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TECHNONET REPORT 2007,2



nanotech 2007 レポート

2007 .2/20~22 東京ビッグサイトにて開催



 ここ数年2月にはナノテク展が開催され、同時に集中的にナノテクにかかわる様々の講演会、セミナー、シンポジウムが開催されるようになっている。
 本年も例年通り、東京ビッグサイトで開催、その内容については、ナノテク展のホームページなど参照いただくとして、ここでは、ナノテク展からの印象を少しメモしておきたい。
 ナノテクノロジーといっても、それが何をさすかは人によって様々だと思われる。ただ、この展示会は、主催はナノテク実行委員会、後援は総務省、文科省など4省、米英など10カ国大使館関係、理化学研究所など9独立行政法人関係。ということで、明らかに官主導の展示会であり、そのなかでのナノテクの概念、枠が決められている、ということができる。
 ナノテクの講演会などでは、マクラとして2000年クリントン大統領がナノテクを国の政策として打ち出して――と語られる。このことが、現在のナノテクの政策を形作っているのは間違いのないことのようだ。
 あらゆる先端産業における研究開発は何らかの意味で、ナノの領域とかかわっているのは間違いのないところだが、それをナノテクノロジーと名づけることによって、何が新しくなるのかは、もう少し検証されていいと思う。
 ナノテクノロジーは産業の新しい分野として成長するのではなく、あらゆる産業分野にイノベーションをもたらす可能性のある基礎技術として大きな成長の可能性を持っている、ということではないだろうか。
 次世代の情報通信に、そして燃料電池車が普及するための基礎技術として、さらには環境調和型社会を作り出す技術として、様々の可能性を秘めていることは確かだが、それをナノテクノロジーと呼んでいいのかには疑問なしとしない。

 このような意味でいえば、すでにナノレベルの微細加工を前提として製品が作られている半導体をはじめとするエレクトロニクス分野では、日本以上にそこに期待しているのが韓国をはじめとするアジア勢ではないだろうか。今回、韓国のエレクトロニクスメーカーの展示が見られたのは、その意味では興味深い。





日本のNECは、カーボンナノチューブをはじめ、ナノテクの先鞭をつけたことでもよく知られている。エレクトロニクス分野だけでなく、環境その他にもナノテクを積極的に展開している。





 アジアの企業もナノテクには積極的。なかでも韓国の展示が注目される。



 もう一つ確実なのは、幅広い分野にわたるだけにナノレベルで材料を扱う技術、それを評価する装置、技術は今後もますます広がっていくだろうし、その部分では「ナノ」は共通のテーマになりうるはずだということである。ナノ評価、ナノ計測、ナノ分析は分析・評価の新し9領域としてこれからますます広がっていくはずである。


参加規模は、484企業・団体(国内317社、海外22カ国167地域)、800小間と言うから、ナノテク関連のEXPOとしては世界でも最大級という。




nanotech 2007の出展者,製品トピックスなどは
ナノテク展のホームページに詳しい情報があります。 ナノテク展ホームページへ

取材,執筆 八代啓一
                        


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