− アシュトレイ・リッドの交換方法 −


 ノンスモーカーの方には、スマートトレイが一推しのお奨めなんですが、スモーカーの方に是非ご提案したいのが、このアルミヘアライン調のアシュトレイ・リッドです。表面が非常に硬質で、キズがつきにくく、引き締まった高級感があります。

 若年式のGTIには、このアルミヘアライン調のリッドが標準だったのですが、高年式では下の写真のつや消し黒のプラスチックのリッドになってしまいました。ちょっと寂しい感じです。純正オプションでアルミ調、チタン調のパネルもありますが、こちらは上から貼り付けるタイプで少し質感が異なります。

 アルミヘアライン調のリッドは、下写真の商品で、リッドそのものを交換するかたちになります。貼り付けタイプでなく、素材そのものに硬質サチライト処理がされているので、本物感があります。もちろん、VWの純正パーツです。

 このリッドの交換作業ですが、まずは、スマートトレイの取り付けの場合と同じく、アシュトレイ部分をアッセンブリーごと(丸ごと)取り外します。取り外し方をもう一度おさらいしておきます。

   

 まず、サイドブレーキをしっかり掛け、一旦エンジンを始動しブレーキを踏んでシフトをDレンジに入れ、その状態でイグニッショんをオフにしてエンジンを停止します。シフトノブが上左写真の位置に来ます。

   

 次に、シフトブーツをしっかり摘んで持ち、上に引っ張り上げます。すると、コンソールからブーツが枠ごと外れて上右写真のように持ち上がります。ブーツを裏返すようにシフトノブに被せ、枠が次の作業の邪魔にならないように上に持ち上げておきます。

 このとき、シフトノブ自体を上に引っ張らないように、十分に気をつけてください。シフトノブを上に強く引っ張ると、ノブがシャフトから抜けてしまいます。DSG車の場合、ノブを抜いてしまうと嵌めるには面倒な手順が必要になります。(実は工房長は興味本位で抜いてしまい、戻すのにちょっと苦労しました(^_^;。万一ノブを引き抜いてしまって戻し方が分からない場合は、マニアックスにお問い合わせください)

   

 シフトブーツの枠を持ち上げるとトルクスネジ2箇所が見えます。この2箇所のトルクスネジを、付属の工具で外してください。付属の工具は、販売ロットにより何種類かのものがございます。先端のビットが交換できるタイプの場合はT20のビットを使用してください。外したネジをコンソールの中に落とさないように、十分に注意してください。落とす心配がある場合は、ビニール袋とマスキングテープなどで、シフトレバーの周囲の隙間を塞ぐように養生して作業を行なってください。

 ネジ2箇所を外したら、アッシュトレイをアッセンブリーごと(丸ごと)手前側を上に持ち上げます。たいていの場合はスムーズに持ち上がると思いますが、持ち上げ難い場合は、少し前後に動かしながら、無理せず徐々に持ち上げてください。概ね上右写真のような状態になります。

   

 トレイの手間を持ち上げたら、コネクタをソケットから引き抜きます。白と赤のコネクタは左側にロックレバーがありますので、それを確実に押さえてロックを解除した状態で引き抜いてください。シガーライター用のコネクタが右奥にありますので、それもロックを握って解除して引き抜きます。

 コネクタを3つとも外したら、トレイ全体を引き出します。適当な斜めの角度にして手前に引っ張れば抜けてきます。何かがつっかえる感じで上手く抜けない場合は、トレイの角度と、引っ張り出す角度を調整しながら、引っ張ってみてください。丁度良い角度の時には、比較的スムーズに抜けすはずです。

   

 アシュトレイのアッセンブリーが外れたら、次にリッドのフレームからリッドを外します。リッドは、手前を引っ掛けて奥をパチンばめするようになっていますので、奥のパチンばめをマイナスドライバー等で外します。ツメは左右2箇所にあり、交換する(取り付け前の)アルミ調のリッドの方を見て、ツメの位置を確認してください。

 もし、このつや消し黒のリッドを再度使用するつもりがなければ、ツメを折ってしまうのが一番簡単です。ツメを折りたくない場合は、ちょっとだけ難しいですが、リッド閉じた状態で奥側を引っ張りながら(上左写真)、裏からドライバーを入れて(上右写真)ツメを外すようにすると、上手く外れると思います。

   

 コツは、リッドの奥の方をめくるようにかなり強めに引っ張りながら、ドライバーでツメを外すことです。強く引っ張りながらやらないと、ツメが外れてもまたすぐに掛かってしまうからです。奥のツメ2箇所が外れると、リッドは少し浮きますが、まだリッド全体は外れません。リッドの左右側面に2箇所の小さい引っ掛かりがあり、ここがパチンとはまっているからです(奥のツメ2箇所と左右の引っ掛かり2箇所の位置を上右写真に矢印で示しておきます)。

 この左右の引っかかりの正確な位置も、交換するアルミ調のリッドの方を見て確認してください。リッドの奥を手前方向にさらに強く引っ張ると、左右側面のツメが外れます。このとき、かなり強めに引っ張る必要があります。左右のツメが外れれば、あとはリッドは簡単に外れて上右写真のようにリッドのフレームが剥き出しになります。

   

 アルミヘアライン調リッドを嵌めるのは、取り外しの逆の手順になります。まず、上左写真のリッドを少し開いた位置にし、左手でリッドのフレームがそれ以上開いてしまわないようにキープします。その状態で、アルミヘアライン調のリッドを手前から奥に少しスライドするようにして手前2箇所のツメを引っ掛けます。ツメの位置は、上右写真の矢印の位置です。

 手前のツメがきちんと掛かっていることを覗き込んで確認したら、上右写真のように奥のツメをパチンと嵌めます。奥のツメの嵌め方は、リッド(のフレーム)が回転しないように押さえながら、奥の方を強めに押せばOKです。左右それぞれパチンと音がして嵌ります。

 この状態で、一応アルミヘアライン調リッドは固定されますが、この状態では左右側面のツメが掛かっていません。側面のツメは、リッドを閉じた状態で、左右片方ずつ嵌めます。両方同時押してもなかなか嵌りません。左側面のツメを嵌めるには、リッドの左側をやや左斜め下方向に強く押します。真っ直ぐ下方向に押さずに、少し斜め下方向に押すのがコツです。

 その際、かなり強めに押す必要があり、嵌ると「パチン」と音がします。「パチン」と音がしない場合は、まだ嵌っていません。リッドを少し開いて側面から見ると浮いているはずです。「パチン」と音がして浮きがなくなるまで、強く押します。片側が嵌ったら、反対側も同じように嵌めます。

   

 リッドの取り付けが完了したら、開閉動作を確認し、アッシュトレイを外したときと逆の要領で、先端から斜め方向に差込みます。あとは、コネクタを3つとも元のように挿します。ロックが確実に掛かるまで、しっかり差し込んでください。トルクスねじ2箇所を元のように締め、シフトブーツを嵌めます。シフトブーツは、押し込めば簡単に嵌ります。

 取り付け完了すると、こんな感じ。インテリアとも自然に調和し、本物感漂う仕上がりになります。メタリックな硬質感はクリーンなイメージを醸し出し、スモーキングをお洒落に演出してくれること、請け合いです。