7.ディバーターバルブ換装(その1) (1/1ページ)

 satoさんからのご提供記事です。ブローオフバルブは、ターボ過給器によって上昇した吸気管内の圧力を抜くためのバルブです。排気側の圧力を抜いて過給しすぎを防ぐのがウェイストゲートバルブ、吸気側の不要な圧力上昇を抜くのがブローオフバルブです。スロットルを急激に閉じた際、慣性で回っているタービンの圧力が行き場を失ってしまうため、吸気管内圧力が急上昇しないようにブローオフバルブから抜いて、タービンを保護しています。シフトアップの際に「しゅーん」というような音を出すしているのはこのバルブです。VWではカットオフバルブという呼び方をするようですが、一般名称はブローオフバルブです。

 純正のブローオフバルブは、信頼性の問題があるらしく、バルブが完全に閉じなくなって異音を出したり、過給が漏れてしまったりするトラブルが散見されるようです。とくに、ROMチューンにより最大過給圧を上げている場合には、ブローオフバルブの負担も大きくなりますので、信頼性上の心配も大きくなります。また、ブローオフバルブは、スロットルオフで吸気管内圧力を抜きますが、次にスロットルを開いた際にブローオフバルブが閉じるレスポンスも重要です。いつまでも過給を漏らしていては、スロットルレスポンスに悪影響しますので、スロットルを開いたらブローオフバルブは速やかに閉じないといけません。その辺りのレスポンスもパーツ換装により純正のバルブより良くなるようです。以下、satoさんのレポートです。

2003.10.22訂正: 最近の車は排ガス規制や燃費向上のため、空燃比を正確に管理するようになっており、エアフロメーターで吸入した空気量を測定して、それに見合った燃料を噴射しています。ブローオフバルブを大気開放にすると、エアフロを通過した空気を外部に捨てることになるため、空燃比がコンク(濃いめ)になり、アイドル不調やエンストなどの不具合を生じる場合があります。こうした問題を防ぐため、圧を抜くために捨てる空気をエアフロ後の吸気管に戻すのが一般的であり、その場合はブローオフバルブと言わずにディバーターバルブという呼ばれ方になるそうです。ゴルフの場合も、タービン直前のいわゆるターボインテークの曲がり部分に脇から戻しています。なので、本項目のタイトルをディバーターバルブに改めました。(管理者)

商品名:HYPERBOOST Diverter Valve (ハイパーブースト ディバーターバルブ)

 私はROMチュ−ンをしてブースト圧を上げている為、純正のディバーターバルブでの走行に不安があり、交換することにいたしました。実際の交換作業ですが、純正のジョイント部と同じ径ですので、基本的にはポン付けできます。但し、ノーマルのジョイント部は、バンドが特殊で外して再利用するのが面倒であり、市販のネジ締めタイプのバンドを利用して取り付けました。ホース類は、ノーマルのものをそのままつなぎ込めばOKです。なお、ディバーターバルブの実勢価格は2.9万でした。

 換装してのインプレッションですが、ノーマルと比べるとブーストの立ち上がりが速くなり、加速がスムーズになった感じです。ダイレクトタイプのエアークリーナーを装着しておりますが、ノーマルだと「ヒュルル〜」、交換後は「プシュー」と音が変わりました。大気開放ではないので、極端に大きな音が出ることはなく、エアフロの誤差を生じる心配もありません。ちなみに、私はMTミッション車に取り付けてトラブルレスでしたが、AT車ではシフトダウンのタイミングに影響が出る場合もあるようですので、上記の限りではないようです。

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