2011年12月例会


平成20年度文化庁芸術祭大賞受賞作品

劇団文化座
『てけれっつのぱ』
 
 

激動の時代を背景に描くエンターテインメント
時代絵巻

 

明治維新から文明開化。それまでの価値観が崩壊し、今日の平安が明日は過去のものとなってしまう。そんな時代であった。

原作/蜂谷 涼
脚本/瀬戸口 郁
演出/西川信廣

<キャスト>

おセキ佐々木愛
/有賀ひろみ
あや乃
/阿部敦子
おふく
高村尚枝
/五十嵐雅子
ロビン/小谷佳加
別 所/津田二郎
熊 吉/鳴海宏明
高 島/佐藤哲也

/沖永正志
/白幡大介
高島の子分春稀貴裕
高島の子分/池内智士
高島の子分
梅田 嵩

日程
会  場 日 程 昼の部 夜の部
安佐南区区民センター
ホール
12/14(水) -  18:30
12/15(木) 13:00 -
アステールプラザ
大ホール
12/16(金) -  18:30
12/17(土)  14:00  -
    上演時間 2時間40分(休憩15分含む) 
   希望日締切り 10月31日(月)
     シ−ル発行 11月28日(月)

  


劇団紹介

 1942年創立。
演出家の故佐佐木隆、女優の故鈴木光枝らによって結成され、「武蔵野」で旗揚げ。1945年、日本の現代演劇を紹介する目的で旧満州に渡り、そこで敗戦を迎えた。「おりき」「荷車の歌」「土」「サンダカン八番娼館」など、底辺に生きる人々に光を当てた作品の上演を続ける。近年は「青春デンデケデケデケ」「ほにほに、おなご医者」「天国までの百マイル」等で各地演劇鑑賞会を巡演。現代表は佐々木愛。中堅若手の成長も著しく劇団の層も厚くなり、2012年創立70周年を迎える。
★内容、舞台写真は劇団HPから掲載しています

 

あらすじ
 
時は明治14(1881)年、商人や船乗りが往き来し活気溢れる小樽の町なかに、煮売り、代書、髪結、俥などを商う小さな店「きし屋」があった。そこに肩寄せ合って生きているのは、年齢もバラバラ、と言って家族でもない、いわくありげな三人の女とその仲間たちだった。彼女たちはなぜ結びつき、ここ北の果て小樽にたどり着いたのか?そしてやくざから立ち退きを迫られている「きし屋」の運命は? 
 明治維新そして文明開化。価値観が大きく変動する時代であった。旗本の嫁でありながら没落し、芸者となった一人の女がいた。その女を妾とした薩摩出身の官吏とその妻。女を助ける主人思いの女中。そして女を思慕し見守りつづける車曳きや謎の混血娘……。様々な人生が激動のなか流転する。
 その運命に流される者もいれば、立ち向かい、抗い、力強く生きようとする者もいる。 
 江戸の名残をとどめる文明開化の東京と、開拓まもない北海道は小樽で、愛憎と人情に満ちた悲喜劇が繰り広げられるのだった

かいせつ
 激動の時代を背景に、不器用な者たちの人間模様が綴れ織りのように鮮やかに描かれる蜂谷涼氏の連作小説『てけれっつのぱ』。
 哀しみを湛えながらも逞しくしたたかに、そして力を合わせて生きる人間たちの姿は、やはり価値観が拡散し不透明な時代を生きる現代の私たちの胸に鋭く迫ってきます。
 絡み合う物語と人間模様を、瀬戸口郁氏は北海道開拓下の小樽を舞台にしたドラマとして収斂させ、西川信廣氏の演出のもと個性溢れる登場人物たちが動き始めました。
 創立70年に向け伝統をたえず更新し続ける文化座が放つ、切なくも痛快なエンターテインメント時代絵巻。初演の舞台は圧倒的な支持を受け、平成20年度文化庁芸術祭大賞を受賞。
新たな代表作が誕生しました。

 

『てけれっつのぱ』
 落語『死神』に出てくる、死神を追い払う呪文。「あじゃらかもくれん、きゅうらいそ、てけれっつのぱ!」が一般的(?)。ただし演者、演出により、呪文に時事ネタを取り入れるなど、さまざまなバリエーションもある。語源については、「きてれつ」との関連も指摘されるが、特にそれ自体意味もないようである。
 また原作でロビンが口ずさむ、「太鼓が鳴ったらにぎやかで ほんとにそうなら すまないね へらへーの万吉っつぁん てけれっつのぱ」という流行歌(?)もあったよう。

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