患者さん紹介
我家の足として6年間活躍してきたホンダ ステップワゴンがついに引退した。
アルミボートを引っ張り2年間近く活躍してきたが、そもそもそうゆう使い方をすること自体がメーカーの設計に入っていないので、色々と不具合が出てきたからだ。

1.リヤデファレンシャルへの浸水(コーナーを曲がるとゴリゴリ音がする。デフオイル交換で改善)
2.リヤブレーキの引き擦り(ブレーキキャリパーピストンの戻り不良のため、異常に速くブレーキパッドが磨耗する。)
3.ABS警告灯点灯(サイドブレーキワイヤーが錆び付き、解除せず点灯した)
4.ミッション不良(4万キロでアッセンブリ交換)
5.原因不明の燃費低下(リッター当たり5kmしか走らない)

以上の理由でクロカン4駆に代替することとなった。
晴れて我家の一員となったのは、いすゞ ウィザード。走行2万キロ少々で高年式の割りに安かった。

早速、自分でヒッチメンバーを取り付けたものの、社会の一員として法律は破るわけには行かず、トレーラー牽引車の追加登録をすることとなった。

通常はトレーラーメーカーより連結検討書を買って、陸運支局で登録するのだが、連結検討書は1万〜1万5千円もするらしい。
この際、自分でやってしまおうと思い立った。

必要なものは以下の通り
1.牽引車の諸元表(仕様書)
2.連結検討書・連結検討計算書
3.追加する牽引車の車検証コピー
4.認印
5.整備振興会で販売しているOCRシート8号
6.トレーラー車検証

実際の行程
1.牽引車の諸元表(仕様書)の入手
 諸元表はもよりのディーラーまたはお客様相談室などに相談するとコピーがもらえます。
 それ以外の方法としては陸運支局に行くと、ユーザー車検相談窓口というのがあるので、そこで閲覧させてもらい必要なデータを入手する。
 但し、実際の登録時に検査官が連結検討書を計算するので、メーカーからコピーを貰っておいたほうが良い。

2.連結検討書・連結検討計算書の作成
 これが一番やっかいな作業となる。必要なデータは以下の通り

【1】主ブレーキ制動力
  (牽引車の空車重量(車両重量)+55kg)÷2 > トレーラー総重量
  私の車の場合は
  牽引車の空車重量=1740kg
  トレーラーの総重量= 470kg
  (1740+55)÷2=898kgとなり470kgより大きいので適合となる。

【2】連結時制動停止距離
  連結時制動停止距離=牽引車制動停止距離×(牽引車車両総重量+トレーラー車両総重量)÷牽引車車両総重量
  という計算式で算出するが通常、乗用車の諸元表では初速100km/hからの停止距離が記載されているので、50km/hで計算する。
  50km/hの制動停止距離=0.25×(100km/h時の制動停止距離+10m)
  ということなので、まず牽引車の50km/h時の制動停止距離を算出する。

  私の車の場合は初速100km/h時に60mとなっているので、
  0.25×(60+10)=17.50m
  これを計算式に当てはめると
  17.50×(2015+470)÷2015=21.58mとなる。
  保安基準の22mにはギリギリでセーフとなった。

【3】連結時駐車ブレーキ制動能力
  牽引車駐車ブレーキ制動能力<(牽引車空車重量+トレーラー空車重量)×0.2
  私の車の場合は
  諸元表より駐車ブレーキ制動能力は403kgとなっており、これを超えなければ適合となる。
  (1740+120)×0.2=372kgでクリアーとなる。

【4】トレーラーの駐車ブレーキ制動能力
  私の使用しているトレーラーはホイールの隙間に鉄棒を突っ込むタイプなので省略となる。
  しかし、ブレーキドラムを使用している場合は別途、トレーラーメーカーからデータを入手する必要があるが、たいていは教えてくれません。
  この場合どうするかというと強行手段として駐車ブレーキのワイヤーを取り外し、チェーンロックなどに変更してしまうことも出来る。
  私としては責任を負うことは出来ませんが・・・(笑)
  
【5】連結時車両走行性能検討書
  1. 121×牽引車最高出力ps−1900>牽引車車両総重量+トレーラー車両総重量
  2. 4×牽引車車載時駆動軸重(4WD車は車両総重量)【陸運支局によっては積載時後軸重の場合もある】

  以上2つの条件を満たさなければならない。
  1. 121×215ps−1900=24115 > 2015+470=2485  適合
  2. 4×2015=8060          > 2015+470=2485  適合
  でクリアーした。

 以上の計算をすべてクリアーして作成したのが以下の3枚の書類

  連結検討書表紙

  連結検討計算書

  連結仕様検討書


【6】実際の追加登録
  用意した書類を次の順番に揃えて陸運支局へ持ち込むが、トレーラーを牽引していく必要はありません。
  
  トレーラー車検証
  連結検討書表紙
  連結検討計算書
  連結仕様検討書
  諸元表(仕様書)
  牽引車車検証コピー

1.陸運支局内の整備振興会でOCRシート8号を購入(¥48だったかな?)自分で記入するか代書してもらう。
  私は面倒だったので代書してもらった。(シート含み¥1000)
2.書類一式を持って検査ライン内の検査官詰所(春日部支局は検査ライン内2コース)に行き、連結検討書の確認をしてもらい連絡表を貰う。
3.登録窓口へ書類を提出し、新しい車検証を貰う。
4.これで完了。所要時間20分でした。

裏技
お役所なので12時きっかりに午前の仕事が終わるため、11時30分すぎに検査ラインで連結検討書を確認してもらう。
検査官は大急ぎで確認することになるので、ほとんど書類に目を通すだけにならざるを得ない。
本来なら電卓を叩いて計算が合っているか見るはずなのだが・・・。
その為には検査官が見やすい書類を作成するのが大前提である。(笑)
連結検討書の各項目に赤ペンでチェックを貰い、連絡表を書いてもらう。
登録窓口はAM11:45で閉まってしまうので猛ダッシュで書類を提出して車検証を発行してもらう。
トレーラー牽引車追加登録