みんなで考える推理クイズ
〜過去の問題集〜

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第31回〜第40回


〈第31回〉
問題 ある日の夕方、「ある山村の一軒家で人が死んでいる」と連絡を受けた警察は至急現場へと
駆けつけた。
現場に入った刑事たちは一言、
「うっ、寒い!」
と叫んだ。そう、昨夜からの雪はやんでいたのだが、それでも現場は相当の寒さだったの
だ。
現場である一軒家の窓際で死んでいたのはこの家に住む一人暮らしの老人で、金目のもの
が奪われていない事から顔見知りの犯行と思われた。そしてこの寒いのにパジャマ姿だっ
た。
「…死亡推定時刻は?」
「こう寒くて正確な時間はよくわかりませんが、昨夜、家の中に入るところを近所の人が
目撃していますし、ガイシャがパジャマ姿で発見されたところからおそらく今朝早くでは
ないか、と」
「…と言うことは朝起きたばかりのところを殺られた、ということか?」

「…しかしこう寒くてはかなわんな。…ストーブを入れてくれんか?」
 主任の刑事は一人の警官に命じさせると部屋の中にあるストーブをつけさせた。
 そして刑事たちは暫く現場検証を続けていたが、
「…あっ!」
 不意にあることが起こり、容疑者の名前は「ヤマモト」と言うことがわかり、その線で
捜査を始めたのである。
 さて、捜査陣が「容疑者の名前がヤマモト」だとわかったあることとは?

(2006年12月1日問題発表)
解答 「部屋の中のガラスが曇って窓ガラスに『ヤマモト』の文字が浮かび上がった」です。
 被害者は最後の力を振り絞って窓ガラスに「ヤマモト」の文字を書いたのですが、現場
は物凄く寒く、「朝起きたばかりのところを襲われて殺害された」と言う所と被害者はまだ
ストーブ等を点けていなかった、と想像される所からガラスに文字は残らなかったのです
が、現場検証を始めた刑事たちがストーブをつけたところ、部屋の中の温度が上がって部
屋が暖まってガラスが曇ったのですが、文字を書いたところだけは曇らなかったのでその
部分が浮かび上がらなかった、と言うことになるわけです。

(2007年1月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
ショウ、砂時計、夜川深夜

〈第32回〉
問題 今回は正月恒例の(?)暗号クイズです。
実はこれから皆さん東京都港区のある場所に来てもらいたいのですが…。
え? どこに集まれって? この紙を見てください。

白い雲が空に浮かび
水の上にそれを映し出している
丘の上には色とりどりの花が咲き
山のあちこちに緑の木々は
土の茶色と鮮やかなコントラストを映し出す
寸分の狂いも無い美しさだ

なお、火が重なると炎となる

随分下手な詩だって? 済みません、私には詩の才能がないようで。
え? これだけではどこに集まればいいのかわからない? いえ、ヒントはこの視の中に
あるんですけどね。よーく見るとわかると思うんですが…。
さて、皆さんは私がどこに来てもらいたいのかわかりますか?

(2007年1月1日問題発表))
解答 私が皆さんに集まって欲しい場所はズバリ「泉岳寺」です。
上の文章のどこにヒントがあるのか? ヒントは二つ。先頭の文字が漢字だということと、
「火を重ねると炎となる」と言う文章です。
 まず「火を重ねると炎となる」から考えてみましょう。よく見ると「炎」という字は火
が二つ上下に重なっていることがわかります。
ここまでわかれば後はわかると思います。一番先頭の文字を抜き出してみると「白」「水」
「丘」「山」「土」「寸」となります。そして「白」と「水」を重ねると「泉」、「丘」と「山」
を重ねると「岳」、「土」と「寸」を重ねると「寺」となり「泉岳寺」となるわけです。
ちなみに泉岳寺は「忠臣蔵」でおなじみの赤穂四十七士が主君である浅野内匠頭と共に祀
られているお寺です。

(2007年2月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
ショウ、李和、シグリンFLASH、るい

〈第33回〉
問題 彼女から結婚を迫られた時、オレは彼女を殺してやろうと思った。
何故殺してやろう、と思ったって? そんなことはどうでもいい。とにかくオレは彼女を
憎んでいたし、彼女を自殺に見せかけて殺してやろうと計画したのだ。
ある日、オレは彼女を自分のマンションに呼び出して、こっそりとウィスキーに毒薬を混
ぜてそれを飲ませた。凄い効き目だ、一口飲むか飲まないかで彼女はあっさりと死んでし
まった。
そこからオレの偽装工作の始まりだ。オレは大急ぎで彼女の死体を彼女のマンションに運
び込んだ。そうしないと死後硬直が始まるからだ。
まずオレは彼女をテーブルに座らせると、近くにあった空のグラスのふちを彼女の唇に押
し当てた。そう、彼女が飲んだかのように見せかけるためだ。そして彼女の手にそれを握
らせた。
次にオレは戸棚からウィスキーを取り出すとグラスの中に注ぎ込んだ。勿論オレは彼女が
好きなウィスキーを知っているから彼女を殺すときにも同じウィスキーを買って飲ませた。
ところがグラスの半分も行かないうちにボトルが空になりやがった。彼女は女なのに酒が
強く、ウィスキーもストレートで飲んでいた事を思い出した。慌ててその辺を捜してみる
と、まだ栓を開けていない同じ銘柄のウィスキーがあった。そしてオレは彼女のグラスに
なみなみと継ぎ足すとその中に毒薬を入れた。勿論自分の指紋を残すようなヘマはやらな
い。それだけを終わらせるとオレはそのマンションを後にした。中身が入っているウィス
キーはそのまま部屋に残しておいて、空になったボトルは近くのゴミ置き場のゴミに紛ら
せておいた。どこにでも売っているような銘柄だから誰も気がつかないだろう。それに目
撃者はいなかったし、彼女は以前にも自殺を図ったことがあるからみんなは自殺だと思う
はずである。

ところが、これだけ偽装工作をしたはずなのに、次の日オレはあっさりと逮捕されちまっ
た。刑事が言うには懸命の偽装工作の中でひとつ重大なミスをしたというんだが…。
一体オレはどんなミスをした、と言うんだ?

(2007年2月1日問題発表)
解答 「空のボトルを持ち帰ったのがオレのミス」だった。
 彼女はなみなみと注いだウィスキーを一口飲むか飲まないか、で死んでしまった。つま
り、まだグラスの中にはたっぷりとウィスキーが残っていた、と言うわけだ。ところがひ
とりの刑事が何の気なしにグラスの中に入っていたウィスキーをボトルに戻してみたら、
ボトルは一杯になったのに、まだグラスの中にウィスキーは残っていた、と言うわけだ。
 ここまで言えばわかるだろう。机の上にはボトルが一本しかなかったのにウィスキーは
まだ残っている。つまりこれは誰かが空のボトルを持ち去った、と言うわけだ。つまり彼
女は誰かに殺された、と言うことがわかって、そこからオレの犯行がバレてしまった、と
いうわけさ。

(2007年3月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
るい、三六九、ユウ

〈第34回〉
問題 ある高校で実施前の期末試験の問題が何者かによって盗まれる、と言う事件が起こった。
どうやら放課後、部活動の間に誰もいない職員室に忍び込んで問題を盗んだらしい。
捜査の結果、事件が起こった頃の時刻に職員室の近くにいた野球部員とサッカー部員と
柔道部員の3人が容疑者として浮かんだ。
ところが職員室の床から検出された指紋と3人の指紋は一致しなかった。
職員室に教員がいなかったのはほんの5分ほどの間だったから、その他に犯人がいると
は考えられない。
ところが一人の警官があることに気がつくとたちどころに犯人を指摘したのである。
果たして犯人は誰?

(2007年3月1日問題発表)
解答 犯人は柔道部員。
と言うのも現場に残っていた指紋は柔道部員の足の指紋だったのです。
ご存知の通り柔道と言うのは裸足でやるスポーツで、足にも指紋がありますから、その
指紋が床に残っていた、と言うわけです。
野球やサッカーはストッキングを穿き、更にスパイクを履いて行うスポーツですから足
の指紋が床に残ることはありません。

(2007年4月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
天里優、胡桃、砂時計

〈第35回〉
問題 あるマンションで有名な数学者の他殺体が発見された。
おそらく刃物か何かで刺されたのであろう、あたりが血の海になっていた。
そしておかしなことにその数学者は右手に持っていた鉛筆で紙の上に大きく「π」と言
う字を書いて絶命していた。
やがて捜査の結果同じマンションに住む3人の容疑者が浮かび上がった。

・ 314号室に住む内村和美
・ 516号室に住む坂田信明
・ 705号室に住む大池義雄

これを見て警察は被害者が残した「π」の意味に気づくとたちどころに犯人を指摘したの
である。
果たして犯人は誰か?

(2007年4月1日問題発表)
解答 犯人は314号室に住む内村和美。
被害者は何故「π」と言う字を書いていたか? ご存知の通り、数学の世界では「π」=
「円周率」を意味します。円周率は「3.1415926535…」と永遠に続く数字ですが、その最
初の3桁は「3.14」です。被害者は犯人が314号室に住んでいる、と言うことを警察に
わからせるために、そして犯人に気づかれないに「314号室」=「3.14」=「π」を連
想し、ダイイングメッセージとして残していた、と言うわけです。

(2007年5月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
胡桃

〈第36回〉
問題  3日前の昼頃、白昼堂々と宝石店に強盗が押し入った事件を捜査していた警察は目撃情
報からある男を取り調べていた。
「で、3日前の午後1時ごろ、お前はどこにいたんだ?」
 刑事が男に聞いた。
「だから、隣の市の祭りに行っていたと言ってるじゃないですか? 丁度そのときの写真
もありますし」
 そういうと男は1枚の写真を取り出した。
「刑事さんもご存知でしょう? あの祭りはその事件のあった日にしかやってなかったじ
ゃないですか。ほら、ちゃんと時計だって1時を指しているし」
 男が指差した写真には遠くで小さく写っているデジタル時計が男の言うとおり「01:01」
と時間を示していた。
 ところが刑事はそれを一目見て、
「こんな写真に騙されるか! 警察を甘く見るんじゃない!」
 とその男のアリバイ工作を見破ったのである。
 さて、警察が男の嘘を見破った証拠は?

(2007年5月1日問題発表)
解答  デジタル時計が「01:01」と示していたことから警察は男の嘘を見破りました。
 と言うのも普通デジタル時計の「時」を示す文字盤は10の位が「0」の時には数字を表
示しないからです。
 ですから男の言うとおり、写真が1時に撮ったものであれば時計の文字盤は「1:01」と
なっているはずです(12時間制の場合。24時間制なら「13:01」となる)。
 ところが文字盤が「01:01」となっていたことから警察は男が10時ごろ(正確には10
時10分)に撮影した写真を裏焼きしてアリバイ工作に使った、と見破った訳です。

(2007年6月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
すいか、胡桃

〈第37回〉
問題  ある密売組織を追っていた警察が近いうちにある街で取引が行なわれる、と言う情報を
掴んだ。
 その街は野球場やサッカーにも使える陸上競技場、プールや体育館といったスポーツ施
設が多く、しかもイベントが目白押しのため、それにまぎれて取引を行なうことが可能な
のだが、肝心の取引がどこで行なわれるのかわからず、警察も手の打ちようがなかった。
 ところがあるひ、その取引に関係がありそうな組織の一人がひょんなことから逮捕され、
取調べの結果、その男が日付の書かれた「ダイヤのA」のカードを持っていたことから、
警察は取引の場所がどこなのかわかったのである。
 さて、その取引の場所は?

(2007年6月1日問題発表)
解答  取引の場所は野球場です。
 ご存知の人も多いと思いますが、野球場はグラウンドの内野の部分を「ダイヤモンド」
と言うことがあります。
 男が持っていたのはダイヤのAのカードと言うことで警察は「ダイヤ」=「野球のダイ
ヤモンド」と言うことを連想し、取引の場所がわかった、と言うわけです。
 あるいは野球で主力投手の事を「エース」と呼びますから、それに引っ掛けているのか
もしれませんね。


(2007年7月1日正解発表)

正解者
(敬称略)
まくご

〈第38回〉
問題 ある大学の研究室で一人の化学部の学生が殺害された。
どうやらノートを取っていた時に何者かに襲われたらしい。
現場には被害者が最後の力を振り絞って書いたか、ノートに大きく「Au」と書かれてい
た。
やがて捜査の結果、次の3人の容疑者が捜査線上に浮かんだ。

・ 水谷正明
・ 金村浩一郎
・ 塩川徹

3人ともイニシャルはA・Uではないし、持っていた携帯電話の機種(実際にauという
機種があります)かとも思ったが、死ぬ間際に携帯電話の機種などをダイイングメッセー
ジで書いても意味がないし、そもそも水谷正明と金村浩一郎はDoCoMoだったし、塩川徹は
持っていない、と言う。
しかし、ある一人の刑事がダイイングメッセージの意味に気がつくとたちどころに犯人を
指摘したのである。
果たして犯人は誰か?

(2007年7月1日問題発表)
解答 犯人は金村浩一郎。
と言うのも被害者が残した「Au」というのは「金」を意味する元素記号だからです。
被害者は化学部の学生と言うことから、犯人の苗字のそのまま書いたら消されてしまう、
と思ったか「金村」から「金」→元素記号の「Au」を連想し、ノートに書き残していた、
と言うわけです。

(2007年8月1日正解発表)

正解者
(敬称略)
KINK、しぇり、まくご

〈第39回〉
問題 その男はある大学で犯罪学を教えていた。

「…さて、今日の授業の終わりとしてちょっとしたクイズを出したいと思います。
 ここにAとBと言う二人の男がいました。ある些細なことからAはBに殺意を抱くまで
になったのですが、そんな様子を微塵も見せずに、ある日、AはBに自分の家で話し合わ
ないか、とBを自宅に呼びました。
 AはBにコーヒーを差し出したのですが、実はBはAが自分を殺すのではないか、とう
すうす感づいていたのでAの差し出したコーヒーに手をつけようとしません。
『どうして飲まないんだ? まさか、オレがコーヒーに毒を入れたとでも思ってんのか?』
 AがBに聞きますが、Bは何も答えません。
『…毒なんか入ってないって。疑うようだったらこれを飲んでみろ』
 そう言いながらAは今まで自分が飲んでいたコーヒーカップをBに差し出しました。
 そこまで言われたらBも断る訳には行かず、コーヒーを一口飲んだのですが、次の瞬間、
彼はテーブルに突っ伏すとあっという間に死んでしまったのです。
 結論を先に言ってしまうと、Aの犯行だった訳ですが、では何故同じコーヒーカップか
ら同じコーヒーを飲んだのにAは死なずに済み、Bは死んでしまったのでしょうか?」
 と、一人の学生の手が上がった。
「はい、君」
「前もってAが解毒剤を飲んでいたからです」
「…そうですね。確かにそれも正解です。ですが、実はもうひとつAが死なずに済んだ理
由が考えられるんですよ。それを皆さんに考えてもらいたいと思います。ひとつヒントを
差し上げましょう。Aは左利きでBは右利きです。誰かわかったかな?」

 さて、Aが死なずに済んだ「もうひとつの理由」とは?

(2007年9月1日問題発表)
解答 「Aがコーヒーカップの片方だけに毒を塗った」と言うのがもうひとつの理由です。
と言うのもコーヒーカップでコーヒーなどを飲む時にはご存知の通り取っ手を利き腕の方
で持って飲むのが普通です。
Aが左利きでBで右利き、と言うことは当然取っ手を持つ腕も違いますし、飲む際に口を
つける縁も反対側、と言うことになります(こちらの写真を参照のこと)。
Aはそれを利用してBが口をつけて飲むであろうカップの縁に毒を塗りつけておいていた、
と言うわけです。
…まあ、普通に考えれば、それまで他人が口をつけた縁で自分もコーヒーを飲みたくはあ
りませんけどね(苦笑)。

(2007年10月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご、天里優、しぇり

〈第40回〉
問題 ある女性占い師が刺殺体となって発見された。
発見された時、彼女は床に「未」と言う字を書いていた。
やがて捜査の結果、彼女と普段から付き合いがあった以下の3人の容疑者が捜査線上に浮
かんだ。

・ 井上泰子(1976年生まれ)
・ 佐藤恵美(1979年生まれ)
・ 古川雪乃(1982年生まれ)

しかし3人の容疑者の中に「未」と言う字を含んでいる人物がいなかったので捜査陣は悩
むことになってしまった。
ところが、ある刑事が被害者が占い師であったことから床に書かれた「未」の意味に気が
つくとたちどころに犯人を指摘したのである。
果たして犯人は誰か?

(2007年10月1日問題発表)
解答 犯人は1979年生まれの佐藤恵美。
と言うのも被害者が残した「未」は実は干支の「未年」を意味していたからです。
容疑者を見てみると1976年生まれの井上泰子は辰年、1979年生まれの佐藤恵美は未年、1982
年生まれの古川雪乃は戌年となります。
被害者は干支が占いに使われることがある事を知っていたので「1979年(昭和54年)生ま
れ」→「未年」と言うのを連想してダイイングメッセージとして犯人の生まれた干支であ
る「未」を書き残した、と言うわけです。

(2007年11月1日正解発表)
正解者
(敬称略)
まくご、しぇり、うーきち、冽

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