HALF AND HALF JOURNAL
HHJ
世界の迷惑
☆ ☆ ☆ ナモネ氏―花壇問題についてだが、あれを大町から長木川公園に移したことがHHJに向けた嫌がらせだと信じたくない人が結構いる。被害妄想だとか、ノイローゼだ、とかいう批判は当然じゃないか? 特派員―予想していたことです。99年6月の衆膜選のとき、新聞社のアンケートで野呂田芳成候補が民主党を〈鳩山邦夫の言う精神分裂症政党〉だと決めつけた。鳩山の発言が事実か、確証はない。6月号のHHJは、放送局長と特派員の二人が《バスジャック・ドラマ》をやって、ポスターの環境サインをおそらく世界で初めて問題にした。それで〈狙い撃ちされた人は分裂症的になる〉と。口に出せば、狂ってると言って沈黙の檻に閉じ込めるのが環境サインを操る謀略機関の戦略ですよ。 ナモネ氏―まったく、あまりにも不幸な罠だ。私が読んだ精神分析学者の本には、アメリカの患者の例が載っていた。テレビが自分を責めると訴えるんだが、それは妄想でしかないと片付けられる。私もそういうノイローゼ経験をしていた。精神分析学者のひそかな犯罪じゃないか、と考えたものだ。 特派員―放送関係者にとっては、ありがたい理論ですね。悪賢い政治家が利用したいという誘惑に負けても、無理はない。 ナモネ氏―あの《走る劇場》事件以来、市議会で共産党義員二人がどんな反応を示すか注意したが、やはり思ったとおり問題に一言も触れない。無茶な革命妄想を叩き潰すために保守政治が構築した戦略なんだから、共産党は、それが一般国民を抑圧する手段になったことに対して責任を取るべきなのだ。 特派員―自民党の手先になったら、終りですよ。マス・メディアは反対に赤潰しに協力してるうちに、操り人形になってしまったということでしょうね。この環境サイン問題を少しでも軽くするには、被害者の話をちゃんと聞いて理解するという態度が必要ですね。 ☆
暗智君―大館橋マーク塗装問題と花壇問題を外国の謀略として考えると、どうなるか?日本の政治屋の沈黙は法が定めた義務を怠ること、防衛意識の欠如、国際社会における責任の無自覚さと主体牲の不足、ヒューマニズムの軽視だよ。あれを問題にしないことは、戦後の仮想敵対勢力の社会主義アジア諸国および旧ソ連のロシアが無関係であることを端なくも証明している。野呂田芳成が防衛庁長官になったとき、北朝鮮とか中国、ロシアの陰険な工作としてあの問題を取り上げるかと思ったが、そんな情報操作はやらなかった。 特派員―HHJ編集長が左でないと宣伝するようなものだ。それより例の韓国企画部(KCIA)との合作とした方が売れるよ。小畑元市長が数年前企画部を新設したのは、市民にプレッシャーをかけるための宣言、メッセージなんだ。 暗智君―ぼくは70年代の朝鮮半島の政治には演劇のイメージを持ってたが、日本国民はホラー・ショーの内気な観客だったんだよな。 ☆ ☆ ☆ 特派員―日本国民が正義のために国内の悪と戦わなければ、世界が迷惑する。正義とは、民主主義の秩序を腐らせる者たちを取り除くことですよ。 ナモネ氏―正義という言葉に、私は羞恥を感じないではいられない一人だ。アメリカ人なら第2次世界大戦で恰好よく勝利したから、言えるがね。 特派員―日本国民の中には民主主義のために戦うHHJを犠牲にして、社会全体の安定を維持しようとする者たちが少なくないように思える。もし全体の利益をどんなときでも優先させるのが正しいと言い訳するなら、ある国際人がこう言い返しても反対できないはずだ、国際社会の真の正義と平和のために極東の島国を犠牲にする、と。 ナモネ氏―それで理想の世界が実現できるなら、私は嫌とは言えないことになるなあ。しかし、そんな手段でどんな理想が叶えられるのか? 特派員―歴史を見れば、一時的な正義と平和が来るだけで結局犠牲は高くつくことに後で気づく。民主主義の考え方には、そういう反省がありますよ。 ☆ ☆ ☆ 特派員―ニューヨークとワシントンに対するハイジャック旅客機による自爆攻撃は、パール・ハーバー奇襲の卑劣さを連想させました。日本の報道は〈同時多発テロ〉という表現を多く使ってるが、そんな同時多発的表現には歴史の真実からこの出来事を切り離したいという気持がある。一方、ヘラルド・トリヴユーンは〈Suicidal attacks(自殺攻撃)〉と現象を見抜いている。 アロマ―太平洋戦争でアメリカ人は、神風特攻隊や万歳突撃にショックを受けてノイローゼの兵隊が増えたそうよ。死に対する日本固有の精神が気味悪くて。ハイジャ自殺攻撃を敢行してる。死んで生きるということだ。〈武士道とは死ぬことと見つけたり。〉右翼が好きな佐賀藩の《葉隠れ》の有名な言葉だ。自殺という形の死はそれだけで攻撃的な武器になる。 特派員―19日の衆院予算委員会で小泉純一郎首相は質問に答えて、アメリカ政府から具体的な支援の要請は来ていないと語った。その気持はよく分かりますよ。靖国神社を参拝した首相は何を感じたでしょうか?元国防総省日本部長のポール・ジアラは、9月20付けの朝日新聞でこう語ってる。アメリカ人は今〈世界の国を味方か敵かのどちらかだと思っている。日本は何でも協力すると言ってほしい。その後に、「でも制約があってね」と言う必要はない。それは分かっているんだから。アメリカの味方だと言ってほしい。〉明らかに日本政府を信頼してない。〈次に情報をできるだけ日米で共有すること〉を要望して、今のような状況では必要な情報を互いに隠して伝達しないのは犯罪だと言い切る。〈今回のテロはあらゆるところが戦場だ。〉場合によっては日本と朝鮮半島も戦場になるかもしれない、という意味ですね。 ナモネ氏―政治家から防衛関係者や評論家まで、アメリカとNATOがテロ組織絶滅の戦いをやるとき日本がどんな支援ができるかとか、しなければならないかとか、検討しているが、状況の本質に目を向けようとしていない。自衛隊が武器をアフガニスタンに運ぶのを憲法が許すかどうか、法律の改正が必要だ、なんて馬鹿な論議を繰り返す。アメリカが直面しているのは、自由と民主主義を破壊しようとする狂信的なニヒリズムなんだ。日本のリーダーらは自由と民主主義の大看板を作るだけで、建物の中はどうでもいいと思っている。 半分半分放送局長―冗談の時間差攻撃っていうのがあってねえ。喋ってるとき直感的に笑いを引き起こすジョークと、相手と別れてから言葉の本当の意味に気づいて、にやりとしたり、畜生、と悔しがったりするユーモアだ。 アロマ―ええ、ええ、そんなときはもう一度戻って言い返したくなる。 放送局長―時間差攻撃は、バレーボールの日本チームが発明したものなんだ。名セッター猫田が仕掛けるプレーは、絶品だったよ、君。 特派員―〈麗しのハワイに咲いた花を忘れるわけがない〉というのは、それですね。後でびっくりしましたよ。広島と長崎の二つの大きなキノコ雲。 放送局長―おれにも言い辛いことはあるんだよ。世界貿易センターのツイン・ビルでは救援に駆け付けた200人以上の消防士が死んだ。まるでそれを計算していたような作戦だ。簡単に思いつくことじゃないなあ。 アロマ―狡猾極まりない。アラブ人のイスラム過激派がそれほど頭脳的ですか? 放送局長―入れ知恵したのは帝国陸軍のノウハウを受け継いだ日本の謀略機関だと思うね。アルカイダの資金には、報道によれば、どこから入るか不明なものがある。それは日本の裏金だな。君も国際ボランティア貯金の郵便貯金通帳を持ってるだろう?貯金額から何%か自動的に引いて国際ボランティア活動に役立てる、というやつ。しかし、その金で君が知らない間に地球のあちこちで自動的にテロ計画が動き出し、多くの生命が消され苦しんだりしているのさ… 特派員―国際ボランティア貯金は、奇抜なアイディアだと思って加入したけど、いや、その推理にもびっくりさせられますね。ぼくが考えた公費悪用問題の真相みたいですよ。あれは、裏金が何に使われたか、結局明らかにされませんでしたね。98年秋田県庁がまとめた内部調査の最終報告を読むと、平成6年度から8年度まで不正に支出された44億円の47%に当たる20億円は、職員等が飲み食いに流用したことになっている。職員等とは行政考査室長根津谷禮蔵によると〔1〕、〈例えば、プレス(報道)、いろいろな団体、議員との会食〉しかし〈詳細は個々に確定できなかった〉という理由で公表しない。97年12月議会で認めた議員パーティ券購入や集会への出席費用などの政治家絡みの不正支出は〈相手先に確認していない〉として、これも公表しない。県生連などに対する情報公開条例にしたがった公文書の開示に際しての文書隠しや書き換えの指揮命令者についても、やはり不明とした。こんないい加減な行為を調査と言うのは極東の島国だけだ。 放送局長―お茶汲みの仕事だろう?44億円全額返還したそうだが、その金はどこかに消えた金じゃあないということは覚えておくべきだな。 特派員―ぼくの推理は、ちょっと違いますね。職員はあの手この手で不正に捻出した裏金を一部分け前として自分の財布にも入れていた。それが47%で、いわば配当金ですね。その後の流れも不可解だけれど、配当という用語は、議会で承認された予算を各部局に要求に応じて配分することを言います。再配当はそこからさらに細かく各課に配分することです。HHJが食糧費の不正な流用が騒がれてからずっとその用語を使用していた理由は、本質に迫る言葉だと直観したからですよ。ところが、新聞やTVは朝日新聞秋田支局(泉支局長)が一度説明なしで使用しただけですよ。 アロマ―半分近く戻ってくるなら、うまい話ね。自分の意思で配当システムに参加して頑張ったとしたら、弁償はしても、真相は話したくないはずよ。 ☆ ☆ ☆ HHJ
VOL.82 2001.10.12 1 秋田魁新報 1998.2.21 注: 一部修正 |