11.フロントリップ継ぎ足し (1/1ページ)

    

 ノーマルのフロントリップは、ゴルフの丸顔の要であり、私はこれをとても気に入っているのですが、顎が引けているとか、車高が高く見えるという意見もよく耳にします。確かに、見る角度によっては実際のロードクリアランス以上に車高が高く見えてしまい、損なデザインだとも言えます。車を正面から見たり、高めの視点から見る分にはさほど気にならないのですが、横方向の離れた位置からフロント部分だけを見るような場合が最悪で、たとえばスーパーの駐車場に並んでいる車の列から、自分の車の鼻先を見つけだそうというようなシチュエーションで、「格好悪いなー」と思ってしまうこともしばしばです。

 車外品のリップに交換すれば、その辺りの悩みは一挙に解決なのですが、ノーマルからガラリと雰囲気が変わってしまうものが多く、私にとってノーマル以上に気に入るものがありません。ノーマルに一番近くて、視覚的な重心を下げられるのは4モーションリップですが、それでも全体にカッチリしていて格好良すぎる感じで、私の求めている「癒し系丸顔路線」からは外れてしまいます。そんなわけで、ノーマルの雰囲気を維持したままノーズが浮き上がったようなダサイ感じを改善する方法はないものかと、ずっと考えていました。そしてサイドスカートを着けてからは、その気持ちが益々高まりました。

 っと、そんなおり、このページからもリンクさせていただいているYOUJIさんのサイトで、継ぎ足しリップの記事を発見しました。見るとなかなかカッコイイじゃないですか。これは真似しない手はありません。実はゴム製の継ぎ足しリップは以前に乗っていたシビックで使っており、それなりの視覚的効果はあったものの、なんちゃってスポイラー特有の安っぽさというか、貧乏臭さがあって、ゴルフには着ける気になれずにいました。でも、YOUJIさんのは、そんな安っぽさを感じさせない仕上がりです。

 考察するに、私がシビックでつけていたなんちゃってスポイラーは、三角形の発泡ゴムの押し出し成型品でカーブの部分が綺麗に曲がらずにゴム丸出しだったこと、左右に回り込んだところの断端の処理がまずく、これまたなんちゃってであることがバレバレだったために安っぽく見えていたのだと思います。ゴム製のスポイラーでも上手く装着できれば、安っぽさを感じさせずに、逆にノーマル風に自然に仕上げられそうだと、YOUJIさんの写真で思ったわけです。

 っで、当初はスポイラー用として売られているL字型のゴムを探したのですが、スーパーオートバックスまで行っても売ってません。いろいろ思案した結果、汎用のゴム成型品でやろうということに方針変更し、発泡ゴムの押し出し成型品を買ってきました。池袋東急ハンズで、30×5mmのと15×10mmの発泡ゴムを各2m入手。上の写真がそれです。

    

 なんちゃって風に安っぽく見せないために最も重要なのは、サイドに回り込んだ部分を自然なくさび形状で仕上げて、断端をいっさい見せないことです。なので、切った面がリップへの接着面になるようにします。まず、リップの形状を型紙(材料は牛乳パック)に取り、それをゴムの材料にマジック転写してハサミで正確に切っていきます。素材が発泡ゴムで変形しやすいのと、切った側が接着面になるので、カットラインの1mmくらいの誤差は許容範囲です。それよりも切断面が素材の面に対して極力垂直になるように気をつけながら切ります。これが垂直じゃないとゴムリップの取りつけ角度が狂ってしまいます。

    

 ゴムスポイラーの接着は両面テープを使います。ムクのゴム材でなく発泡ゴムを選んだのは、両面テープだけで接着できるようにするためです。ムクの場合はカーブの部分などで反発が強くなりがちなのと、自重も重くなるため、テープだけでは剥がれてくる恐れがあります。発泡ゴムならフィッティングも良く、反発も少ないので両面テープだけで何とかなります。両面テープは、ゴム用のものが必要で、一般用だと当座はくっついていても、あとで剥がれてきます。ちなみに、無塗装のリップに継ぎ足しを行う場合は、リップ側がポリプロピレンなので、ゴム用の両面テープでは取り付けできないと思いますので、工夫が必要です。

 スポイラーにする5×30mmのゴムは、10×15mmのゴムで裏を支えて、リップの下面に対して垂直に立てます。両者を先にくっつけてL字型にしてからリップに貼る方が作業は楽ですが、それだとカーブの部分にムリがきます。なので、先に10×15の方にテープを貼って、それをスポイラーに貼り付けてしまいました。テープは、不織布基材のものしか手に入らなかったので、カーブの部分が馴染むように、カーブ付近は右写真のようにテープに余裕を持たせて貼っておきました。

    

 貼り付け位置は、あまり前端に近づけるとリップの曲面にかかってしまい、ゴムスポイラーの取りつけ角度が出っ歯になってしまいます。ノーマルリップは4モーションリップよりも丸みが大きいので、取り付けはどうしても奥の方にならざるを得ません。かといってあまり奥の方につけたのでは顎の引けた感じがかえって強調されてしまいます。そのへんのキワドイところで、下がり壁から前に60mmの位置に継ぎ足すゴムの面がくるようにしました。カーブの付近は牛乳パックで型紙を作ってマジックでマーキングします。それから、先に10×15のゴムを貼り付けますが、両面テープは20mm幅のものを使って、前側に5mmはみ出すように着けています。

    

 あとは、スポイラーにする5×30mmのゴムを貼り付けて、最後に10×15mmのゴムとの間に貼った両面テープの剥離紙を引き出して、両者を粘着させればOKです。っで、YOUJIさんのまるっきり猿真似では芸がないからと、オリジナリティを追求して、継ぎ足しスポイラーはR32風の左右分離型、しかも表面にはカーボン調シートを貼って仕上げてみました。

    

 ところが、これが取りつけてみると何とも格好悪いんです。カーボン調は、光の反射でテカって見えて、取って付けた感じ全開です。しかも、ベースのゴムが平らじゃないので、写り込みが歪んで、安っぽいことこの上なし。左右分離も、真ん中が抜けているのが文字通り間抜けに見えるし、切断した部分に違和感があって貧乏くさいです。家内には「ナマズのヒゲみたい」と評される始末。う〜ん、これは完全に失敗。やっぱりカーボン調はナシ、ぐるりと一体型で作り直しです。

    

 っで、もう一度リップを外してやり直しです。今度は、二度目なので前よりも全体的に綺麗に仕上がりました。カーブの部分は外側が隙間っぽくなる傾向にあり、雨などで剥がれが心配だったので、今度はシリコンゴム系の充填材(セメダイン・バスコーク)で入り角を塞ぎました。あとは取りつけるだけ...と思ったところで、大変なことを発見しちゃいました。

    

 なんと、塗装に無数の細かいヒビが入っているぢゃないですか!!いずれも、リップをバンパーに固定しているフックの付近です。リップの脱着は、夏場にやるのと冬場にやるのでは感触が大違いで、今回はかなりムリをして脱着を行いました。その際に部品の変形に塗膜が追従できずにひびが入ってしまったんだと思います。写真はとくにヒビが目立つように光を当てていますので、実際はこれほどは目立ちませんが...。

 私は、こう見えてもそれ程神経質な潔癖性ではないので、単にこの程度のヒビなら我慢できます。が、一旦ヒビを入れてしまうと、あとで1〜2年くらいのうちに、ヒビに沿って剥離してくることはほぼ確実です。フロントリップは比較的上手く塗れており、放っておけば10年くらいそのまま使えたはずなのに...仕事を増やしてしまいました。といって、いま塗り直す気には到底なれないので、とりあえずこのまま取りつけて様子見です。あとで剥離し始めたらリップ全体の塗装を剥がして、再塗装しないといけません。もちろんその時には継ぎ足しリップもやり直しです。

 教訓として、塗装済みのリップは、とくに塗装後半年以上経過しているようなものは、基本的に脱着不可です。どうしてもの場合は、夏場の炎天下で作業するようにして、なおかつ塗装のヒビ割れもある程度覚悟しないといけないと思います。私も今回やっていて、危ないなぁとは思ったのですが、案の定でした(涙)。

 装着した外観はこんな感じ。ヒビはさておき、継ぎ足しスポイラーはかなりしっくり纏まってます。色、形ともノーマル風で、元々そうだったかのような感じです。丸顔の雰囲気もほとんどスポイルされていません。ローワード感は、程々の感じ。かなり改善はされていますが、取りつけ位置が奥の方なので、良くも悪しくもノーマルからガラッと変わったというほどではないです。

 っというわけで、パッと見でノーマルとどこが違うか分からないけど、何となく低くなってるように見える、というイイ線を突いていると、自分では思います。リップの脱着に要注意ですが、YOUJIさん式継ぎ足しスポイラーは、ノーマルリップにもお奨めできます。YOUJIさん、アイディア拝借させていただき、ありがとうございました。

 とりあえず、正面写真だけですが、また別の角度からの写真を撮ったら掲載したいと思います。これで、わたし的にはエアロパーツ関係は、全て完成です。長い道のりでしたが、苦節3年にして(笑)好みの外観に仕上がったという感じです。(でも、フロントリップ、いつか塗り直さないと...)

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