大腸がん


病気について

大腸がんは大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、日本人に増加傾向が著しいがんです。年間約9万人が罹患し、2015年には胃がんを抜いて第1位になると予測されています。
大腸がんによる死亡数は、肺がん、胃がんに次いで第3位で、男性も女性もほぼ同じ頻度で大腸がんになります。
60歳代がピークで70歳代、50歳代と続きます。
5〜10%の頻度で30歳代、40歳代にも発生します。

原因について

大腸がんの発生には、遺伝子因子よりも環境的因子の比重が大きいと考えられています。
食生活の急激な欧米化、特に動物性脂肪やタンパク質のとりすぎが原因ではないかといわれています。
しかし、5%前後の大腸がんは遺伝的素因で発症するとされています。
大腸がんにかかりやすい危険因子として
(1) 大腸ポリープになったことがある
(2) 家族の中に大腸がんにかかった人がいる
(3) 長い間、潰瘍性大腸炎にかかっている
(4) 喫煙習慣
などが指摘されています。

症状について

大腸がんに特徴的な症状はなく、良性疾患でもがんと類似した症状がおきます。
血便、便が細くなる、残便感、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなど排便に関する症状が多く、これらはS状結腸や直腸に発生したがんにおきやすい症状です。
中でも血便の頻度が高く、がんの中心部分が潰瘍となり出血がおきるのが原因です。
痔と勘違いして受診が遅れることもあるので注意が必要です。
がんによる血便では肛門痛がなく、暗赤色の血液が便に混じったり、ときに黒い血塊が出るなどの特徴があります。

治療について

大腸内視鏡検査では、大腸ポリープがかなりの頻度で見つかります。
一部のポリープはがんになることがありますが、多くはがんになりません。
ポリープが見つかった場合は専門医に相談し、大きさ、形、色調を診てもらい、内視鏡手術でのポリープ切除など適切な処置を受ける必要があります。
大腸がんは早期に発見すれば、内視鏡的切除や外科療法により完全に治すことができます。
少し進行しても手術可能な時期であれば、肝臓や肺へ転移しても、外科療法により完全治癒が望めます。しかし、発見が遅れれば、肺、肝臓、リンパ節や腹膜などに切除困難な転移がおこります。
こうした時期では、手術に加え放射線療法や化学療法が行われます。




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骨粗しょう症


病気について

骨粗しょう症は患者と予備軍を含めた推定患者数は1200万人ともいわれ、高齢化社会にともない増加する傾向にあります。
骨粗しょう症は、骨の中のカルシウム、タンパク質、リンの量が減少するために骨の密度が小さくなり、骨が非常にもろくなる状態をいいます。
身体の中では絶えず古い骨はこわされ新しい骨が作られていますが、新しく出来る骨よりこわされる骨の量が多くなると骨粗しょう症になります。
骨粗しょう症による骨折は、脳卒中に次いで寝たきりの原因の2番目になっています。


原因について

骨粗しょう症はカルシウム欠乏が原因になっています。

骨粗しょう症の危険因子
・遺伝的、身体的因子に関するもの
 (1)閉経 (2)加齢 (3)痩せ (4)家族歴
・ライフスタイルに関するもの
 (1)偏食、カルシウム不足 (2)運動不足 (3)アルコール、コーヒーの多量摂取
 (4)喫煙  (5)日光照射不足
・他の病気に起因するもの
 (1)人工閉経(卵巣摘除) (2)胃腸の病気(胃切除) (3)糖尿病 (4)甲状腺機能亢進症
 (5)高カルシウム尿症 (6)ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)の長期服用
症状について

骨粗しょう症になると骨がもろくなって、慢性の痛みや骨折が起こります。
こうした症状がもっとも現れやすいのは背骨です。
それは背骨が体重を支える支柱として大きな役割を果たしていて、外からの力が一番かかる骨だからです。
もろくなった背骨は圧迫骨折を起こしやすく、一部がつぶれて変形しねこ背になったりします。
また、少し転んだだけで手首の骨や下肢の付け根の骨(大腿骨頸部)が骨折しやすくなります。
高齢者が背骨や大腿骨頸部の骨折を起こすと寝たきりになる場合が多くなります。
治療について

診療科は、内科・産婦人科・整形外科になります。
医療機関での検査は、骨密度測定(X線写真MD法、デキサ法、超音波法)となります。
エックス線や超音波を利用し腰椎、前腕骨、踵骨を測定します。
骨密度測定以外に尿検査や血液検査を行う場合もあります。
骨量を減少させる病気が否定され、骨粗しょう症であることが診断された場合には、骨粗しょう症の治療が開始されます。
一般的に薬物療法と食事療法と運動療法を組み合わせた治療が行われます。





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糖尿病

病気について

現在、糖尿病の可能性が否定できない人は全国で1300万人(10人に1人)、糖尿病とされている人は690万人、そのうち受診者はわずか220万人です。
病気に気づいていないか、放置している人が3分の2もいるのが現状です。
糖尿病とはインスリンというホルモンの作用が低下したため、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されずに、血液中のブドウ糖濃度が高くなっている状態です。
糖尿病が恐ろしいのは、その合併症です。無症状でも高血糖が続くと、網膜症、腎症、神経障害のほか、脳卒中、心筋梗塞などさまざまな病気を引き起こします。

原因について

糖尿病の種類には、(1)インスリンの分泌がほとんどない場合(1型)、(2)インスリンの分泌や働きが悪い場合(2型)、(3)その他の疾患が原因になる場合、(4)妊娠糖尿病が有ります。インスリンの分泌や働きが悪い2型が全糖尿病患者の95%を占めています。

糖尿病になりやすい人は次のような人です。
・遺伝的な要因…ご両親・兄弟姉妹などに糖尿病の方がいる人。
・肥満の人…脂肪細胞から分泌されるホルモンはインスリンの働きをさまたげます。
・運動不足の人…血液中のブドウ糖の消費が減り、血糖値が上昇しやすくなります。
・ストレス…ストレスを受けると副腎皮質ホルモン、アドレナリンなどが分泌され、インスリンの分泌が不規則になります。

症状について

1型糖尿病では、急激な発病のため、喉の渇き、多飲多尿、全身のだるさ、そして明らかなやせ症状も出てきます。
成人に多い2型糖尿病では、多くの場合、無症状で始まります。
中年をさかいに太りだし、そのうち尿糖検査、血液検査で糖尿病と診断されるケースが通常です。肥満ということを除けば無症状なのが、2型糖尿病の特徴です。放置して進行すると体重減少、疲れやすさ、無気力、おでき、
かゆみ、性欲低下等の症状でようやく糖尿病と診断される場合もみられます。
糖尿病の早期診断には定期的な検診が必要です。
糖尿病がひどくなると、尿が多くなる、のどが渇く、お腹がすく、体重が減る、疲れやすい、手足のこむらがえり等の症状が出ます。
時には意識障害となることも有ります。

治療について

1型糖尿病の治療にはインスリン注射を必要とします。
2型糖尿病は食事療法や運動療法によって、予防・改善できます。
食事療法は、「標準体重」から「適正エネルギー量」を求めて、「栄養バランス」を考えた食事をすることです。
運動療法によって過剰に摂取したエネルギーを消費することができます。
自分にあった運動を毎日続けることが大切です。




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C型肝炎

病気について

肝臓病には、肝炎ウイルスの感染が原因となる「ウイルス性肝炎」と食生活や飲酒などの悪習慣が原因となる「生活習慣病としての肝臓病」があります。
C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
日本のHCV感染者数は150万人と推定されています。
C型肝炎は慢性化する場合が多く、慢性肝炎を引き起こし肝硬変や肝臓がんへと進行することがあるので注意が必要です。
肝臓がんによる死亡者数は年間3万人を超える傾向にありますが、その8割がC型肝炎をともなっています。

原因について

血液を介しての感染がほとんどです。感染している人の血液が他人の血液内に入ることで感染します。

・輸血による感染…C型肝炎患者の30〜40%は手術などで輸血の経験があります。
現在、輸血による感染は献血時のチェック検査の実施により減少しています。
・性行為による感染…感染率は低いとされています。
 ※性産業従事者(女性)のC型肝炎ウイルス抗体の陽性率は、同年代の一般女性の8〜10倍といわれています。
・母子感染…母親が感染していると、出産時に赤ちゃんに感染する可能性があります。
・麻薬などの注射器や注射針の使いまわしで感染する可能性があります。

症状について

急性のC型肝炎の場合、自覚症状が現れない場合も多いですが、一般的に感染後2週間から3ヶ月ほどで症状が現れます。
自覚症状が見られるのは、全体の20〜30%です。
代表的な症状…発熱、全身倦怠、食欲不振、濃色尿、黄疸症状C型肝炎の特徴は慢性化することで、初感染例のうち約80%が慢性化するといわれています。
慢性化した場合は約30〜40%に肝機能の異常があらわれ、慢性肝炎から肝硬変へ進み、肝臓がんになる可能性が高くなります。

治療について

C型肝炎の治療は、病気の活動度や進行の状態によって方法や効果などが違うので、治療薬や治療方針の選択については専門医による判断が必要です。
急性肝炎の場合…一般的には安静、食事療法、抗炎症療法などです。
慢性肝炎の場合…インターフェロン(抗ウイルス剤)の投与。
リバビリン(抗ウイルス剤)との併用療法も実施されています。




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胃がん

病気について

現在、胃がんにかかる患者数は年間10万人程度といわれています。
胃がんによる死亡者数は昔に比べ大きく減少していますが、今なおがんによる死亡者の中で胃がんは男性では第2位、女性では第1位の死亡数です。
発生の男女比は約2:1と男性に多く、60歳代が最も多くなっています。
胃がんは、胃の粘膜内の分泌細胞や、分泌液の導管にあたる部位の細胞から発生します。
胃炎などの炎症の後、胃粘膜は腸の粘膜に似た腸上皮化生と呼ばれる粘膜に置き換わりますが、その粘膜はがん化しやすいといわれています。

原因について

慢性胃炎をおこすすべての要因は胃がんの原因といえます。

・塩分の多い食物…胃粘膜を刺激します。
・喫煙…喫煙は胃粘膜の血行を悪くします。喫煙者はピロリ菌が多いといわれています。
・ヘリコバクター・ピロリ菌…胃の中に住み着き、菌によって慢性の炎症をおこし、慢性萎縮性胃炎と呼ばれる状態になり、それが胃がんの発生母地になるといわれています。

これらさまざまな原因で胃の細胞の遺伝子にたくさんの傷がついて、がんが発生するといわれています。
また、遺伝子の傷を自力で修復する能力の劣った家系があり、その家系では胃がんや大腸がんが発生する場合があります。

症状について

早期胃がんの半数は無症状ですが、上腹部痛、上腹部不快感、腹部膨満感、げっぷ、胸やけ、食欲不振などの症状を認めることがあります。
血液を吐いたり、便に血液が出たりすることもあります。
進行すると、体重減少、貧血、食物のつかえ感がでることもあります。
知らない間に貧血が進み、それが原因で動悸や息切れが生じて発見されることもあります。

治療について

最も多く行われる治療法は、外科的切除(手術)です。
手術は胃がんを含めた必要・十分な範囲の胃を切除し、併せてリンパ節を切除します。
切除範囲は、病変の位置によって異なりますが、胃の下部を切除する場合が最も多く、病変が上部にあるか、広範囲に及ぶ時は、胃を全て切除する場合があります。
最近では、病変の小さい早期胃がんでは、お腹を大きく切らずに、病変の周囲だけを切除する手術方法もあります。
病変が極めて小さい場合には、胃カメラを用いて、病変を内視鏡的に切除することもできます。
早期胃がんの時点で治療すると再発は殆どありませんが、進行胃がんでは再発することも多く、手術後の化学療法が重要です。




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前立腺がん

病気について

前立腺がんは、米国では男性のがんの中で患者数が最も多く、死亡率は肺がんについで第2位です。
日本でも食事の欧米化および高齢化社会にともない患者数が急上昇中です。
10万人あたりの男性が1年間に前立腺がんにかかる人数は、50才以後は加齢とともに対数的に増加し、70才代では約100人、80才以上では200人を超えるほどになります。
前立腺がんは、前立腺の中にがん細胞が発見される病気です。
前立腺がんも他の大部分のがんと同様に、早期発見が治癒につながります。

原因について

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常の細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。
遺伝子の異常が原因といわれていますが、正常細胞がなぜがん化するのかまだ十分に解明されていないのが現状です。
欧米の報告によると、脂肪分が多く含まれている食事を多く摂取することにより、前立腺がんが増加すると考えられています。

症状について

前立腺が尿道を囲むように存在しているため、前立腺がんが発生すると、その増殖により尿道が圧迫されてさまざまな症状がみられるようになります。

・排尿困難(尿が出にくい)
・頻尿(尿の回数が多い)
・残尿感(排尿後、尿が残った感じがする)
・尿意切迫(尿意を感じるとトイレに行くまでに排尿を我慢できない状態)
・夜間多尿、下腹部不快感など

がんの大きさが尿道を圧迫するほど増大していなければ、無症状のことが多くあります。
がんが尿道を強く圧迫するようになると、尿が出なくなる状態(尿閉)となってしまいます。
がんが尿道や膀胱内に進展した時は、その部位より出血し、肉眼的血尿が見られることがあります。
前立腺がんが、よく転移する臓器としてリンパ節と骨があげられます。

治療について

・ホルモン療法…前立腺がんの約90%は自分の身体でつくる男性ホルモンにより増殖するという特徴があります。
そのため、男性ホルモンの作用を抑えることによりがんの増殖を止め、がん細胞の一部を死滅させることができます。
具体的な方法としては、手術によって精巣(睾丸)を摘出する方法、女性ホルモン剤の内服、男性ホルモンの睾丸からの分泌を抑える注射をする方法などがあります。
・外科療法…前立腺をまるごと摘出し、残った膀胱と尿道をつなぎ合わせます。
・放射線療法…体の外から放射線を照射し、がん細胞を殺す方法です。




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