劇団 前進座
『銃口』−三浦綾子最後の小説−
人間、苦しくても
良心だけは失わずに生きるんだ。
原作/三浦綾子
脚色/山口誓志・田島栄
演出/十島英明
美術/小南由紀 照明/石島奈津子
音楽協力/ケイゾウ・木野
効果/小倉 潔
〈出演〉
北森竜太 ・・・高橋佑一郎
中原芳子 ・・・上沢美咲
坂部久哉 ・・・ 武井 茂
北森政太郎 ・・・志村智雄
北森キクエ ・・・いまむらいづみ
沖島二郎 ・・・山崎辰三郎
木下 悟 ・・・益城 宏
河地三造 ・・・ 松浦豊和
近堂 弘 ・・・柳生啓介
金 俊明 ・・・渡会元之
北森美千代 ・・・今村文美 ほか
<あらすじ>
竜太の家は、旭川で古くからの質屋。飯場から脱走した朝鮮人をかくまい助けるような暖かな家庭であった。彼の小学の担任坂部先生は、軍国主義が色濃くなる中、どんな生徒も差別せず、ひとりひとりを大切にする授業を行っていた。
「僕も、坂部先生のような教師になりたい」と
昭和12年、竜太は炭坑町の小さな小学校に赴任。誰よりも生徒を愛する先生だった。恋人の芳子や先輩教師、可愛い生徒たちに恵まれて、幸せな教師の日々を送っていた。そんな彼が、「北海道綴方教育連盟」の会合に出席したという理由だけで突然検挙される。連日厳しい取調べを受けた上、退職願を書くよう強要される。拷問を受けた恩師の坂部先生は出獄後に病死。「苦しくても、人間として良心を失わずに生きるんだ。時代を見つめるんだ。」の言葉を残して・・・。
釈放された竜太は芳子との挙式直前に召集されて満州へ送られる。軍隊での地獄のような生活。そんな中でも良心を失わずに生きようとする上官にも出会う。
そして、敗戦。竜太は幾多の苦難の末に懐かしい旭川に帰り着く。けれども、戦中に受けた心の傷や列車から見た広島のことなどから、教師に戻る決心がつかない。
しかし、芳子や友人たちに励まされながら、戦争の犠牲になった友、恩師、教え子たちの心根を思い、再び教壇に立って生きる道を選ぶ。
(劇団HPから抜粋)
★舞台写真は劇団から許可を得て掲載しています |
原作は戦中実際にあった「北海道綴方教育連盟事件」を背景にした三浦綾子さんの最後の小説。
教室の場面で用いるコロスという表現方法、戦時中でも失わない家族の絆、師弟愛、純愛、友情など、暖かな情感に溢れた作品。 |