みんなで考える推理クイズ
〜過去の問題集〜

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第41回〜第50回

〈第41回〉
問題 偽札や偽造硬貨を作り、しかもそれを日本にやってきた外国人観光客相手に不当なレー
トで両替していた、という容疑で逮捕されたある男を調べていた警察。
「どうした、ヤツが偽造していた、と言う証拠は見つかったか?」
 中年の刑事が25〜6歳と思える若い刑事に聞いた。
「いや、それがどうもヤツは前もって逮捕される、と感づいていたんでしょうか、これと
いった証拠が見つからなかったんですよ。必死に探したんですが、こんなのしか残ってい
なくて」
 そういうとその刑事は何枚かの硬貨を差し出した。
「…なんだ、こりゃ? 500円玉か。しかも昔のじゃないか」
 そう、若い刑事が持ってきたのは2000年に新しく発行される前の所謂「旧500円玉」
と硬貨だった。
「見た限り本物特別がつかないんですよ。これが偽造硬貨だという証拠がつかめれば。や
つを自白に追い込めるんですけどねえ」
 確かにそのこうかは材質といい、「500」「昭和五十六年」といった刻印といい、重さ
といい、本物と変わりないように思えるが…。
「…間違いない。これは偽造硬貨だ。コイツをヤツの目の前に見せれば簡単にゲロする
ぞ!」
「え? 本当ですか?」
 さて、その中年の刑事が偽造硬貨と見破った証拠は?

(2007年11月1日問題発表)
解答 「証拠はこの刻印だ」
 そう言うとその中年の刑事は「昭和五十六年」と書かれた刻印を指差した。
「これが何故偽造硬貨の証拠なんですか?」
「お前は若いからわからないかもしれないが、500円硬貨と言うのは昭和57(1982)
年4月にそれまでの札から硬貨に変わったんだ。つまり『昭和五十六年』製の500円硬貨
と言うのはありえないんだよ。ヤツは外国人観光客相手に不当レートで両替していた、と
言うよな? よっぽどのことがない限り、外国人が日本で使っている年号まで知っている
はずがない、そう考えてヤツは硬貨や紙幣を偽造してたんだよ。全く、頭のいい野郎だぜ」

(2007年12月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご、うーきち、ジョリー、ySOE

〈第42回〉
問題  冬のある日、マンションの一室で殺人事件が起こった。
 刑事達が現場に入ったとき、確かに外は寒かったのだが、室内はむっとするほど暑く、
見てみるとエアコンの設定温度が30度近くなっていて、汗が出てくるほどだった。
 その現場で一人の男が倒れていた。

「…どうやら死因は頭蓋骨陥没のようですね」
 鑑識課員が刑事に言った。
「頭蓋骨陥没?」
「はい。被害者は後頭部を鈍器のようなもので数回殴られていますね」
「しかし現場にそれらしきものはないが…」
 刑事たちは周りを見回す。
 そう、被害者は殺害される直前まで酒でも飲んでいたのか、近くのテーブルには飲みか
けのウイスキーやグラスが置いてあった。それもエアコンで暖められたか既にぬるくなっ
ていた。

 と、そのときだった。
「…? あれは?」
 ひとりの刑事がゴミ箱の中に何か捨ててあったのを見つけた。
 拾い上げてみるとコンビニなどで売ってある「ロックアイス」の空き袋だった。
「…待てよ。もしかしたら…」
 この袋を見た瞬間、刑事は凶器の正体に気が付いたのだった。
 さて、その凶器とは?

(2007年12月1日問題発表)
解答  凶器はズバリ「氷」です。
 ご存知の通り氷と言うのは1個や2個くらいではたいしたことはありませんが何十個と
あればそれなりの重さになるから十分凶器として使えます。
 犯人はロックアイスを破れても大丈夫な袋に入れて被害者をそれで殴って殺害したと思
われます。
 エアコンの温度が高かったのは凶器に使った氷や被害者の体に付いた水滴などを早く乾
かし、証拠隠滅を図るためと思われます。
 被害者は殺害される直前まで飲んでいたのですからロックアイスの袋がいくつあろうと
不審に思われることはありません。

(2008年1月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご、うーきち

〈第43回〉
問題 (問題提供:まくごさん)

ある冬の日の夜に、東北の山奥の町で殺人事件が起こった。
現場に急行したくても外は吹雪、道路はアイスバーン状態という道の悪さで、ようやく警
察が到着したときには、数十分経っていた。
寒い中をやってきた警察をねぎらうためか、室内は十分暖められてはいたが、殺人事件が
起こったということもあり、いささか緊張の度合いを増している。

被害者は、ロック好きで、時々地元のライブハウスでもライブをやっている、という青年
で、第一発見者は部屋に一緒に住んでいるバンド仲間の友人だった。
彼の証言によると外から戻ってきたときに、死体を発見したのだという。

死因は後部を鋭利な鈍器で何度も殴られたことによる、頚椎骨折。部屋には凶器らしきも
のは見つからず、彼が普段ステージで使うジーンズやトレーナーなどが洗濯途中に殺され
たのか、湿ったまま散乱していた。
現場を眺めた刑事は、あることに気付き、第一発見者の友人を任意同行の上、事情聴取し
た。その結果、彼が音楽観の違いから殺人を思いついたことを告白したので、逮捕するこ
とになった。
そのきっかけは凶器の発見であったのだが、さてその凶器は何だったのであろうか?

(※文章を一部管理人の方で手直ししています)

(2008年1月1日問題発表)
解答 凶器は凍ったジーンズやトレーナーです。というのも外がアイスバーン状態になる
ほど冷え込んでいる夜ならば、濡れたまま脱水しないで干したジーンズやトレーナーはカ
チカチに固まり十分な強度を持つからです。そしてそれによる殺害の後、部屋においてお
けば、湿ったままの状態で発見される、というわけです。

(2008年2月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
スウレンコウ

〈第44回〉
問題 東日本を中心に暗躍しているA国のある組織のボスと西日本を中心に暗躍しているB国の
組織のボスがちょうど同じ頃に日本に滞在することがわかり、どちらからともなく会談を
しようということで話がまとまった。
しかし「トウキョウやオオサカ、ナゴヤといった大都市では日本の警察にマークされる危
険性が高い」ということでお互い話し合った末「センダイのあるホテルで会談をしよう」
とA国のボスが提案し、B国のボスもこれを了承した。
ところが当日、指定していた仙台市のホテルにB国のボスが現れず、A国のボスは部下を
通じてB国のボスに電話したところ、B国のボスは意外にも「確かにセンダイのホテルで
待っていて、そちらがやってくるのを待っていたが現れなかったので電話をしようと思っ
ていた」という。もしかしてホテルを間違えたのか、と思ってホテルの名前を聞いたとこ
ろちゃんとA国のボスが指定したホテルで待っていた、と言う。となると何か連絡ミスが
あったのか?
と、そこで日本滞在経験の長い部下があることに気づき、それをボスに申し出るとあっと
いう間に誤解が解け、後日日を改めて別の場所で会談をする約束がまとまったのである。
さて、同じ「センダイのホテル」で待っていたのになぜ二人は遭えなかったのだろうか?

(2008年2月1日問題発表)
解答 「センダイ市」と言うのは日本に2つあるからです。
と言うのも一つは宮城県の仙台市でもう一つは鹿児島県の薩摩川内市でいずれも「センダ
イ」と読むからです。
A国は東日本を中心に暗躍しているため、「センダイで会談」ということで宮城の方を思い
浮かべたのですが、B国のほうは西日本を中心に暗躍しているため、かつて同じ「センダ
イ市」だった鹿児島のほうと解釈してしまったため、結局両国のボスはそれぞれ宮城と鹿
児島の「センダイ」で待ち合わせをしていたため、結局あえなかった、と言うわけです。
もし待ち合わせをしたホテルが全国チェーンをしているホテルだったらこういうことは十
分あるかもしれませんね。

(2008年3月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
うーきち

〈第45回〉
問題 ある気象予報士が自宅で殺害されているのが発見された。
どうやら背中から刺されたようで、死体の周りには夥しい量の血が流れていて文字通り「血
の海」となっていた。
死体を調べていた警察はふと床に妙なものが書かれているのを発見した。
それが右図のような記号のようなものだった。
やがて、捜査の結果次の3人の容疑者が捜査線上に浮かんだ。

・ 晴野裕美
・ 雪村香織
・ 霧島みずの

と、容疑者の名前を見た警察は被害者が床に書いた記号の意味に気がつくとたちどころに
犯人を指摘したのである。
果たして犯人は誰か?

(2008年3月1日問題発表)
解答 犯人は晴野裕美。
というのも被害者が床に書いたのは「晴」を意味する天気記号だったのです。
被害者は気象予報士だったので当然のことながら「晴」を意味する天気記号を知っていた
と思われますので犯人に気づかれないように「晴野」と言う苗字から「晴」の天気記号を
連想し、床に書き残していた、というわけです。

(2008年4月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご

〈第46回〉
問題 銀座の高級クラブのママが何者かによって殺害される、と言う事件が発生した。
どうやら自宅のマンションで帳簿の計算をしていたときに何者かによって殺害されたらし
く、計算に使ったと思われるノートに大きく「正」の字が書かれていた。
やがて操作の結果なじみの常連客から、次の3人の容疑者が思い浮かんだ。

・ 一色義男
・ 三沢敏明
・ 五木恵市

いずれもママから借金をしており、おそらくそれの返済をめぐって殺害に及んだものと思
われた。
しかし3人の名前にはいずれも「正」の字は使われていない。
ところがある刑事が「正」の意味に気がつくとたちどころに犯人を指摘したのである。
果たして犯人は誰か?

(2008年4月1日問題発表)
解答 犯人は五木恵市。
というのも被害者が書いた「正」の字は名前を意味するものではなく数字の「5」を示す
ものだったからです。
日本人ならご存知の通り、よくものの勘定をする際、ちょうど5画と言うこともあって「正」
の字を使うこともあると思いますが被害者は丁度帳簿の計算をしていた、ということもあ
り、名前を書いたら犯人に気付かれる、と思い犯人の苗字の「五木」から数字の「5」→
「正」の字を連想し、ノートに書き残した、というわけです。

(2008年5月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご、天里優

〈第47回〉
問題 アメリカのある店で拳銃強盗が押し入ったという通報を受け、警官が事件のあったコンビ
ニへと直行した。
「いや、びっくりしましたよ。いきなり拳銃を持った男が入ってきて天井に向かって一発
ぶっ放したんですから。それで黙ったまま『金を出せ』と書いたメモを突きつけたんです
よ」
 店員が警官に向かって話す。見ると確かに天井には弾痕が確認された。
「…それで、その男の顔とか、特徴は覚えてないのか?」
「いや、それが短い時間だったし、目出し帽をかぶっていたんで顔もよくわからなかった
んですよね。ただ…」
「ただ?」
「証拠を残しちゃいけない、って思ったのか、床に落っこちた薬莢をなぜか拾って逃げた
んですよね」
「薬莢か…」
 すると程なく、店の近くで拳銃を持ってうろついていた男が二人捕まった、と言う情報
が入ってきた。一人はリボルバー式の拳銃を持っていて、もう一人はオートマチック式の
拳銃を持っていたことがわかると、その警官はどちらの男が犯人か即座にわかったのであ
る。
果たして犯人はどちらの男か?

(2008年5月1日問題発表)
解答 犯人はオートマチック式の拳銃を持っていた男です。
というのもリボルバー式の拳銃と言うのはレンコン形の輪胴式の弾倉に弾丸をこめる拳銃
で弾丸を発射すると輪胴が回転して次の弾丸の発射準備をするのですが、オートマチック
式の法は銃身がスライドすることによって薬莢を排出して銃把の中に装てんしている弾倉
からばねの力を利用して次の弾丸をこめる拳銃だからです(詳しくはこちら)。
つまり、薬莢を排出するのはオートマチック式の拳銃だけであり、店員の「床に落っこち
た薬莢を拾って逃げた」と言う証言から犯人はートマチック式の拳銃を持っている男、と
言うことになるわけです。

(2008年6月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご

〈第48回〉
問題 梅雨の晴れ間のある暑い日のこと。
道のど真ん中で一人の主婦の死体が発見された。
「…それで、死亡推定時刻は?」
 現場に到着した刑事が鑑識課員に聞いた。
「ええ、今から2〜3時間前と思われます。死因はどうやら後頭部の殴打による脳挫傷の
ようです。おそらく鈍器か何かで後ろから殴られたのでしょう」
「コンビニの袋を持っているようだが、買い物帰りにでも襲われたのかな…?」
そういいながらコンビニの袋を何気なく眺めた刑事は、袋の中からチョコレートが飛び出
ているのを見つけると、それを袋の中に戻そうと手袋をした手で摘み上げる。
「おや…?」
ある違和感に気がついた刑事は
「…たとえ死因が後頭部の殴打だとしても、この被害者はここで殺されたんじゃない。家
の中かどこかで殺害されて、おそらくつい先ほど、ここに運ばれてきたんだ。ガイシャの
家の周辺を調べてみろ!」
さて、刑事が「殺害場所は別の場所」と断定した根拠は?

(2008年6月1日問題発表)
解答 「つまんだチョコレートが固かった」のが根拠です。
というのも、梅雨の晴れ間の暑い日に2〜3時間も外に放り出されていたら、チョコレー
トはたとえ摘み上げたとしても柔らかくなってしまっているはずだからです。
刑事はチョコレートを摘み上げたところ、まだ固かったので、冷房の聞いた室内かどこか
で殺害されて、被害者が買い物帰りに殺害されたかのように、犯人が偽装工作をした、と
断定したわけです。

(2008年7月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご、天里優

〈第49回〉
問題 ある日、マンションで一人の男の死体が発見された。
男は高校で地理を教えている教師と言うことだったのだが、死体が発見されたとき、なぜ
か地図帳のアメリカ大陸のページを開き、メキシコの部分を指差して倒れていたのだった。
やがて捜査の結果、3人の容疑者が思い浮かんだ。

・ 伊藤俊夫
・ 墨田純一
・ 比嘉信明

警察はメキシコに何か関係があるのか、と思い、3人を呼んで事情を聞いたのだが、3人
ともメキシコに行ったことはない、と言う。
ところが地理の好きなある刑事が被害者が地図帳のメキシコを部分をさしていた本当の意
味に気がつくと犯人が誰なのか指摘したのである。
果たして犯人は誰か?

(2008年7月1日問題発表)
解答 犯人は墨田純一。
と言うのもアメリカを「米国」、イギリスを「英国」と漢字表記で略すようにメキシコは「墨
国」と略すからです(メキシコの漢字表記は「墨西哥」)。
被害者は犯人の名前やイニシャルをそのまま書くと犯人に消されてしまう、と思ったこと
から犯人の苗字から「墨田」→「墨」→「メキシコ」を連想し、地図帳のメキシコの部分
を指差していた、と言うわけです。
ちなみにもし犯人が伊藤俊夫だった場合はおそらくイタリア(イタリアの漢字表記は「伊
太利亜」=「伊」)、比嘉信明だったらフィリピン(フィリピンの漢字表記は「比律賓」=
「比」)を指差していたでしょうね。

(2008年8月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご

〈第50回〉
問題  9月はじめの警察の取調室。刑事がある殺人事件の容疑者の取調べを行っていた。
「…それでお前は事件があった日の朝、何処にいたんだ?」
「ええ。ですから郊外の植物園にいましたよ。ほら見てください」
 そう言うと容疑者の男は何枚かの写真を取り出した。
「植物園に行って何枚かデジカメに撮ったのをプリントしておいたんですよ」
 そう、確かに男の写真には数々の花が写っていたのだ。
「…ん? 何だ、このピンクの花は?」
 そう言いながら刑事は調書を取っていた同僚の刑事にその写真を見せる。
「ああ、スイフヨウですね」
 と、そのときだった。
「…ん? 待てよ」
 そう言うとその刑事は写真をじっと見ると、急に容疑者のほうを見ると、
「こんな写真がアリバイになると思ってるのか! やっぱりおまえが犯人だろう!」
 さて、その刑事が容疑者のアリバイを嘘と見破った理由は?

(2008年9月1日問題発表)
解答 「スイフヨウの花がピンク色だった」というのが理由です。
 と言うのもスイフヨウの花、と言うのは朝のうちは白い花なのですが、時間が経つにつ
れ、花の色がピンク色に変わっていく、と言う特徴があるからです(その様子が酒に酔っ
て赤くなるように見えることから、漢字では「酔芙蓉」と書く)。
 もし男の言うとおり、朝のうちに植物園で写真を撮っていた、というのならばスイフヨ
ウの花は白くなっていなければならないのに、ピンク色になっていたことから、刑事は男
のアリバイが嘘だと見破ったわけです。

(2008年10月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご

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