漁業被害の問題

〜漁業被害って何だろう〜

なさんにとって、海はどのような存在でしょうか。身近なところですか?それとも車や列車の窓から時折見かけるようなやや遠い存在でしょうか。最近はキャンプをする人が多くなったので、海辺で過ごす時間というのも少し増えてきたかもしれません。では、漁師さんはどうでしょうか?私の祖父はマグロ漁師だったので、私にはとても身近な存在ですが、皆さんはいかがでしょうか。北海道にトドが来遊する時、この漁師の多くはとても困っています。生活を圧迫されるほど困っている家もあります。困っているとは、トドが漁業被害を発生させ、その被害額が10億円を超えているためです。しかも近年は、被害が北海道日本海側に集中していて、そこの漁師さんたちの苛立ちはかなりのものがあります。ここでは、トドの来遊を考える上で欠かすことのできない漁業被害について、そして、今後の方向性などを紹介していきます。

業被害ってなんだろう?手短に言えば、トドによって網が破られたり、網にかかっていた魚が喰われる等の被害です。特に被害が多く発生しているのが、「刺し網」という水中のかすみ網のような漁具です。この網にトドが突進すると、人が通れそうな程の大きな穴があいてしまいます。一度開いてしまうと修理が大変ですし、穴があることで漁獲の効率も下がってしまいます。以前は数年使えた刺し網が、今では数回でダメになってしまう場合もあるとのこと。予備もたくさん準備しなくてはなりません。この辺が漁師さんたちの気苦労を大きくさせている点とも言えます。

こで被害の中身について具体的に見てみましょう。トドの被害状況を取りまとめているのは北海道水産林務部です。この水産林務部による「トドによる漁業被害」とは、先にも述べましたが、1. 漁具への被害、2. 漁獲物の被害の2つに分けられています。1. 漁具への被害とは、漁具そのものが破損され、その修理および新規購入にかかった金額とされています。この金額は要するに修繕費といわれているものなので、比較的理解しやすいかと思います。一方、2. 漁獲物の被害とは、網に穴を開けられることでどの程度漁獲の損失があるか、の推定額となっています。具体的には、「(被害網の反数)×(当日の無被害網1反当たりの水揚げ額)×(当日の平均単価)として推定する」と定義され、その申告額が集計されています。ちょっと分かりにくいですが、要するに穴のあけられた網では、あけられていない網と同程度獲れたと仮定して、その漁獲高を算出しているということです。

かし、被害が深刻なため休漁している漁師さん方もいるのですが、その損失額は出てきません。なぜかというと、漁業を休んでいるので被害も受けないためです。また、トドが近くにいる場合は操業時間を短くして何とか網を破られないように努力しますが、その短縮による損失も計上されません。先に示した2. 漁獲物の被害も、人や地域によって、または時代背景などによって申告の熱意は変わってきて当然だと私は思います。何をもって被害額というのか?まだ検討する余地は残っているのかもしれません。。。とは言え、これまでの被害額に関する情報は長年蓄積されているので、次からはその被害の特徴について紹介します。  ・・(次頁製作中)・・



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