ノーマルデータ (アドレス110)

 ■はじめに

 こちらでは、アドレス110の購入に際し、
 管理人が知った事、感じた事を、ご紹介したいと思います。

 今後、アドレス110を購入しようと悩んでいる方々の
 参考資料となれば幸いに思います。

 注意!)管理人の主観での表現なので、
      科学的、理論的に裏付のある内容ではありません。


 ■アドレス110というスクーター。
 
 1998年4月24日
 アドレスシリーズの最上級モデルとして発売開始された車体です。



 1) 他の国産メーカーの同クラス(2種2スト)と比較しても、
    最大の排気量。(113cc)

 2) 12インチの大径アルミホイール。

 3) 剛性感十分なフレーム構成。

 4) 27リットルの大きいシート下メットインBOX。

 5) 2種スクターの取り回しの良さを維持しつつも
   二人乗りでも余裕のシート長


 で、ソレまでの原付枠のスクーターの
 一歩上を行くコンセプトと思わせるスクーターでした。

 しかし、豪華装備の為か、価格は発売当時で239,000円と
 同スズキのアドレスV100や他メーカーの2種スクーターより
 4〜5万円高く、走行性能、装備の魅力とは裏腹に
 通勤、通学を主体に使用目的が集中するこのクラスでは
 いささか高額すぎる印象も否めず
 販売台数が伸びなかったスクーターです。

 ■購入の経緯と、主要諸元

 そんな管理人がアドレス110と出会ったのは、
 2002年の5月。

 それまで通勤で使っていたホンダのリード90の走行距離が
 50000km近くなり、度重なるO/Hの必要性に寿命を感じ
 通勤車の買い替えを検討している時でした。
項  目 諸   元
型式 BD−CF11A
長さ 1.855m
0.630m
高さ 1.120m
軸距 1.265m
最低地上高 0.125m
車両重量 100kg
乗車定員 2名
タイヤサイズ 90/90-12 44J
100/80-12 56J
燃料消費率 41.0Km/L(60km/h)
最小回転半径 1.9m
エンジン形式 2サイクル 単気筒
冷却方式 空冷
総排気量 0.113L
内径×行程 52.5×52.2mm
圧縮比 6.8
アイドリング回転数 1,800rpm
最高出力 7.4KW/6,000rpm
最大トルク 13N・m/5,500rpm
クラッチ形式 乾式シュー・自動
トランスミッション ベルト自動
減速比 1次 2.263
2次 3.500
変速比 2.719〜0.778
キャスター 25°20′
トレール 73mm
ブレーキ形式 シングルディスク
リーディングトレーリング
フューエルタンク容量 6.0L
オイルタンク容量 1.2L
点火方式 CDI式・バッテリー点火
点火時期 BTDC8°/1,800rpm

  ヤマハのグランドアクシス、BW's100、
 ホンダのリード100等、2種スクーターに的を絞り、
 V100を見に行ったスズキのお店に、
 注文を受けながらも訳ありキャンセルを喰らってしまい
 試乗車状態となっていたアドレス110と遭遇。

 試乗させてもらった瞬間、その走りの良さに惚れ込んでしまい
 走行300kと低走行にも関わらず、
 乗り出しをV100より安くする値引額と
 店員さんの「押し」で購入を決意したのでした。


 ■ライバル車との比較(2002年5月 時点)

  まず、購入する車種の選定に際し、使用目的が「通勤」で
 あることから全てが始まりました。

 前代通勤用がリード90だった事もあり、同等orそれ以上の
 車体が欲しい。そんな希望もありました。


 対抗馬として、名が挙がったのが、
 「ホンダ・リード100」「ヤマハ・アクシス100」「スズキ・アドレスV100」
 とどれも魅力のある車体たちでした。

 アドレス110を含め4車種の車体スペックを比較してみましょう。

項  目 アドレス110 アドレスV100 リード100 アクシス100
型式 BD−CF11A BD−CE13A BD−JF6 BD-SBO6J
長さ 1.855m 1.475m 1.795m 1.850m
0.630m 0.635m 0.680m 0.680m
高さ 1.120m 1.015m 1.060m 1.085m
軸距 1.265m 1.240m 1.255m 1.275m
最低地上高 0.125m 0.110m 0.115m 0.110m
車両重量 100kg 84kg 99kg 90kg
乗車定員 2名 2名 2名 2名
タイヤサイズ
90/90-12
 44J
3.50-10
 51J
100/90‐10
 56J
110/70-12
 47J
100/80-12
 56J
3.50-10
 51J
100/90‐10
 56J
120/70-12
 51J
燃料消費率 41.0Km/L
(60km/h)
43.0km/L
(60km/h)
43.1km/L
(60km/h)
39.0km/L
(60km/h)
最小回転半径 1.9m 1.9m 2.0m 2.0m
エンジン形式 2サイクル
単気筒
2サイクル
単気筒
2サイクル
単気筒
2サイクル
単気筒
冷却方式 空冷 空冷 空冷 空冷
総排気量 0.113L 0.099L 0.101L 0.101L
内径×行程(mm) 52.5×52.2 52.5×46.0 51.0×49.6 -
圧縮比 6.8 6.5 6.5 -
アイドリング回転数 1,800rpm - - -
最高出力 7.4KW/
6,000rpm
6.6KW/
6.000rpm
6.8KW/
6.750rpm
7.4KW/
7.000rpm
最大トルク 13N・m/
5,500rpm
11N・m/
5.500rpm
9.9N・m/
6.000rpm
11N・m/
6.000rpm
クラッチ形式 乾式シュー
・自動
乾式シュー
・自動
乾式シュー
・自動
乾式シュー
・自動
トランスミッション ベルト自動 ベルト自動 ベルト自動 ベルト自動
減速比 1次 2.263 1.000 - -
2次 3.500 2.500×3.133 - -
変速比 2.719
〜0.778
2.204
〜0.807
2.400
〜0.790
-
キャスター 25°20′ 25゜20′ 27゜30′ -
トレール 73mm 68mm 68mm -
ブレーキ形式 シングル
ディスク
シングル
ディスク
シングル
ディスク
シングル
ディスク
リーディング
トレーリング
リーディング
トレーリング
リーディング
トレーリング
リーディング
トレーリング
フューエルタンク容量 6.0L 6.0L 7.5L 6.5L
オイルタンク容量 1.2L 0.8L - 1.0L
点火方式 CDI式
バッテリー点火
CDI式
マグネット点火
CDI式
バッテリー点火
CDI式
バッテリー点火
点火時期 BTDC8°/
1,800rpm
- - -
価格 255.000円 199.000円 229.000円 215.000円

  ご覧の通り、各車「大差」というものはありません。
 強いて言うなれば、価格。アドレス110は255,000円と
 割高な感じが致します。

 
*アドレス110に関しては、私が購入した「SK1型」の情報を
  記載しています。

 ■凡その燃費と動力性能
  
 体重65kg前後の私の乗車での実燃費は、
 200〜300m間隔でSTOP&GO繰り返す
 市街地の通勤で20km/L前後。

 多少の郊外走行をすると25〜30km/Lです。

 最高速は消耗品が良い状態でメーター目測95〜98km/h前後。
 (必要距離700〜800m)

 加速性能については、WEB上各所で
 低速度における発進性能が悪いと噂されていますが、
 噂ほど悪くはなく、他の2種スクーター(グランドアクシス、V100等)
 と比べても、大きく劣る事はありません。

最高出力 7.4kwの113ccエンジン

最高出力 7.4kwを発生させるエンジン。

総排気量113ccで余裕の走りを  
実現させます。

その走りは正にジェントル。
大人のフィーリングです。


 2サイクルエンジンの特徴である2ストOILのOIL燃費は
 私の乗り方で800〜1000km/L。

 ヤマハに比べて倍くらいではないでしょうか。

 ■主要な装備と特徴
ママも満足大容量メットインスペース

自慢の大型メットインスペース。
御覧の通り長ネギもなんのその。

 フルフェイスのヘルメットを入れても
 まだまだ余裕があります。


 内部に見えるクボミはU字ロック
 を固定する溝です。


 また、スズキ車ならではの
 メットインスペースには
 ランプも装備されています。


ジェントルな走りにはジェントルな足回り


アルミダイキャスト製12インチホイールと
正立テレスコピック式フロントフォーク。


安定した走行フィーリングの立役者です。


実は女性にも高支持率!??
ヨーロピアン!


国産小排気量スクーターらしからぬ
斬新なデザイン。

雰囲気はまるでヨーロピアンテイスト。


日夜走行を助ける魅力の装備品


盗難防止用のメインキーシャッター。
盗難や、鍵穴への悪戯を防ぎます。

また、メットインのキーシリンダーは
センタースタンドロック機構と併用で、
最低限の防犯機能を装備しています。


大型のマルチリフレクターヘッドランプ

昼間の車からの視認性は勿論の事、
夜間は、驚くほどの照射力です。

同クラスのスクーターと比べると
類を抜いています。

*但し、マルチリフレクタータイプは
  F.NO CF11A-112193 以降




折りたたみ式のタンデムステップ

ゆったり目のシート+タンデム用のステップ。

後ろに同乗者を乗せていても
10〜20km程度の中距離なら
疲れなしに移動できます。

 ■日常のメンテナンス性に関して

 メンテナンス性に関しては、エアフィルター交換や
 駆動系の消耗品に関しては他のスクーターと
 大きな違いはありませんが、
 それ以上の深い部分に入ろうとすると、
 カウルの取り外しやビスの量など、
 他のスクーターに比べ手間が掛かる部類だと思います。

 また、車輌本体価格の金額に比例してか、
 交換部品の価格が若干高い傾向です。

 ドライブベルトでの例
 ヤマハ・ホンダ >> 3〜4000円程度
 アドレス110 >> 5千円強
 ■主要な消耗品に関しての寿命

 寿命に関して
 あくまで参考値としてですが
 私が、現在(2009年3月)まで乗った中で経験した交換部品と
 大よその走行距離です

 フロントタイヤ:10000km
 リアタイヤ:4000km
 フロントブレーキパッド:7000km
 リアブレーキシュー:10000km
 ドライブベルト:8000km
 ウェイトローラー:5000km
 点火プラグ:3000km
 プラグキャップ:8000km
 トルクカム:20000km
 クラッチ:30000km
 ドライブプーリー:15000km
 プーリーフェイス:10000km
 フロントフォークシール:10000km

 ■管理人の感じるウィークポイント

 エンジンの点火制御ではCDIバッテリー点火方式を取っている為、
 電源事情による走行性能に影響が感じられ、
 長期使用で性能が十分発揮できないバッテリーでは、
 最高速に3〜5km/h程度の影響、
 加速性能でも70km/h定置観測で
 2〜3km/h程度の影響が確認できました。
 バッテリーは、推奨交換時期での交換がお勧めです。

 また、エンジンのクランクシャフトに関するトラブルが特徴とされ、
 私が集めた限りの情報ですが、
 乗り方でも大きな違いあると思われる物の、
 2万キロ前後で問題が発生する物も見受けられる様です。

 ただし、中には4〜5万キロ走っても問題ない
 車輌も存在する様で、バラツキは大きい様ですが、
 2万キロを超えた辺りからは、常に覚悟が必要と思われます。

 修理に要する費用は、部品をクランクシャフトと周辺ベアリング、
 シール類に限定した場合で、エンジン脱着工賃含みで
 ¥60,000〜80,000-
 
 運悪く、シリンダーやピストンまで被害が及ぶと
 ¥80,000〜100,000超を要する様です。

 尚、これまで(2009年3月)私は、2〜35000km走行したエンジンを
 6基ほど分解していますが、クランクウェブが破損して
 走行不能となっていたエンジンは2基で確立としては33%。

 2基ともW or Y型言われる初、中期型
 F.NO CF11A-100001〜499999の車輌でした。
 この問題は、メーカーでも問題視されたためか、
 FNO CF-11A-500001以降で、対策品として部品変更となり、
 クランクシャフトの強化対策が行なわれています。

 (但し、メーカーでの耐久テスト基準はクリアされていると
 思われるため、リコール対象とはなっていません)

 ■購入の目安

 2004年にカタログ落ち、販売を終了してしまっている車種なので
 新車を購入する事は、ほぼ不可能と思われます。
 (店舗在庫がある場合は除く)

 メーカーラインナップ時も販売台数が伸びなかった為、
 程度が良好な中古車輌も希薄な状態ですが、
 購入する場合は、走行距離が少ない事は元より、
 クランクシャフトに対策品が投入された
 FNO、CF11A-500001以降の低走行車を探す事が
 購入後、余計な出費を抑え、
 少しでも長く乗るコツと言えるでしょう。

 ■チューニングベースとしての素質

 改造ベースとして
 車輌販売数も少ない事から、
 各アフターパーツメーカーも専用品の開発には疎遠傾向で
 アフターパーツは豊富ではありません。

 デイトナ、カメレオンファクトリー等、アフターパーツ大手では
 若干のラインナップが存在しています。

 私の主観から申しますと、
 駆動系は、ノーマルで癖が無く完成度が高いので、
 キャブレターを交換やボアアップなどの、
 機関そのものの出力を向上させるメニューが、有効と思われます。

 逆に言うと、駆動系の完成度が高いため、ヘタに弄るとバランスが崩れ
 ちょっとした事で場合によってはノーマル以下の走行性能に
 なってしまう場合があります。

 ■型式とフレームNO、主な変更点。(細微点は欠落あり)
型式 フレーム番号 主な変更点
UG110W/
UG110SW

CF11A-100001〜


SWはウィンドシールド仕様
・109302〜 キャブレター
・110382〜 ガソリンタンク
・110382〜 ガソリンレベルセンサー
・110382〜 ガソリン負圧コック
・112013〜 トルクカム
・112013〜 センタースプリング

UG110Y/
UG110SY

CF11A-112193〜

SYはキャストホイール仕様

CF11A-500001〜
 排ガス対応仕様

 全車キャストホイール
・112193〜 キャブレター
・112193〜 オイルポンプ
・112193〜 クーリングファン
・112193〜 発電コイル
・112193〜 発電ローター
・112193〜 スターターリレー
・112193〜 レクチファイヤ
・112193〜 CDI
・112913〜 ヘッドライト
・112913〜 テールレンズ
・112913〜 センタースタンド
・500001〜 クランクシャフト
・500001〜 オイルポンプ
・500001〜 トルクカム
・500001〜 センタースプリング
・500001〜 CDI
・500001〜 マフラー
・500001〜 センタースタンド
・500001〜 リアキャリア

UG110SK1

CF11A-501103〜 ・501103〜 バッテリー
・501103〜 シャッターキー

UG110SK3

CF11A-506407〜 ・506407〜 CDI
・506407〜 センタースタンド
・506407〜 駆動系樹脂カバー追加

*2004年度に生産を終了しています。

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