遭遇
ダナンバレーに来て2日目。午前のジャングルウォーキングが終わり、一行は宿に向かった。明日の昼にはここを発つ予定であった。
空模様が危うくなってきた。もし雨が降れば午後の予定は中止となる。残り時間が少なくなったことを悟った僕は思わずガイドに詰め寄った。「なんで野生のオランウータンが現れないのか。ホテルのチェックインするときは、オランウータンが毎朝ホテルまで来てモーニングコールをしてくれると言っていたのに」ガイドは参ったなという顔で苦笑した。
しかし、次の瞬間ガイドの顔から笑みが消え、ジャングルの中をじっと見据えた。木の枝の向こうに何かを見つけたらしい。しばしの静寂の後、彼はおもむろにつぶやいた。「オラン ウータン」
一行の前に姿を現した、まだ若い雄のオランウータンは、セピロックで見たものよりも引き締まった体格をしていた。だが両腕で木の枝にぶら下がるポーズはどこかおどけている。僕は暑さと興奮のため顔面を伝う汗をぬぐうのも忘れて、ひたすら写真を撮り続けていた。

ラハ・ダトゥから約2時間。
ラハ・ダトゥまではコタキナバルから1時間。
ダナンバレー内のホテルはボルネオ・レインフォレスト・
ロッジしかないため、事前に予約して行くこと。

2002年7月