・A-1 60163 "Tornado"

 A1 60163は現在、動態保存されています。A1という形式は2種類あり、ナイジェル・グレズリー氏による設計と、アーサー・ペッパーコーン氏による設計があり、これは後者になります。1948年から1949年にかけて、49輌が製造されました。ペッパーコーン氏設計のA-1は、残念ながら1輌も保存されることなく、終わってしまいました。ところが、1991年より愛好家団体A1 Steam Locomotive Trustが結成され、50輌目のA-1を新規に製造することになりました。国立鉄道博物館に保存されていた図面を元に、A-1を忠実に再現するのではなく、現在の工法が取り入れられ、安全面に必要な装備等も追加されました。2008年12月に完成し、「Tornado」と命名され、A-1最後のナンバー、60162に続く60163のナンバーを与えられました。
 モデルはGraham Farish製で、前端梁周りの加工を中心に行いました。テンダーモーター、テンダードライブとなっています。

ナイジェル・グリズリー氏のA-1(後のA-3)とは全くデザインが異なります。

ナンバープレート上の手摺を交換、前端梁部分のエアホース取り付け、
ステップ、デフレクター裏に汽笛の追加等を行っています。
標識灯類にも色差しをしています。

シリンダーブロックの下には、ドレイン管を追加しました。

従台車、テンダー台車部分にも、きれいに赤いラインが入っています。
従台車枠は下廻りに固定し、車輪のみ首を振る構造に変更しました。
従台車部分の光の漏れはなくなりました。
キャブ後部には転落防止の小ドアを付けました。

煙突は、A-3、A-4同様ダブルとなっています。

製品では側面窓は前後共に閉まった状態になっていましたが、後部は開いた状態に加工しました。

実物では屋根からテンダーにかけて、大きな幌がかかっているので、
走行に支障が出ない程度で、幌を再現してみました。

赤いラインが美しいです。

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