たり脱いだり上着の前のボタンを外したりシャツの腕まくりが体温調整の中心となります。
 シャツは是非共速乾性のシャツを!シャツ1枚で気分壮快になれば、ハイキングも楽しくなります。装備では靴と雨具の準備を足元がしっかりした靴と雨具(防寒着にもなります)は少なくとも山の用具を売っている店で店員に相談しながら購入を決めてください。
 擬似体験談ですが、私達のパーティは神崎さんカタツムリの河島さん神戸中央の宮野さんと私の4名でした。今回のサポート講習は晴眼者のための講習です。
 私達のパーティでは交代で擬似体験を実施しました。最初晴眼者の二人ペアリングであったベテランの神戸中央宮野さんがサポートする側がサポートされてハイキングをすれば障害者の身になってサポート側が気を付けなければならないことが分かるだろうと疑似体験を始めました。
 最初はサポートする側のお手本として宮野さんがサポートしてくれました。これは、サポートする側の注意を教えられました。
 途中交代し、私のサポートが始まりました。河島さんにも目をつむってもらい3人全員が疑似体験をおこないました。晴眼者と障害者の絶対的相違は距離感がつかめないことでした。
 左右上下はなんとなくロープをつかんだ指の感覚ですぐに理解できるが距離感特に下げの段差は恐怖の一言につきます。
 上りでは足が上らない場合はもう一度先程より高めに足を持ち上げる、段差が高ければ靴先を段差に軽く擦りながら持ち上げれば何とかなるが、下げの段差では予想より大きければ前によろけるようになりました。
 今回の体験で、障害者に地形や花の形色風景などの言葉を掛けつづけることが信頼される行動となりえることを知りました。最後に新しい知り合が出来ました。またの機会にお会いいたしましょう。

  今回使用したサポートロープは、大野さんが今泉さんと一緒にお店に出かけ、手触り・握り安さなどを吟味して選び県連で購入されたものです。
直径8o、長さは最初2mのものを用意しましたが、当日使ってみて、大きなザックに付けると少し短いようで、これからは 2.5mのものを使うことにしました。
用意したロープは参加されたサポーターの方にお渡ししてこれからも使っていただくようにします。また、本会でも購入し初めて参加されるサポーターの方に使っていただくようにしたいと思っています。
 先日の県連の障害者ハイキング部会での話です。2006年に兵庫労山が設立40周年を迎えるのを機にサポートガイドブックを作ろうというのです。
それには皆さん、サポートする者とされる者、それぞれの経験や率直な感想、蓄積されたノウハウを出し合い、兵庫独自のものを作り上げたいと考えています。
コンセプトは「山をより安全に、より楽しく」です。雨などで例会が中止になったとき、それに向けての話し合いがもてればと思います。(山本正樹)

第9回視覚障害者全国交流登山・西日本集会
2004年3月20日(土)〜21日(日)
場所 岡山県 和気アルプス、熊山など
   宿泊は、岡山県青少年教育センター閑谷学校
参加者 全盲:池田欽一・今泉勝次・坂口・山本正樹の4名
 弱視:清水・山本厚子・横見の3名
 サポーター:県連各会から7名、総勢14名。
 前日(19日)の午後6時ごろにJR三宮駅と明石駅にそれぞれ集合し、新快速で姫路へ、岡山行き各駅に乗り換え吉永駅下車、タクシーに分乗して宿泊所へ着いたのは8時半ころでした。
部屋に荷物をおいて全員が顔をそろえ、遅い夕食(持参の弁当)を取りながら日程、班分けなどの確認、打ち合わせをしました。
このとき、参加記念品として備前焼の箸置きをいただきました。魚の形をしていてなかなかお酒落な物です。そして就寝、今回は寝言の掛け合いもなく、明日の活動に備えて熟睡しました。
 20日は、9時前から宿舎の広場で開会式が行われました。この集会全体の参加者は、東は東京から西は山口までの8団体から視障者・サポーター合わせて約160名でした。
主催者の岡山県のこまくさハイキングクラブから歓迎の挨拶や諸注意などを受け、いよいよ行動開始です。
 和気アルプス登山(健脚コース)、熊山登山(中級コース)、閑谷散策コースに分かれました。
本会からは、和気アルプスに今泉・清水・横見の3人とサポーターの大野さんが、熊山に池田・坂口・山本厚子・山本正樹の4人とサポーターの辛嶋さん・国光さん・浪花さん・宮野さんと当日の朝駆けつけてくださった明石労山の神尾さん、散策にはサポーターの川上さんが参加しました。
登山組はバスで登山口まで移動し、10時過ぎから登り初めました。熊山は80人余りが7班に分かれ、長い長い列になりゆっくり登りました。そのためか和気組より宿舎に戻るのが遅くなってしまいました。おまけに和気組は途中でバスを止めて飲み物を買い込む余裕まであったとか。
 宿舎で先に帰る辛嶋さん・国光さん・神尾さんと別れました。夕食後は、「ゲーム」、「皆で語る会」、「皆で歌う会」に別れ交流会をもちました。
明くる21日は朝食後、備前焼土ひねり、伊部散策、日生五味の市見物の3コースに分かれて活動、その後全員で閑谷学校を見学しました。
 閉会式では、主催者であるこまくさハイキングクラブの役員の方の声が潤んでいました。二日間事故なく無事終了できたことにこみ上げるものがあったのでしょう。
足掛け2年間にわたる気の遠くなるような準備、胃に穴があくような思いをされたであろうこの2日間の運営、本当にご苦労様でした、お世話になりました。岡山の皆さんと硬い握手を交わして帰路につきました。
 帰りは明石で途中下車して、例によって遅い昼食を兼ねて反省会。何せこの2日間、ほとんど禁酒状態(?) だったので、まるで砂漠に雨が染み込むようにいただきました。
 次回は2年後で富山で、その次の4年後には山口で行われることが決まっています。富山はおそらく立山当たりでしょうか、兵庫からはバスをチャーターして参加できれば、一人でも多くの皆さんと参加したいと思います。(山本正樹)

第9回全国視覚障害者登山交流集会・西日本大会に参加して
今 泉 勝 次
 初めにコースタイムを記しておきます。

9:50 和気アルプス縦走コースは時間短縮のため、途中東備振興局でバスを降り、登山口(トイレ休憩)へ。

0:20 和気富士(173m)

11:50 穂高山で昼食(30分)。

3:30 神ノ上山(370m)頂上(ここで記念撮影)。

4:00 ロッククライミングできる鷲の巣岩を左手に岩肌を下山。

15:20 予定時間16:00をかなりの余裕を持って、満開の梅林に囲まれながら由加神社に全員無事下山。

16:00 宿舎に着く。

 さて、当日は心配していたお天気もどうやら大丈夫で開会式後、バス3台に分乗(和気コース1台、熊山コース2台)して登山スタート地に移動しました。
今泉、大野、清水、横見の4人は和気コース4班で歩くことになりました。和気コースは東備地方振興局のトイレを使用させて頂き、1班を先頭に一列縦隊でまず和気富士に登りました。
このコースは、大小13のピークを越えて神ノ上山への変化に富んだちょっとハードな縦走コース。途中何カ所か難所となる岩場やガレ場、急坂などもあり、大野さんにサポートされながら私は慎重に歩きました。
 私たち兵庫の前を歩く京都の美女3人と楽しく喋りながらゆっくりしたペースで歩いていたんで、下山予定時刻に間に合うか心配してましたが、心配していた時間の不足もなく、むしろ予定のコースタイムを40分ほど短縮して下山したらしい。
 予定時刻より早く下山できたということで、コマクサのコースリーダーの方の計らいで、吉永のコンビニにより、泡の飲み物を調達して閑谷の研修センターに帰って来ました。
 私は大野さんのサポートで歩きましたが、毎月例会で歩いていたせいか大して疲れはなかったです。京都の女性が、私をサポートする大野さんを見て、サポートが素晴らしいと言ってました。
 横見さんのコメント…京都の3人のうち一人の女性が私より一回りも上なのに、遅れることなく歩いていたんで疲れた時はその人を目標に歩くことができた。
途中山道の両側からツツジが咲いていたり、草木の芽生え始めるのを見て春の息吹を感じました。
私たちの歩いた和気アルプスの標高は、173m〜370mほどの高さらしいですが、アップダウンがあって楽しく歩くことができました。
 清水さんのコメント…他府県から来られている人たちといろいろと喋ることができ交流でき良かった。
又今度会える日を楽しみにしています。最初のうちは1人で歩いてましたが、途中から大阪の吉川さん、香月さんの2人が私のサポートをしてくれました。有難うございました。
 交流会には今泉、大野、山本正樹の3人が語る会へ参加しました。語る会の参加者は44名(内視障23名)でした。
 はじめに「六つ星山の会」の後藤広美(金山広美)さんのキリマンジャロ登頂について、次に各参加団体の現状と問題点等の報告、終わりに山と出会うことで自分がどう変わったか、山との係わりについて意見を出してもらう、という3部構成で進められました。
★前半―後藤さんの話よりー
 私が2001年に本(「お父さんほら、山が見えるよ」)を書くことになって取材を受けた時に、夢は何かと聞かれた。その時「モンブランに登れたら良いな」というようなことを言ったが、NHKがその夏にモンブランに登ると言ってしまったので・・・と乗せられて、それでモンブランに登り、次はどこですかと聞かれ、また乗せられてキリマンジャロとなった。
2000メートルに登れば3000メートル、その次は4000メートルと単純に思っただけです。アコンカグアとか、マッキンリーは費用が高くてちょっと無理だった。
★中半では各会の創立、経過と現状について報告があった。兵庫を除く会は視覚障害者と健常者の混合で構成されているようです。会の会費では0円から8900円までまちまち。会員数も28名から300名までとこれもかなりまちまちでした。
例会も月1回から3回行っている会もありましたし、個人山行を行っている会もあり運営方法など各会特徴があるようです。どの会も「高齢化」が進み、若い人をどのように会へ誘うかということが共通の悩み。
★後半には山と出会って自分が、人生がどう変わったかで話し合う(後藤)十数年前には白杖で道路もよく歩けなかった。晴眼者の人たちに山の話を聞いていて行ってみたいと思うようになった。その時に、どこに、いつ行きたいのか自分で決めろと言われる。
それで自分の行ける所の情報を集めるために音訳等をやることになる。それで『連れて行ってもらう』というより『自分で行くんだ』という気持が生まれて自分が変わったと思う。モンブランに行けたのも、キリマンジャロに行けたのも、入った当初からそう言われて来たためだと思う。
 今泉が記憶にあるサポートで参加していた(晴眼者)の話…全体的にやさしくなれた、視障者の人たちに連れて行ってもらって自分が楽しさや元気をもらっていることが最近わかった。
初めて全盲の人と行った愛宕山の夜間登山の時のことだが、「今、太陽が出て来た」と言われて驚く。何でわかるのか?この人は街はひとりで歩ける、だけど山は無理だ、私はこれまで岩登りや沢登りをやって来た、歳をとってきてこの人たちと一緒に山を歩いたらお互いに幸福だなと思った。
「山の子会」の目的は山に連れて行ってあげるではなく、一緒に行きましょうという考えが基本。
 語る会に参加して、私たち兵庫のカメ2003は、全国にある視覚障害者ハイキングクラブとは少し違った感じのクラブだと認識して帰ってきました。
 ゲームに参加したのは、池田、清水、横見、宮野、浪花、川上の6名です。参加した人に感想を聞きまとめてみました。
 ゲームでは、進行役の方が「優勝チームには豪華な粗品をさしあげます」と言うと全員大爆笑!そんな中、闘いの火蓋は切って落とされました!赤・白・青の3チームに分かれて、ホールはたちまちみんなの熱気に包まれていた。
全種目滞りなく終了という直前、「風船旅行」がチームによって人数が違っていたとブーイングが出ていたので、人数をそろえてもう一度やり直し、結局、総合優勝は青組だった。
豪華な粗品がなんだったかって?それは円い大きなゴマ煎餅を、きれいなリボンでメダルにしてました。見せてもらって吃驚。
    全国交流登山・西日本集会に参加して
坂 口  剛 
 私は、交流登山は初めて参加した。私が参加したのは、登山は熊山に、交流会は歌に、最後の三日目は散策だった。
 初日の晩は緊張した余り、よく眠れなかった。二日目の朝、サポーターの国光さんから荷物をリュックの中に入れる方法を教えてもらった。
軽い物(着替え、雨具など)は下に、弁当とか飲み物なんかは上の方に入れた方がいいですよと教えてもらった。国光さん有り難うございました。
 次に、熊山に登るときも下りるときも必死だった。サポーターの辛嶋さんから登るときに、あまりお酒を飲みに行かないで山登りに参加しなさいと言われた。
登るときも下りるときも息を吸ったり噴いたりしなさい、腰を前に曲げたら駄目、力を抜け、腰を後ろに反らし膝を曲げなさい、リュックは持ったら駄目、サポーターのリュックのロープを片手で持って杖を利用しなさい、サポーターのリュックを両手で持ったらサポーターの方たちが嫌がりますよ、と色々教えてもらった。
私が、もう山を止めようかなあと言ったら、あなた登るときは出て来ると言ったじゃないの、そんな弱音を言ったら駄目よ、挑戦する気持ちがなかったら駄目よ、また参加しなさいと言われた。
言われた時は、もう参加は止めようかと思ったが、今泉さんと喫煙室で、坂口君、これで止めたらいかんで、参加してたら段々慣れてくるから、なるべく参加した方がいいで、(金曜日だけでなく)日曜日にも出ておいでと励ましてもらった。
私はこれにめげず参加したいと思います。サポーターの辛嶋さん、登るときに後ろから突き飛ばしてすみませんでした。本当に迷惑をかけてすみませんでした。
 交流会は歌に参加した。「四季の歌」と「アルプス一万尺」の2曲歌い、その後自己紹介があり、その後歌を(歌集の目次の中から知ってる歌を希望して)12曲くらい歌った。後2曲は、伴奏者(ギター)の原田義雄さんの友達の作詞作曲の「一つ歌から」と原田義雄作詞作曲の「みんなの歌」を歌った。
 三日目の最後の散策は、本音を言ったらおもしろくなかった。日生すればよかったと後悔した。日生でビールとさしみが出たよ、日生に行った人が言っていた。
 最後は明石で楽しみのビールを飲み、鮨を食べ、みんなでわいわい言いながら明石で解散した。最後にサポーターの7名の方、本当に有り難うございました。

4月例会報告
2004年4月16日(金)
行き先…裏六甲紅葉谷 コース…紅葉谷
歩行距離…3q 歩行時間…約往復1時間20分
集合…午前9時神戸電鉄新開地駅コンコース 参加者  全盲:池田欽一・今泉勝次・今泉初子・神崎・坂口・山本順生・浜本・清生・山本広士、会員外の本田ゆき子・坂田勇・坂田美知子の12名。
 弱視:中桐・安永・山本厚子・横山・清水、会員外の滝口洋三の6名。サポーター:県連各会から15名の総勢33名。
カメ4月例会に参加して
今 泉 勝 次
 4月16日(金)、絶好のハイキング日和に視覚障害者18名、サポート15名の計33名の参加で神戸市北区の紅葉谷で鍋を囲んでのハイキングが行われました。今回は歩く距離が短いということでカメの会以外から3人の視覚障害者の方が初めて参加されました。
 参加者皆で材料を持ち寄り大きな鍋で鍋料理を作り皆で美味しくいただきました。視覚障害者の人は野外で料理を作り食べるということができないので、皆喜んでました。
私も数年前から視覚障害者ハイキングに参加してますが、皆で鍋を囲んだり歌を歌ったのは初めての経験でした。ふだん外に出られない視覚障害者の人には大変良い1日だったと思います。
 帰ってきた後、参加者から、1年に1回はこういう機会を作って欲しいとの希望がたくさん出ました。
 参加者のコメント…滝口洋三さん:久しぶりに学生時代を思い出しよかった。お世話になった皆さん有難うございます。私をサポートしてくださった大学さんお世話になりました。
 本田ゆき子さん:中途失明で二度と山へは来られないかと思ってましたが、チャンスを与えてもらい良かった。料理は美味しかったのは言うことないですが、皆様の温かな心に触れたのが一番良かったです。
 最後になりましたが、今回ご参加いただいた皆さんご協力有り難うございました。今後とも宜しくお願いします。

楽しかった有馬の鍋
坂 田 美智子
 「神戸」といえば北には山、南には海、きれいな景色の町だと思われることでしょう。昭和17年、兵庫盲に入学しました。山陽電車滝の茶屋駅で下車し歩きながら「大きな池」と思い眺めていると父が「海」だと教えてくれた。
山奥で生まれ育った私は晴れ渡った春の陽の青く澄み切った海の色はいまもはっきりと記憶に残っています。でも私は山が大好き。若いころから山歩きはしたいと思っていたが、そういう機会にも恵まれることもなく長い年月が過ぎてしまいました。
最近は視力障害者に対する理解者も多くなり我々の活動範囲も広くなって幸せな時代となりました。そして心にも時間にも余裕ができた今はもはや高齢となり、山歩きをする勇気はありませんが、散策程度の歩きはしたいと思っています。
 先月今泉さんに「有馬へ行こう」と誘っていただきサポーターさんに助けられながら楽しい春の1日を過ごさせていただきました。お天気にも恵まれ疲れを感じる事なく山でいただいた鍋料理はとっても美味しくて普段の倍もいただいてしまいました。これからも散策のときがあれば、つれて行っていただきたいと思います。
 最後になりましたが、山の会の皆様いろいろお世話になって有り難うございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

紅葉谷ハイキングにて
山 本 順 生
 サポーターの皆様方には、いつも心温まるサポートをしていただき感謝申し上げます。この度は、楽しいハイキングを有り難うございました。
 大きな鍋お囲み澄み切った青空の下で、美味しい寄せ鍋をいただき私は、おにぎりを3個食べたあと三杯お変わりをして、横山ヒデ子さんもびっくり、食事の後、みんなが輪になって大野さんより名前お呼ばれ、私の声が小さいのでもっと大きな声を出すようにとの呼びかけでしたが声は小さいけれど、恥ずかしさで汗だくになりました。
その後、みんなで山の歌を楽しく歌いましたが、歌の上手な今泉さんと山の歌をよく知っておられる浪花さんの間に挟まれた私の声など手拍子がやっとでした。又歩いた距離が3キロと私の体力にあった距離でした。本当に楽しい1日でした。又今後ともよろしくお願い致します。
 私がいつも思っていることお書きますと、山に登る苦しみ、頂上に辿り着いた嬉しさ、下山したときの感激、この3つをいつも日常生活や仕事に活かして頑張っています。
四国遍路珍道中
山 本 正 樹
 4月30日午前6時45分、一行6人がJR舞子駅に顔をそろえた。今回のリーダー、計画から宿の手配、資料の準備、そして先達を務めてくださる県盲の安富さん、今泉勝次さん、悠々自適のOさんご夫妻、そして山本夫妻の50代・60代のおっさん・おばさん連だ。
 高速バスで徳島へ、高徳線で坂東駅まで戻り、ここから歩き始めた。9時半ごろに第一番札所霊山寺に到着、ここで遍路用品を購入、お店のおばさんは早口でまくし立てながら、お客を手際よく裁いていた。実は同じ物をその後の札所でも売っていたが、どれもここよりは安く半値くらいの物もあり、商魂の逞しさを垣間みた感じだ。
いよいよ5日間の歩き遍路の旅が始まった。昼食を予定していた食堂がなかなか見つからない。安富さんが11年前に歩いたときに昼食をとり地図にも出ているお店は名前も経営者も変わり、食堂が喫茶軽食のお店になっていた。出がけにO夫氏が看板に「元○○食堂」と書いておいた方がいいよとお節介を焼いた。
四番札所大日寺では、何と点図の仏画をいただいた。3ページ分の大きさの観音像だ。その日、宿泊した第六番・安楽寺の宿坊にも八十八ケ寺の御本尊の点図の仏画集が置いてあった。徳島の点字絵本の会がつくったものだそうだ。バリアフリーはこんな所にもあった。
 2日目(5月1日)、この日昼食を取った九番・法輪寺門前のうどん屋で、イタドリ(スカンポ)のごま和えと新鮮なトマト、それに巾着袋のお接待を受けた。他にも3日目に泊まった宿のお婆さんからはお茶代を、また何人もから道案内のお接待を受けた。地元の人の温もりを感じながら歩を進めた。
 3日目(5月2日)は今回最大の難所、俗に「遍路転がし」と言われる標高差 800mのアップダウンの山越えだ。急坂を登ること1時間、今泉さんの携帯に付いている万歩計は通常歩行6000歩余りを示しているのに、しっかり歩行は0歩、えっ、これまでのしんどさは部屋の中で動いているのと同じかい、どうやらこの万歩計は山登りを計測するようにはできていないようだ。
気を取り直して歩き続けた。野山は新緑真っ盛り、深い緑から黄緑とまさに「山笑う」状態、数々の小鳥の囀り、ときにはフクロウの声も聞こえるが、それらをじっくり観賞する余裕もなく、ただ汗をかきかき・喘ぎ喘ぎ何とか十一番・焼山寺に辿り着いた。
 遍路道 汗かき行けば 山笑う     (正樹)
 フクロウも ウグイスも鳴く 遍路道  (厚子)
 4日目(5月3日)はひたすら歩いた1日、途中吉野川の支流に架かる橋を渡った。幅1m、長さ約20mの木製の小さなこの橋には欄干がない。
駅のホームが視覚障害者にとってどれほど危険かということを「欄干のない橋」に例えられることがあるが、実際渡って見ると確かに恐い。袂で休んでいると郵便カブがスイスイと縦に張られた3枚の板の真ん中の板を渡って行ったので思わず拍手、郵便屋さんは怪訝そうに照れ臭そうに走って行ったとか。
 お遍路は、弘法大師・空海が修行を続けた霊場を順に辿って歩く。観光バスや自家用車で巡ることもできるが、最近歩き遍路も増えているようだ。後になり先になり歩く遍路仲間のなかで特に女性には感心が高い。
1日目の宿で見かけた女性の二人連れはその後見かけないがどこへ行ったのだろうと(勝手に)心配していたら、4日目の宿で一緒になったとO夫氏のレポート、また赤い帽子の女性は足を痛そうにしていたが荷物を持ってあげた方がいいのではと先達が気をもむやら、何とも煩悩多き行者連である。
 最後の5日目(5月4日)はとうとう雨になった。週間予報では連休後半頃から下り坂とか、前日の予報でも4日の降水確率は午前80%であった。
今泉さんの予報は、午後から、つまり我々が歩き終わるころから降り出すだろうと都合の良いものだった。しかし残念ながら、十六番の観音寺当たりから降り出した雨は、十七番・井戸寺を打ち上げた後、徳島駅に向かう途中で昼食に入ったころには本降りになった。それでももう歩き終わったのだから、雨を見ながらゆっくり打ち上げ、そして徳島駅へ。お陰で持参した雨具が無駄にならずに済んだとか、強がりを言いながら高速バスで徳島を後にした。
 今回5日間の歩行距離約90q、歩数は通常歩行16万余り、しっかり歩行13万3000歩だった。よくもまあ、こんなに歩いたものだと自分ながら感心する。それにしても、私たちの希望を聞き入れ、案内役を快く引き受けてくださった安富さん、お世話になりました、有り難うございました。

2003年度活動報告
★6月13日(金) 立ち上げの会 神戸市立総合福祉センタ ー第8研修室 参加者:入会予定者14名、オブザーバー2名、県連から4名、計20名
★6月20日(金) 6月例会 菊水山参加者:会員14名、会員外2名、サポーター19名
★7月11日(金) 平和大行進参加者:会員12名、会員外2名、サポーター
★8月27(水)〜30(土) 北アルプス燕岳参加者:会員4名、サポーター8名
 (7月25日(金)と8月22日(金)にトレーニング)
 ★9月19日(金) 9月例会 能勢の妙見山参加者:会員10名、会員外3名、サポーター17名
★10月19日(日) 10月例会 丹生山参加者:会員10名、会員外3名、サポーター22名
★11月7日(金) 11月例会 砥峰高原(バスハイク)参加者:会員12名、会員外4名、サポーター12名
★12月7日(日) 第38回兵庫労山六甲全山縦走参加者:会員5名、サポーター9名
★12月19日(金) 忘年会 三宮「笑楽」参加者:会員12名、県連から5名
★2004年1月16日(金) 1月例会 マキノスキー場参加者:会員11名、サポーター14名
★2月15日(日) 2月例会 六甲山市ヶ原から新神戸駅(サポート講習会を兼ねて)参加者:会員9名、会員外2名、サポーター24名
★3月20日(土)〜21日(日)第9回視覚障害者全国交流登山・西日本集会岡山県和気アルプス、熊山など参加者:会員6名、サポーター7名
★4月16日(金) 4月例会 裏六甲紅葉谷参加者:会員14名、会員外4名、サポーター15名
★5月23日(予定) 5月例会 塩屋から須磨アルプス(兵庫労山の「兵庫の山々一斉登山」の一貫として)
活動費     20,000 事 務 局 よ り
※会員消息  山野勝美さんが去る4月21日に急逝されました。享年66歳です。慎んでご冥福をお祈り申し上げます。
 車谷美枝子さんは、今年度末をもって退会されました。
 現在の会員は26名です。
※会費納入についてお願い
 会費はできるだけ3ヶ月分以上前納してください。また、県連の会費は5月・8月・11月・2月期にそれぞれ3ケ月分を前納することになっていますので、万一休会・退会される場合は、お早めにお申し出ください。
※リクエストをお寄せください。4月の例会では、昼食後みんなで歌を歌って大いに盛り上がりました。そこで本会でも歌集をつくりたいと思います。山の歌、童謡・唱歌、フォーク・歌謡曲のジャンルからみんなが知っている歌、みんなに覚えて欲しい・覚えたい歌、そしてみんなで一緒に歌える歌をリクエストしてください。6月の例会に間に合うように準備を進めていますので事務局までどしどしお寄せください。
編 集 後 記 歩き遍路から普段の生活へのギアチェンジに手間取っています。半ば遠足気分の、にわか仏教徒ではありますが、霊場を巡るうち、何となく気持ちが洗われていくように思いました。山本正樹