A5判 本文360頁 
   カラー口絵10頁

定価 3,800円
    (+消費税)
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玄 丞恷教授からのメッセージ 

●本書の詳しい目次

TECHNO-NETの出版物
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<2014年5月12日 発行>


バイオマテリアルの実用化を生涯のテーマとした
玄 丞恷 京都工芸繊維大学特任教授の語りおろし



バイオマテリアルは実用応用されてこそ真価が問われる
臨床応用までたどりついた数々の成果
実用化間近の研究成果を豊富な実例とともに語ります



TECHNO BOOKS 先端研究者・技術者が語るA

玄 丞恷教授の 医用高分子材料講義
実践 バイオマテリアル
臨床応用への道



    





<本書について>

 

 本書は,日本におけるバイオマテリアルの実用化を先陣を切って進めてこられた玄 丞恷教授が実用化し,臨床応用への展開を図ったバイオマテリアル(医用材料)について,実用化への道筋を詳しく語ったものです。
 現在,地球環境問題の切り札的材料として広く注目されている,ポリ乳酸は,実は医用高分子の世界から生まれたものです。玄先生はは,いち早くその実用化に取り組み,手術用縫合糸をはじめ,様々の分野で実用化されています。また,実用化のため,大学発のベンチャーを立ち上げました。大学発のベンチャーとして,現在も活動を続けている,数少ない例です。
 本書は,玄先生へのテクノネット社のロングングインタビューをもとに書き下ろしたもので,先生の取り組んできた,バイオマテリアルの臨床応用への道を,具体例とともに紹介しています。
 取り上げられるのは,ポリ乳酸をはじめとする生体内分解吸収性材料の臨床応用例,実用化間近の新しい医療用接着剤の開発,非生体内分解吸収性材料であるPVAゲルの応用例,腸高分子量ポリエチレンの人工関節摺動材料の開発から実用化へ,さらに歯科材料への展開など,多岐にわたっていますが,それぞれの開発においては,高分子材料のサイエンスとテクノロジーが背景としてあることが,わかります。
 さらに,先生の研究者としてたどった道,バイオマテリアル分野の未来を赤池敏宏東京工業大学特任教授との対話を掲載しました。
 バイオマテリアル研究開発の最前線を知るとともに,この分野への関心を持つ方々にとって,必携の1冊です。


                         

<主要目次>
 第1部 研究者への道
1.京都大学医用高分子研究センター  
 (1) ポリ乳酸でベンチャー/(2) 最初の製品化/(3) 骨固定材

  第2部 バイオマテリアル講義

第1講 医用材料としてのポリ乳酸 
生体内分解吸収材料の臨床応用(1)
1.生体内分解吸収性材料とは  
2.ポリ乳酸  
 2.1 はじめに  
 2.2 ポリ乳酸研究開発の歴史
 2.3 ポリ乳酸とは  
3.臨床応用  
 3.1 手術用縫合糸  
 3.2 吸収性軟組織補強材(プレジェット)   
 3.3 組織再生の足場材料  
 3.4 歯科口腔外科への展開  
 3.5 人工硬膜への展開  
 3.6 人工培養血管  
 3.7 人工骨固定材への展開
4.ポリ乳酸のステレオコンプレックス  
 4.1 ステレオコンプレックスの開発
 4.2 骨固定材への応用  



第2講 ポリ乳酸のドラッグデリバリーシステム(DDS)への展開
      
生体内分解吸収性材料の臨床応用(2
1.ドラッグデリバリーシステム(DDS)とは  
2.ポリ乳酸をDDSへ  
3.ポリ乳酸DDSの効果  
 3.1 アクラルビシン含有乳酸オリゴマーマイクロスフェアのリンパ指向性と持続性  
 3.2 シスプラチン含有マイクロスフェアの体腔内投与による腹水がん治療  
 3.3 シスプラチン含有マイクロスフェアを用いたがん性胸膜炎の治療
 3.4 マイクロスフェアを用いた食道がんの局所化学療法  
 3.5 歯周治療用テトラサイクリン固定化ポリ乳酸マイクロスフェアの有効性に関する
   臨床的検討  
4.ポリ乳酸を担体として骨形成を誘導
5.ポリ乳酸によるDDSへの期待
<コラム 特許取得ができなかったばかりに>
附.抗がん剤タキソールのナノ・ミサイル療法



第3講 新しい医療用接着剤の開発
1.医療用接着剤のニーズ
2.医療用接着剤 現状と問題点
  ・フィブリン糊とその問題点
3. 新しい医療用接着剤 LYDEXの開発
 3.1 食品添加物をベース素材として開発
 3.2 LYDEXの物性
 3.3 安 全 性
4. LYDEXの医療応用例
 4.1 呼吸器外科での応用
 4.2 粉末状LYDEX の開発
5. LYDEXの止血防止効果
 5.1 人工血管の針穴リーク止
 5.2 その他の止血防止例
 5.3 眼科領域での無縫合羊膜移植術
6. デキストラン/ポリリジンからなる生体内分解吸収性の癒着防止材
 6.1 心臓手術への適用
 6.2 癒着モデルにおける臓器等の癒着防止
7.LYDEXの感染予防,抗菌効果
8.今後の可能性



第4講 高分子ゲル−ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル
 
非生体内分解吸収性材料(1)
1.はじめに
  ・生体材料とゲル
2.PVAハイドロゲル
 2.1 PVAハイドロゲルの高性能化
 2.2 PVAハイドロゲルマイクロスフェア
 2.3 PVAハイドロゲルによる高性能繊維
3.バイオマテリアルとしての展開
 3.1 コンタクトレンズへの応用
 3.2 眼内レンズへの展開
 3.3 手術トレーニング用の生体疑似モデル



第5講 PVAハイドロゲルの整形外科領域への展開
 非生体内分解吸収性材料(2)
1.はじめに
2.関節軟骨
3.培養軟骨
4.人工関節軟骨の開発
 4.1 PVAとチタニウムメッシュの組み合わせ
 4.2 放射線照射による高強度化
 4.3 動物実験
5.人工椎間板
 5.1 椎間板ヘルニアの治療に
 5.2 人工椎間板
 5.3 腰椎すべり症
6.髄核用脊椎椎間板置換材料
7.人工半月板



第6講 人工関節摺動材料 超高分子量ポリエチレンの結晶配向化による
    耐摩耗性向上
    非生体内分解吸収性材料(3)
1.はじめに
2.人工関節がなぜ必要か
3.人工関節摺動材料としてのポリエチレン
 3.1 超高分子量ポリエチレンとは
 3.2 超高分子量ポリエチレンの物性
 3.3 超高分子量ポリエチレンの成形
4.ポリエチレンの耐摩耗性向上
 4.1 従来の方法
 4.2 配向結晶化
5. 人工関節摺動部材への展開
 5.1 成形加工での配向結晶化
 5.2 人工関節カップの摩耗特性
 5.3 米国で採用される
6. 放射線滅菌ができる人工関節摺動材料



第7講 歯科口腔外科領域のための生体材料
1. はじめに
 1.1 歯の構造と治療
 1.2 歯科治療用材料
2.人にやさしい義歯床の開発
 2.1 従来の義歯床材料
 2.2 熱可塑性アクリル樹脂製義歯床
3.実用化へ
 ・人体にやさしい義歯床プロジェクト
 <資料>特許 強靭な義歯床および製造法
4.チタン製人工歯根表面への歯根膜構築
 4.1 インプラントの歴史
 4.2 歯根膜の再生
 4.3 ハイブリッド人工歯根
5.ハイドロキシアパタイト表面固定インプラント 2



第3部 バイオマテリアルの過去,現在,未来を語る

 赤池 敏宏 東京工業大学 再生医工学バイオマテリアル設計寄付講座特任教授
 との対話

<資料編>
研究業績目録
 原著論文/総 説/著書
株式会社ビーエムジー 紹介


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