HALF AND HALF JOURNAL

 

 

RIVER  UTOPIA   

 

RIVER PORT --- RIVER PORT HOUR

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                    HHJ 2000.4 Vol.73

 

花岡地区の鉱害の現状

 

227日、松峰地区の鉱害対策委員会の畠山勝蔵委員長に会った。前日まで降り続いた大雪が止んで青空が広がったので、鉱害の現場を案内してもらうことにした。畠山さんは滝の沢沈殿池の堤防に立つと、まず池の奥を指して花岡事件の中国人が寝起きした中山寮があったところを教えた。学生時代に鉱山の社員から他の沈殿池を教えられたぼくは、思いがけず歴史の原風景を見た。堤防の反対側には眼下に産業廃棄物焼却処理工場があった。太い煙突が2基、それぞれ水蒸気と灰色の煙を吹き上げている。

―同和クリーンテックスは県内から年間約9万トンの産業廃棄物を集めて、焼却処理してるんです。有害物質が入ってるんじゃないか、と住民は心配してるんですよ。

 平成10年度の公開資料には主に県南の誘致企業TDKの〈有害物〉とあるだけで、畠山さんが困惑するとおり何が入っているか分からない。〈lS014001認証取得工場〉の看板があるが、認証の条件自体があまり信頼できない。焼却灰は、どう始末するのか?

 廃液の中和処理施設は、呆れたことに花岡の町中にあった。暴動後に中国人たちを拷問した娯楽施設共楽館跡の隣りで、水路全体が汚いオレンジ色に染まっていた。酸化鉄の色だけではない。処理済みの濁った廃水の他に、どんな化学物質が上流から流れてくるのか?滝の沢沈殿池や焼却処理工場の排水管に疑惑が行く…その濁り水は旧花岡川(大森川)に入り、もう一本のこれもやはり臭気が漂う流れと合流して、1km下流の松峰集落を貫く。忍従する花岡住民を軽蔑しながら、ぼくは徳山市の化学コンビナートの悪臭について話した。〈ヒッチハイクで会社の宿直室に泊めさせてもらったんですが、朝は窓を開けるな、と注意されましてね。匂いがひどいし、目もいためるから、と。〉

畠山さんは地盤沈下による松峰地区の集団移転補償闘争の経験者だから、甘い考えはない。

―旧松尾鉱山(八幡平東部)に行ってみたが、5億円の浄化装置を付けてる。花岡の廃水中和処理施設にも、それを付けるべきです。

 汚染土壌を洗浄する施設に行き、廃水浄化タンクを見た。

―鉛と亜鉛以外取っていないから、他の重金属はみんな流れるんですよ。

大館市への平成11年汚染土壌処理水質検査報告では鉛と砒素がそれぞれ002ppmで排水基準01ppmを下回っていたが、環境基準はO01ppmだ。旧社会党県議だった畠山さんが見せてくれた公開資料によれば、その他にカドミウム(Cd)・水銀(丁−Hg)・総水銀(RHg)・銅(Cu)・ニッケル(Ni)などが汚染土壌中に含有されている。2種類の水銀の違いは、明らかでない。

廃棄物処分場のある稲荷沢に登ると、滝の沢沈殿池の南隣りに巨大なスタジアムが広がった。底にペーハー測定器があるが、積雪のせいで埋め立て地のようには見えない。廃棄物を焼却した後の残滓をここに捨てる、と畠山さんは言った。

―県と市は無害だと言うが、能代産廃処理場の例でも分かるように鵜呑みにするわけにはいかない。花岡鉱業の話だと、岩盤が固いいからシートを敷かなくてもいい、ということです。しかし、有害物質を運んでるという関係者の情報があるんです。今、確認中ですが。

それから、旧花岡川の側の自宅に戻り、関係資料を開いてみせてくれた。

―酸化鉄からは必ず酸化チタンが出ます。これにはトリウムという放射性物質が含まれてるんです〔1〕。稲荷沢の廃棄物処分場は地元松峰の同意を得てないんですよ。

秋田県が開示した一枚の同意書は、どこの誰がという肝心の項目が抹消されていた。こっそり罪な同意書を交わしたものだ!鉱害対策で年老いる暇もない感じの畠山さんは、最後に戦慄的な事実に触れた。

―松峰には6人の精薄者がいます。80人の住民のうち6人ですよ。井戸水は飲むな、と言ってるんだが。

松峰の水田はどこかと最後に聞いてみた。《農業をやってるものはいない》

 

1 HHJはこの真偽を確認できていない。

 

              

 

 

 

 

▼ River Selection 9  下内川

▼ River Selection 26  大森川

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HHJ 2000.4 Vol.73

 

危険な汚染土壌処理

 

                合成界面活性剤(LASなど)は生物の細胞膜に作用する毒性を持つ。石鹸の界面活性剤(脂肪酸ナトリウム)はある程度薄まると、能力が消えて分解する。汚染土壌処理に使用される界面活性剤は、どうなのか、花岡鉱業将積(しょうじゃく)一夫専務に313日電話で聞いてみた。

―鉱山で使われる薬品で、24系捕集剤と言う。普通の洗剤とは違う。界面活性剤の−種だが、アルコール系。毒性はない。タンクの中で鉱物(鉛など)を捕まえて固め、土壌と分離させる。上に浮き上がったものを掬い取り、鉱物と一緒に製錬所に送り、焼却する。

 去年送った質問書に答えない会社だから、信用はできない。320日の廃水処理施設での作業員死亡事故の報道で、硫酸銅含有の廃液の中和に消石灰が使われていることが分かった。見た限りでは、処理が完全だとは思えない。処理施設にはストックヤードから焼却灰も搬入していた。焼却灰には有害物質が含有されていると考えられる。廃棄処分場に捨てられる焼却灰は安全なのだろうか?

 

 

 

花岡事件GHQ資料展より    

デ・バーグ大尉の調査報告書  

 

 

 

 

 

 

 

続・6月の最後の夜

 

耿諄さんの《新鮮な認識》と反抗の歴史的意義

 

 

 

 

 

 

 

 


                           

                  

 

 

HHJ 1996.10  Vol.52

>活動開始、長木川ダムを考える市民連絡会<

927日、夜7時から大館中央公民館で長木川ダムについての話し合いが行なわれた。呼びかけたのは〈長木川を愛する会〉。テーマは、長木川ダム問題をどのように考え、実際どのように運動を進めて行くべきか、である。参加者の発言を内容別に適当に整理すると、

■ダムは一般に土建業者の繁栄のために作られる。/役人はダム建設の情報をなかなか市民に公開しない。/自然が弱ったからといって、ダムを作るのは政治や産業が自然を壊した事実を忘れた詭弁だ。/ダム建設は安全のためというのは脅しみたいなもので、口実だ。/ダムは地震を誘発する。/上小阿仁の萩形ダムが出来てから、かえって水害が増えた。放流はダムの安全牲を守るためで、渇水期には水不足で下流が荒れる。/水質の悪化も激しい。/水道料金が上がる。/人間の科学的な力に対する奢りがあってはならない。/都市型災害を反省する必要がある。都市に降る雨がコンクリートとアスファルトのために地中に浸透しないので、中小河川や用水路がすぐに溢れ

れる。/大館市は回答書の中でそれを自然のせいにしているが、正しくない。

■将来の理想的な人間の生き方と社会の在り方を視野に入れて、運動していきたい。ダム建設に反対するだけでは暗くなってしまう。/ダム計画があることさえ知らない市民がいるので、ダム問題に対する意識を高めなければいけない。/公聴会を開くべきだ。/新聞の報道の仕方が悪い。ダム建設位置が〈皆倉橋上流に決定〉と一言だけ、地図も入れない。本当なら、大きな見出しにするべきだ。批判する必要がある。/ダム建設計画の資料と関連する資料をもっと集めたい。/質問状を送ろう。

 

 和やかな意見交換のあと、〈長木川ダムを考える市民連絡会〉を作ることに決定した。宣伝効果と運動の効率のために、それを中心に各グループと個人が柔軟に連携する。ヴァライエティに富んだ粘り強い展開が期待できると患う。

 

 

〈長木川ダムを考える市民連格会〉

代表:佐藤守

構成グループ:長木川を愛する会、大館自然の会、大館せっけんを広める会、大館オンブズマンの会、大館文化の会、健康と文化を広める会、カメラ・クラブ、リヴァー・ユートピア、HHJ  etc 

 

 

 

 

 

 

 

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