過去掲載の詩(3)

日常を詠む
       
冬の俳句
行く秋の 青葉の城や 風わたる 正月も三日もすぎたり 玉露飲む 山の池 山を写して 澄みにけり もぐりける 腹の白さや かいつぶり 子等の声 皆かん高し 冬の庭 体温を 残して朝の 寝床かな 梅古木 たたみにうつし 冬陽射す 落ち葉焚く 煙動かず 山くれる

冬の短歌
飛行機の残せる長き 白雲は
   薄れて崩れ 消えにけるかも 東京の雪 今朝より ふりつづき
   午後にいたるも 止むことなし 珍しく 東京に雪ふれば
   急ぎ干物 取り入れてやる 夕やけて 風しずまりぬ 遠山の
   はるかなる空 月浮かびけり 雲の峯 崩れて這うて 流れけり
   松立つ丘の 風荒くして 名も知らぬ 小さき木の実の散り落ちて
   踏めば音する 朝の道かな 雪ふれば ポストへ行くを 取りやめて
   こたつの中で 雪ふるをみる 夕されば 真冬の空に 星ひとつ
   ますみにすみて 光り輝く