司会者のいない披露宴

 挙式が終了した後、一同中華料理店に移動しパーティーを開催した。いわゆる結婚披露宴である。我々親戚一同は特別に新郎新婦とともにリムジンで会場に行く事を許された。
 披露宴は日本のそれとはかなり趣が異なっていた。まず、進行表がなく、司会進行を担当する者もおらず、スピーチも抜き打ちで行われた。
 時間が経つに従い参加者の数が多くなり、ついには定員を上回ってしまったため、花婿は座っている友人に向かって「おい、おまえは散々食べたんだからもう終わりだ」と言って笑いをとっていた。しかし、こういう行き当たりばったりの披露宴(失礼)も参加している我々にとっては小気味良いものであった。日本の披露宴につきものの、お色直しやケーキの入刀、引き出物の授受は一切なかったが、参加者達が皆二人を祝福している気持ちが十分伝わってきた。
「妹がアメリカ人と結婚する事を聞いた時は、多少不安を感じましたが、たくさんの人たちに支えられている事がここに来て分かりほっとしています。これからも妹のことをよろしくお願いいたします。」参加者から身内代表としてスピーチを求められた僕はそう語った。

注 釈
 妹から聞いたところによると、アメリカの一般的な結婚式の形式としては、メイド・オブ・オーナーという新婦の親友代表(何人でも可。姉妹でも可。)と、メイド・オブ・オーナーと同じ人数の新郎の友人ベストマンを選出して、彼らに司会役のようなことを任せるという。ケーキの入刀および新郎と新婦がお互いケーキを食べさせるセレモニー(ファースト・バイト)もあるにはあるが、妹の式の場合は新郎新婦の希望によりこれらを省略したとのことであった。
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Wedding Reception