内診はイヤ!
と、いう方は、結構多いです。しかし、内診をしないと、わからない事がたくさんあります。子宮や卵巣も体の一部です。ノドが痛いときにはノドを診るのと同じように、子宮や卵巣の調子が悪ければ、子宮や卵巣を診なくてはなりません。医学的に診れば、決して特別な事ではないのです。ただし、性行為の経験が無い方は内診できませんので、診察前に医師や看護師におっしゃってください。
内診をしないとできない事
1)
オリモノの異常(カンジダ膣炎等)の診断・治療
2)
不正出血の診断
3)
外陰部の異常(尖圭コンジローマ等)の診断
4)
排卵の診断
5)
子宮頚管ポリープの診断・治療
6)
妊娠初期の診断
7)
子宮癌検診
内診の手順
1)始めに、下着(ショーツ)を脱いで内診台にあがります。ズボンの方は完全にズボンを脱いでください。スカートをはいている方はスカートをできるだけたくしあげてください。(しっかり上げておかないと、消毒液や出血などで汚れる事があります。)靴下や膝・腿までのストッキングは脱ぐ必要はありません。
2)内診台に上がって下さい。衛生上、紙のカバーがかかっていることを確かめてお座りください。足は、力をいれず足受け台に置いてください。(写真
内診台)
3)内診台は電動で、数10cm上がります。あわてて動いてしまうと、転倒したりする事が有りますので静かにお待ちください。
4)まず、膣の中を診ます。オリモノの状態や出血の有無、膣壁の状態、子宮の出口(子宮膣部)の状態を診ます。このとき、クスコ膣鏡と言う器具が入ります。嫌がって力をいれてしまうと、かえって痛くなりますので、力をいれずに診察をお受けください。(写真
クスコ膣鏡 閉・開)
5)次に、指による内診を行います。内診は一回一回手袋を換えて行いますので衛生的です。内診では、子宮の大きさ、形、向き、卵巣の大きさ、形、位置などを診察します。痛みなどがあれば遠慮せずおっしゃってください。力をいれてしまうと、診察が出来ませんので、力をいれずに診察をお受けください。
6)経膣超音波検査をします。お腹の上から超音波をするより、詳しく診断できます。特殊な経膣超音波用の器具を膣内に入れます。(写真 経膣超音波)このときに力が入ってしまうと、うまく行きません。膣内から子宮や卵巣の形を見ます。この検査で、子宮・卵巣の形や位置をみます。これにより、子宮筋腫、卵巣嚢腫、卵巣の癒着、排卵の準備の状態などが分かります。
7)これで検査は終了です。オリモノなどを洗浄する必要があるときには、もう一度クスコ膣鏡を入れて洗浄液で洗浄します。薬を入れて、タンポンを使う事がありますので、タンポンを抜くのを忘れないようにしてください。また、検査によっては、しばらくの間出血が起こる事がありますので、そのようなお話があれば、ナプキンをあてておいてください。
8)下の写真は、検査に使う器具を示します。いずれも数ミリ〜数センチ程度の大きさで、検査時に、痛みがあまり無いように作られています。
上から 子宮頚癌検査(サイトピック) 子宮体癌検査(エンドサーチ) 綿棒・綿球・膣錠 タンポン・膣錠