今から2500年前、お釈迦様は法華経の中で此の世は五つの濁りによって世の終わり
(末世)が来ると予言した。
その五つの濁りとは、
1.劫 濁
…天変地異、戦争、疫病等の汚濁。
1.見 濁
…悪徳思想。
1.煩悩濁
…貪瞋痴漫の濁り。
1.衆生濁
…幼児誘拐や幼児虐待、殺人等の社会全体の濁り。
1.命 濁
…様々な濁りによって人の寿命が短くなる。
この五つの濁りによって釈迦の滅後、正法
・像法
の世を経て末法、
即ち世の末が来ると予言されたが、計算上では今世紀がまさにその末法の世ということになる。
前記の五濁の内容をみても、お釈迦様は2500年も前によくも予言したものだと思う。
我が国に於いても政治や経済の混迷の度は深まるばかりだ。
然しながら経済も政治も、その基盤となる教育方針を根本から改革しない限り、この混迷から抜け出すことは
出来ない。
そしてその教育に於いて最も大事なのは家庭の役割である。
教育の根幹である人間形成は両親の責任として親自身が行なうものであって、決して学校が行な
うものではない。
「三つ子の魂百まで」と言われる如く、健全な思想を持った夫婦の築く家庭こそが人間形成の道場なのだ。
家庭に於いて立派な社会人となるべき土台を確立させておかなければ、その上にいくら学力を積んでもそれらの人間
は開花することがないばかりか五濁を生む誘因となるばかりだ。
最近の家庭には挨拶もなく対話もない。まして笑顔のない多くの家庭ではテレビを観ながら食事をし、
せっかくの家庭の団欒に対話もなく従って笑顔が生まれることはない。
人間教育の真の基礎は家庭にあって、しかもその8〜9割は母親の責任だと明治生まれの優れた教育者・森信三は
言っている。
これからの文章を読まれる御婦人達は恐らく何らかの抵抗を感じられることと思うが、元来男性と女性は体のつくりが
違うように、それぞれ異なった役目を神様から与えられている。
即ち、基本的に男性は健全な家庭を支える為に仕事をし、女性は男性が後顧の憂いのないように
家庭をしっかりと守る役割があるのだ。
母親は家庭の太陽であり子供にとっては愛情の拠り所である。瞼えは悪いが仔馬は母馬の体温で育つという。
無自覚な女性の被害を最も多く受けるのは幼い子供達である。
戦後強くなったものは靴下と女性といわれて半世紀、旅先の外食の場にも女性の方が圧倒的に多く、
男性以上に積極的に人生を謳歌しているように見える。
それらの女性が家庭を疎かにすることなく、各自の自覚と工夫によって家庭での太陽の光を失う
ことのないよう切に望む。
又、父親は家族を養うと同時に人生を大観し、子供の人生に於いて進学・就職・結婚というような大事な節目節目に
毅然たる態度をもって自らの人生観に基づく見識を示すことであって、決して東京のどこかの区長のように大事な区政
を放り出して呑気に2週間も育児休暇をとることではない。
その教育の根本を忘れて今の政治家達はやれ子供手当だ、高校の授業料免除だと票集めに懸命だ。
子供の教育はお金では決して買えないということを肝に銘ずべきであり、主婦が働きに出る前に、
やるべきことは一杯あるはずだ。
大人達の安易な意識から望まない出産によって育児ストレスになり、それに経済的ストレスが追い打ちをかけ、
結果的に我が子を虐待し、育児を放棄する親達。
全国の児童相談所に寄せられた07年度の虐待件数は4万件を超える。
余裕がありながら子供の給食費を平気で滞納する親、我が子の素行不良を先生の責任にする保護者達、
学校での学級崩壊や、いじめの横行も子供達の躾を怠った親達の責任だ。学校は「何でも屋」ではない。
鳴り物入りで始まった「ゆとり教育」、その本当の意味を解さず学校にまかせきりの親達、「ゆとり」を活用して
子供に「勉強しよう」という気持を起こさせるのは何も学校の先生達だけの役目ではなく、親達にもその責任がある
ということを忘れてはならない。
「ゆとり」を「くつろぎ」と勘違いした結果、子供達の学力低下に驚いた関係者達は今度は一転「脱ゆとり」に
路線転換し、教科学習の時間や内容を増やし、再び知識重視の方針に転じた。
そして分厚くなった教科書の記述に沿ってその通りに教えるのではなく、教師がよくその内容を咀嚼して子供達に
伝え、子供達の思考力と活用力を養えという。
即ち、子供達の学力と思考力と活用力を向上させるのは教師の義務だと言う事になる。
義務教育とはたしかに学校側にも子供達を教育する義務はあるが、親達も自分の子供達に自ら進んで勉強しよう
という環境をつくり、立派な社会人として世に送り出す義務がある。
今度の「脱ゆとり」により教師の事務量は増大し多忙化にますます拍車がかかることとなる。
分科省によると、08年度に自ら望んで降任した教員は過去最高の179人、精神疾患など「健康上の問題」が過半数を占め、
都内の公立小中学校の約9%で保護者や地域住民からの理不尽な要求が繰り返されていたという。
子供手当について民主党は「社会全体で子供を育てる」というが、子供を育てる責任はあくまで親であり、その親を
国と社会が応援するというなら話しはわかる。
父親のパチンコ代や母親の外食代に莫大な予算を計上して子供手当や高校の授業料免除法案を可決した見濁と煩悩濁に
ドップリと浸かり嘘をつくことに何の罪悪感を持たず唯。政権をとる事のみに汲々としている政治家達。
三島由紀夫は「健全な民主主義は健全なテ口を必要とする」と言った。どこかの「由紀夫さん」
が聞いたらどう何と言うだろう。
お釈迦様の予言した「末世」は確実に近づきつつある。
以 上