リヴァー・ユートピア憲章

  

HHJ

 


 

 

T 根拠と理念

1

川は古くから多くの文明と文化を育んだ。貴重な交通手段として長い間人間の生活を支えていた。しかし、科学と産業の発展によって、自然は破壊され、川は忘れられてしまった。

2

人間の生活のために破壊された自然は、逆に住民の生活と心身を損なうようになった。

人々は自然をよみがえらせ、自然と健康に満ちあふれた生活を送ろうと望んだ。住民は、川を想い出すことで自分を取り戻せると気づいた。しかし、川は目の前の流れでしかなく、川が実際どうなっているか、本当に知る者は少なかった。川とともに生きて、川に対する愛着と認識を深めなければ、より良い生活はありえない。

3

 リヴァー・ユートピア運動はそういう反省に立って、川の自然保護および自然と人間の理想的な共生を目指す。そして、もう一度川の流れを舞台にしながら、川から社会を見つめなおして、人間と環境世界の新のあり方を考えていきたい。

 

U リヴァー・ユートピアの基本計画

1

最も基本的な言葉の定義

自然とは、地球上のあらゆる生命と物質が人間社会から自立的に形成する全体である。人間の身体は自然の一部であり、自然のメカニズムから離れて存在することはできない。

環境とは、人間あるいは他の生命の周囲にあるすべてを言う。人間あるいは他の生命との係わりから事物を見ることが主題として強調される。単に環境保護といえば、個人の生活空間、住居、街、川、森林、山、海、地球、というように同心円的な広がりを持つ。この広がりに時間の色彩を加えるときは、特に環境世界という用語を使う。時間の流れにある生きた環境のことである。これには身に着ける衣服という半環境の概念も含まれる。

2

 芸術性を高めることは、自然と人間を傷つけないで共に生かすことである。この基本計画は、そこに住みたいと思われるような創造でなければならない。それぞれの地域の新鮮な個性がイニシアティブを取り、流域全体を視野に入れて、通過する人間に媚びる観光のためにではなく、そこに住む人間ひとりひとりのために、という自覚を持つべきである。

A 川に対する愛着と認識を深めるために、リヴァー・ドキュメンタリーを制作する。地球の川はすべて、大河から村外れの小川まで記録する。制作の基本は、川の全体像が分かるように川の流れの最初から最後までを川の内外からきめ細かく映像化することである。

B 川のほとりにリヴァー・ポートを設置する。リヴァー・ポートは、川と流域の自然環境保護に関心を持つ住民のネットワークの拠点であり、文化・芸術が形作られる場である。そのためにハウスを造り、川のホワイト・マップ(川地図)や川に関する情報資料および世界中のリヴァー・ドキュメンタリーのコレクションを備える。

C 花と樹木を川縁や周辺および源流地帯に植え、エコシステム(生態系)に配慮した情緒のある美しい自然を造る。鉢と花壇、標識などのアクセサリーもアート感覚で制作するべきである。

D 橋は自然と生活の融合空間であり、歩く人のために庭園化を試みる。

a 橋の上と袂の両側に花壇を造る。

b 橋の袂に花の樹か広葉樹を植える。

 特に既存の橋の上部デザインを構想して、改修に役立てるようにする。小さな橋ほど大切な場所と考えなければならない。

E 人間と他の生命に優しい川をよみがえらせるために、行政をチェックする自然環境保護審議会と美感(美観)向上審議会を設置する。この市町村機関を構成するのは、住民たちである。

 

V 実現のための方法

1

計画の実現と運動に必要な資金について

A さまざまな形での協力を得るために、ホワイト・マップ(川地図)とリヴァー・ドキュメンタリーなどを利用して、リヴァー・ユートピアの共感者を増やす。協力は、住民参加による自発的活動や材料の提供などが考えられる。

B リヴァー・ドキュメンタリーの上映およびヴィデオ・テープやDVDの貸し出しと販売で資金を集める。この資金は、リヴァー・ユートピア運動に共鳴するグループと一般の自然保護活動と環境保護活動および美化活動を支援することができる。上映会の開催で独自の計画の資金を集める場合、ドキュメンタリーの記録メディアを有料で貸し出す。

C リヴァー・ドキュメンタリーの概念に沿って自主制作を希望する個人やグループは、リヴァー・ユートピア本部に作品を寄贈するという条件で承認を求めることが望ましい。

 

W 活動のルール

1

 リヴァー・ユートピア運動は、組織である以上に共感者の自由な集まりでありたい。運動には違いないが、生活の中の行為になるのが理想である。

2

 リヴァー・ユートピアを支えるのは、川に適応するという精神であり、自分の手で表現するというリラックスした趣味芸術的な意思である。

3

 共感者は、川の気持になって積極的に発言しなければならない。川の自然環境や川からの眺望が傷つけられることに敏感な反応を示すべきである。

4

 日常生活では、川に行くとき自動車で乗り入れてはいけない。駐車は川から離れた場所にするべきである。

5

 リヴァー・ユートピア運動の共感者は、それぞれが住む地域の事情に適合する計画を作るよう努力しなければならない。

 

リヴァー・ドキュメンタリー制作規定

A 制作は、団体と個人のスポンサーの協賛金で行なう。

B 協賛金は制作を引き受けるアトリエ ハーフ アンド ハーフの収益である。

 

1997719日 制定

リヴァー・ユートピア代表 長谷川喜作

 

 

 


  リヴァー・ドキュメンタリー制作のご案内

 

 

 

 

Back to RIVER PORT HOUR  1

 

 

 

 

Link to RIVER PORT HOUR  2

 

 

 

 

 


Atelier Half and Half