ぴろ吉が思いついたこと、掘り下げて見たいことをレポート的?に
綴っています。基本的にはしょうもないこと?を中心に頑張っていきます

第二回 『モデラー的タイヤの話』

★前振り

 模型の新製品が発売されたとき、必ず話題になるのがタイヤ&ホイールの話。
 ボディについては、設計者の意図するところの『ディフォルメ』が入ったりしていることから個人の好みを含めて『似てる、似てない』っていうのが話のタネになるところです。また、デキの良し悪しというところもよく批評の対象になります。まぁまがりなりとも『スケールモデル』であれば、図面に対して正確か否かが重要な気もしますが、『縮尺模型としての見栄え』ってやつが入ります。

 また、内装の場合は似てる、似てないというよりは『再現されているか、いないか』といったあたりが製作者に与えられる課題となります。もちろん内装ですから、見えないと割り切れば黒一色の塗装でも『あり』なところが模型の面白いところではあるんですけどね。

 で、この2点の外装、内装とも、極端な話盛ったり削ったりしてしまえば、それなりの技術があったらどうにかなってしまうもんです。もちろん、ものによってはかなりのスキルを要求する場合も多いんですが、腕さえあったらマイナーチェンジくらい対応できてしまうわけです。
 私もいろんなホームページのギャラリーなんか訪問しますが、結構多いんですよね、マイナーチェンジとか違うグレード作っちゃうとか。

 で、ここからが本題なのですが、じゃあホイールとタイヤは?と聞かれると、結構難しいんです。
 ホイールについては、円筒形であることから求められる精度、模型の重量を支えることから強度、そして4本あるために同精度のものを4つ用意しなければならないなんてのが結構厳しい現実です。
 タイヤについては、そのもの自体が加工しづらいゴムであることから、多少ひっぱる、縮める以外に方法が無いというのが実態なんです。
 それでいて、双方ともに模型の印象を決めてしまったりするという悩ましい部品がホイールとタイヤなわけです。先にオチを書いてしまいますが、結局のところ簡易な対処方法は無く、アフターパーツで気に入ったホイール&タイヤセットを購入することになってしまうんです。


★タイヤサイズの話

 長い前振りに続いてもうひと前振り。実際に車に乗っていて、タイヤを買ったことのある人なら誰でも知っているようで、微妙なところは割と知られていないタイヤのサイズ。225/40R17とかいうやつです。
 サイズの話の前にタイヤの部品の名前ですが、こちらのとおり。某大手タイヤメーカー様のホームページから画像をぱくりました。

                    


 詳しい方は次章まで読み飛ばしてください。
 さっき書いた『@225 / A40 R B17』を画像の文字に置き換えると、
  『@タイヤの総幅 / Aタイヤの総幅の40%(断面高さ)R Bタイヤ内径
 となります。
 これを数字に置き換えると、
@タイヤの総幅 タイヤの全幅 225mm
A偏平率 断面高さをタイヤの総幅で割ったもの 225mm×40%=90mm
Bタイヤ内径 タイヤの内径(呼び径) 17in×25.4mm=431.8mm
 となります。
 このサイズのタイヤの場合、直径は90mm+431.8mm+90mmで611.8mmとなります。


★ホイールの話

 ホイールのサイズの表現方法は、17×7JJ 5H−114.3+55とかなんですが、

   

 画像の数字に置き換えると『B17 × @7 AJJ 5H − E114.3 C+55』となり、文字に置き換えると、
 『Bリム径 × @リム幅 Aフランジ形状 ホール数 − EPCD Cオフセット』となります。

@リム幅 ホイールの縁の幅 7in×25.4mm=177.8mm
Aフランジ形状 タイヤをホイールに固定する役割をもつ。ホイールの折り返しの部分の形状。B、J、JJ等 JJ=18.0mm
(下記参照)
Bリム径 ホイールの外径を表わす数値 17in×25.4=431.8mm
Cオフセット ホイールのリム中心線と
ディスク取付面との距離
114.3mm
EP.C.D スタッドボルトの中心線を結んで、できる円の直径の数値 114.3mm
 ホール数 ホイール装着スタッドボルトの数。 5穴


 フランジとは、タイヤをホイールに固定するための折り返しですが、一般的な乗用車の場合、JまたはJJが多いようです。
                    

★実際の模型

 長い前振りにお付き合いありがとうございました。
 上の数字は実はNSXの後輪にあたるサイズなのでした。
 で、今回の目的であるフジミさんのキットを検証すると、



 こんな寸法になりました。
  @タイヤの幅
    10.8mm
  Aタイヤの外形
    25.6mm
  Bホイールの外形
    18.6mm
 という結果でした。

 私も間違えたところですが、ホイールの外形とは、呼び径(17インチ)にフランジ部分(JJ=18mm)を上下に足した数値が見た目上の外形となります。

 ちなみにNSXは前後異径タイヤを採用していますので、総括するとこのとおり。
  タイヤ幅 タイヤ外径 ホイール外形
フロント
215/40R17
実 車 215mm 603.8mm 467.8mm
計算値 9.0mm 25.2mm 19.5mm
実測値 10.8mm 25.6mm 18.6mm
リア
225/40R17
実 車 225mm 611.8mm 467.8mm
計算値 9.4mm 25.5mm 19.5mm
実測値 10.8mm 25.6mm 18.6mm


★今回の結論 

 今回NSXのキットに入っていたホイールは、1mmほど小さいという結論になりました。
 1mmということは、実車に換算すると24mm小さいということになりますので、約1インチ小さいという結論に至りました。ちなみに、各種ホイールを計算すると、
呼び径(インチ) 13 14 15 16 17 18 19 20
呼び径(mm) 330.2 355.6 381.0 406.4 431.8 457.2 482.6 508.0
直径(JJの場合) 366.2 391.6 317.0 442.4 467.8 493.2 518.6 544.0
1/24(mm) 15.2 16.3 17.4 18.4 19.5 20.6 21.6 22.7
と、なります。

 今回はNSXを参考に行いましたが、私が引っかかった?フランジのサイズについてもJISで規定されており、形状ごとでは同サイズになるはずです。手元のフジミさん製キットをちょこっと調査した結果では、

インテグラ
(DC2)
インテグラ
(DC5)
レガシィ
(BH5)
RX−8
スカイライン
クーペ
15in/17.4mm 17in/19.5mm 17in/19.5mm 18in/20.6mm 18in/20.6mm
17.7mm 18.6mm 18.6mm 21.1mm 21.1mm

となりました。16インチのデータがありませんが、どうやら17インチのみ『インチアップシリーズ』では無いようです。

★あとがき
 概ね当たらずとも遠からずな数字を使用していますが、意図的に判りやすく表現しています。
 『え?違ってない?』とかの指摘は照れるのでメールでお知らせくださいませ。
 あくまでも参考というか、個人的考察の部分に属するものですので、細かいところまでは勘弁してください(笑)
 ここで得た知識を他人にひけらかした場合、間違っていてあなたが笑われる恐れがありますが、ぴろ吉は一切関知しませんので、心の中で「へぇ〜。」と15回も言っていただければ幸いです。


★あとがきのあとがき
 書きたかったことは実は掘り下げるとホイールとタイヤってのはこうなんです。というのを伝えたかっただけですので、別にフジミさんのキットを否定するものではありません。
 今回のNSXについても実際に組んでしまえばそんなに悲観するほどのこともありませんでした。
 やはり仮組み状態では小さい印象もありますが、ボディに色がついて組みあがれば雰囲気が出てしまうので気にならなくなるという気もします。まぁこの辺りも主観になってしまうのであんまりいい、悪いということでコメントはしない方がいいのかな?とも思います。作ってみなきゃ判らないっていうのはかなり乱暴な話になってしまうので、箱の横にでも完成見本があったらいいなぁと思いますね。
 ちなみに完成写真はこちら。

         

 もの凄く蛇足ですが、今回のキットに付属されているタイヤを実車換算すると、
  259/32R16.2 
 というサイズになります♪幅があるのでこんなに肉厚なタイヤにかかわらず32という扁平率。20年前の土管ホイール+引っ張りタイヤってサイズになってます(笑)


 今回は一端掲載したのちに、ホイールの呼び径とフランジを含めた見た目上の外形を勘違いしていて誤記するという失敗を犯しておりました。誤解を与えた皆様にお詫びするとともに、ご指摘して頂いた方に感謝して、このページを再掲載しました。今後ともよろしくお願いいたします。





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