− クラッチペダルストッパー装着方法 −


 ゴルフ4GTI、ボーラV6_4MOTION、ルポGTIのMT車は油圧式のクラッチを採用しています。クラッチペダルのデッドエンド(踏み込んでつっかえる位置)にはストッパーの部品があり、そこにペダルが当たるようになっています。

 写真の矢印の部品が、そのストッパーです。でも、上記車種のクラッチペダルって、ストロークが無駄に長くないですか?クラッチが完全に切れてから、まださらに深くストロークします。この、切れてからのストロークは、無駄なストロークなのですが、通常はペダルがストッパーに当たるまで踏み込むので、ギアチェンジの度に無駄な動作をしていることになります。

 この無駄をなくすのが、maniacsオリジナルの、クラッチペダルストッパーです。クラッチが切れる位置はノーマルと全く変わりませんが、ペダルがストッパーにつっかえる位置(デッドエンド)を手前にもってくることができます。クラッチをつなぐときも、足を戻してくると比較的すぐにクラッチがつながり始めるので、あのなかなかつながらない不自然さがなくなります。

   

 maniacsのクラッチは、ワッシャの枚数によりペダルのデッドエンド位置を調節できます。ワッシャ1枚が標準で、この状態でクラッチペダルのデッドエンドはノーマルよりも約20mm手前にきます。ペダルのレバー比があるので、ワッシャ(1mm厚)を1枚足すごとにペダルのデッドエンドは約2mm手前にきます。ワッシャは4枚まで入れることができ、最大でノーマルよりも約26mm手前にくることになります。ワッシャは1枚が組み込み済みで、3枚を添付しております。

 クラッチペダルストッパーの交換は、まずノーマルのストッパーを外すことから始めます。車を安全な平地に停車して、エンジンを停止し、サイドブレーキを引きます。ドアを広く開けられる場所の方が作業しやすいです。

 ストッパーはクラッチペダルの奥、やや上の方にありますので、手をつっこんでこれを矢印の方向に捻ります。ストッパーは下に傾斜した形状のため、回転するときに首を振ります。ストッパーのボディーが回転軸だと思って捻ると、上手く外れません。ストッパーの先端が、6時の位置から3時の位置まで首を振るイメージで捻ると、簡単に外れます。

   

 ストッパーを固定している車体側の穴は、左の写真のように縦長の穴になっています。ストッパーの裏側は、右の写真のようにT字型の鍵がついています。この鍵が、長穴にはまって、捻られて固定されています。90°回転させることで穴と鍵の形状が合うので、外れるという仕掛けです。この仕掛けが頭に入っていると、やりやすいと思います。

 外すのと、取り付けるのは全く逆の要領です。ノーマルのストッパーを外したら、まずはワッシャー1枚の状態のmaniacs製ストッパーを、そのまま取り付けてみてください。奥の方の作業でよく見えないと思いますが、手探りでもさほど難しくありません。はめるときは、ストッパーの先端が3時の位置から6時の位置まで首を振るイメージでやると上手くいきます。どうしても難しい場合は、運転席下に十分に頭を突っ込んでハンディライトなどで覗き込んで作業をしてください。

 装着が完了したら、次のことを確認してください。
@ストッパーがきちんと90°回ってロックされて、しっかり固定されているか?
Aクラッチペダルを何回か踏み込んで、ペダルはしっかり止まるか?異常はないか?


 つぎにエンジンを掛けて、

Bクラッチペダルを踏み込んで、ギアが従来どおりスムーズに操作できるか?
Cギアを入れたときに、振動や音に異常はないか?
Dクラッチをゆっくり戻してきて、クラッチがつながり始めるまでに一定の距離(遊び)があるか?


 とくにDは、クラッチをデッドエンドから少し戻しただけですぐに半クラになってしまうようでは、ストロークが浅すぎます。やはり、適当な遊びがあった後にクラッチがつながり始めるじのが正常です。遊びが全くないか、もしくは少なすぎる場合は、直ちに本品のご使用を中止してください。その場合は、maniacsで返品をお受けし、商品代金は全額お戻しいたします。上記BCの確認で少しでも異常がある場合も同様です。適正な遊びについて、ご本人で判断できない場合は、信頼できるメカニックに取り付けを依頼してください。

 ワッシャ1枚のデフォルト設定でも、デッドエンドが手前にきたことは十分実感できると思います。上記のとおり、クラッチを踏んで切れたあとデッドエンドまでの間に一定の遊びが必要だと理解した上で、なおかつデッドエンドをもっと手前に調整したい場合のみ、ワッシャの枚数を増やしてみてください。ワッシャの調整は、ナットを押さえながらストッパーのゴムを手で反時計方向に回して、一旦外して組み込んでください。

 なお、クラッチ板の磨耗は、クラッチ操作の方法によって大きく変わってきます。本品を正しくご使用いただく限りにおいてはクラッチの磨耗に影響が出ることはありませんが、上記のB〜Dの異常(クラッチが完全に切れない等)にドライバーが気づかない場合や、クラッチの操作方法が不適切だった場合のクラッチ磨耗について、maniacsでは保証できません。本品は自己責任でのお取り付けとなりますので、ご了承ください。

 工房長は、実は1年ほど前からこの部品を使用しています。商品化に先立って自分で使っていたのですが、実に具合が良いです。無駄に深いストロークが正常化されて、操作が快適になる上、すばやい操作が可能になりスポーツ走行にも向きます。クラッチの操作感を重視するMT派のドライバーには、自信を持ってお奨めできるアイテムです。