被告第7準備書面

 以下は、2004年12月20日に被告側代理人より提出された準備書面である。固有名詞は必要に応じてイニシャルとした。


1. プロスタサイクリンの適応について

  プロスタサイクリンは、その能書によれば血管平滑筋の特異的受容体に結合し血管拡張作用を発現し、用量依存的に血圧を低下させる、とされている(乙B6号証4頁の右の欄「薬効薬理」の項)。

  したがって、亡E子の肺高血圧症の原因が慢性肺血栓塞栓症であることから、その肺高血圧の低下はきたいできない{被告準備書面(5)4頁)。

2. 肺聴診におけるラ音について

  ラ音は、基本的には左心不全に見られる所見であるが、重症化するにつれ左心不全と右心不全の区分はできなくなる(乙B8号証)。

  肺高血圧症は、基本的には右心不全の症状、所見を呈することになるが、進行すれば左心不全の症状、所見も呈することになる。

  したがって、肺聴診でラ音を聴取しないことは、右心不全を否定する根拠にもなりなる。

3. 乙A1号証14頁の記載について

  「心電図上のII、III、aVf 小qと陰性T」
  「心については 心エコー上十分とはいえない記録であるが明らかな左右不同は認められなかった」

以上


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