キャプテン翼
燃えよ!ドライブシュート
CPATAIN TSUBASA
LSI GAME/バンダイ


Written by T鈴木



翼くん、今日も燃えてるかーい


バンダイ「キャプテン翼」です。
キャプ翼のゲームと言えばテクモのファミコン版があまりにも有名ですが、コレが原作者よりも原作愛に溢れた凄まじいゲームで、ファンの間では「これが正史」と言われるほど絶賛と好評を得ています。
今回紹介する「燃えよ!ドライブシュート」
言うまでもなくそれよりはるか前(1984年7月)に発売されましたが、電子ゲームと言う表現力の薄弱な媒体で、果たしてどこまで原作に迫っているのか!?
(って言うか、まともにサッカーゲームになっているのか!?)



よしみんなきけ


本格サッカーゲームだ!
「単なるPK合戦ゲームでは?どうせ電ゲーだし」
という大方の予想を裏切って、全フィールドを使ってプレイ出来る、割と本格的なサッカーゲームだったりします。

選べるゲームモードは6種類。

1人用AUTO(キーパー以外の選手は自動で動く)
1人用AMA(味方全選手を自分で動かす)
1人用PRO(AMAより難易度が上がっている)
2人用AUTO(キーパー以外の選手は自動で動く)
2人用AMA(最初にキックしたチームを自分で動かす。相手チームはキーパー以外は自動)
2人用PRO(すべての選手を自分で動かす)


2人用だと1人が南葛、もう1人が東邦を動かすことになります(キャラのイラストは小学生編のものなのに…)。
2人対戦できるばかりでなく、AMA−PROでハンディを付けられるのがいいですね!



ここだ!ここできめるんだ!



操作できる選手は6人。
相手チームも含めると、総勢12人のプレイヤーを動かしてゲームを進めることになるぞ。
これは電子ゲームにしては凄い!
え?サッカーは11人でプレイするものなのに、6人じゃ少ないって?
もちろん残り6人もちゃんと存在します。
背景に(笑


下の画像をちょっと見てください。
10個のキックボタンに、6つの方向キー。
最近の次世代マシンのパッドも真っ青のキーの多さ!


12人の選手を操れ!


ちなみにどの方向キーがどの選手に対応しているかは右の画像を参照してください。
全ての選手をくまなく操作し、自チームを勝利に導こう!

★ボールが南葛側(画面下側)のコートにあるとき

Cレフトバック
Dライトバック
Eゴールキーパー
Iライトイウング
Jセンターフォワード
Kレフトウイング


★ボールが東邦側(画面上側)のコートにあるとき

@レフトウイング
Aセンターフォワード
Bライトウイング
Gライトバック
Fゴールキーパー
Hレフトバック



そして、サッカーボールをかたどった、このイカしたキックボタン。
5方向に蹴られるだけでなく、押す長さによって強弱を3段階に調節できる!(PCエンジンのベラボーマンのように)
この頃から溜め押しという概念…凄いですねー。



そうなんども抜かれてたまるか!


1対1の勝負だ!
チームプレイもいいが…やっぱりサッカーと言えば男と男のタイマン勝負でしょう!(たぶん)
自軍の選手と相手の選手がボールを挟んで重なったとき、先に動いた方、もしくは、先にボールを蹴った方がボールをキープします。
素早く動いて常に占有権を持とう!




くっ!ガッツがたりない!


5方向に蹴られるキックボタン
何と5方向に蹴られるキックボタン!
しかも前述したとおり、押す長さで3段階に調節できる!
このキックボタンを使いこなし、様々な状況に対応しよう。


決定的シュートチャンス!
でもキーパー(相手選手)が正面にいて、どう蹴っても取られるよ〜。
そんなときは、ボールの持ち替えをしましょう。

具体的には、@(またはD)のボタンをチョンと短めに押し、足元のボールを右から左(左から右)に持ち替えるのです。

対戦、コンピュータ戦、すべての試合に使える定番テクニックなので覚えておこう。
ボールを持ち変えろ!



3方向にスローインできるぞ
ボールがラインから外に出たらスローインです。
ここではABCのボタンで角度を調節できます(反対側に出たときはAとCが逆になる)。
なお、@とDのボタンを押したときは正面(Bと同じ)の方向に蹴るぞ。

ちなみに、相手側のコートだったらスローインでも直接ゴールは狙えるので、チャンスがあったら狙っていこう!



ボールが相手側のゴールラインを割ってしまったら、キーパーによるゴールキックとなります。
@からDまで5方向に蹴られるので、相手の動きをよく読んで蹴ろう。

また、キーパーがキャッチしたときも同様にゴールキックになるのですが、こちらは左右にキーパーを動かせるぞ。

なお、双方とも何もしないと7秒後に自動的に蹴りだします。

敵の場所をよく確認してから蹴ろう




コーナーキック…見たことある!?
ボールが自軍のゴールラインを割ってしまったら、相手側のコーナーキックです。
こちらは2方向に蹴ることができます。

しかし筆者はゲーム中、このコーナーキックに遭遇したことがありません。
条件は
・自分で自軍のゴールラインを割る。
・それはスローインでしかできない(自軍ディフェンダーはキーパー方向にバックパスやキックはできない)。

ですが、どう考えてもスローインの角度では自軍ゴールに入ってしまうか、キーパーにキャッチされてしまうんですよね…。
このコーナーキックのやり方を知っているという方、情報求む!



なにィ!!


超ロングシュートだ!
「で、結局ドライブシュートは打てるの?打てないの!?」

…と言うのが読者諸氏の最大の関心ごとかと思われますが…
結論から言うとゲーム中にそのようなフィーチャーはありません!(ガハハ)

ただし、キックの強度調節によって、センターサークルから超ロングシュートを放つことはできます。
もちろんキーパーが正面にいれば簡単に取られてしまうのですが、奇襲ぐらいには使えたりするので覚えておこう。



やっぱり一試合10ゴール10アシストは無理だったか


「燃えよ!ドライブシュート」のパッケージ
というわけで、サッカーゲームとしては割とよく出来てるほうだと思いますが、「キャプテン翼のゲームにする意味あんの!?」という手厳しい指摘を当然受けると思います。
ズバリ言うと、ありません!(笑

第一、キャラのグラフィックが漫画のデザイン通りに描かれてないし、パッケージ(←画像参照)ではキャラ絵が小学生編なのに(岬君もいる)、ゲームでは南葛vs東邦になってるのも変。
第一、タイトルにもなってるドライブシュートさえ打てないなんて…

この辺は当時の大らかさ…と言うか、子供の玩具界ではありがちな子供騙しなのだが、特にツッコむこともなく、淡々と遊んでいたもんです。
当時のジャリは(笑

ゲーム部分も、ちょっと改良を加えればもっと面白くなるかもしれません。
例えば1試合で終わりにするのではなく、勝ち抜くごとに段々とコンピューターを強くしていくとか…(一応AMA→PROで難易度調整できるが…実力が違い過ぎる!東京ヴェルディとマンUぐらい違う)。

あと2人対戦したときの画面の見難さ。
スクリーンが水平なので、2人で覗きこむと大層見難いです。
ってか顔が近すぎる!(笑
この辺はスクリーンが折り畳み式の「ご対面スタジアム」のシリーズで改善されているようですね。





おまけ


「キャプテン翼 NO.1ストライカー」
「キャプ翼」の電子ゲームは、他に
「No.1ストライカー」
「キャプテン翼J」

が発売されています。
サッカーゲームとしてはかなり内容が簡略されているが、一応、キャラが原作通り描かれているぞ。





おまけその2 キャプテン翼連載作品の遍歴



◆「キャプテン翼」(週刊少年ジャンプ/1981〜1988)

ご存じサッカー漫画のパイオニアにて、不滅の金字塔。
後の日本サッカー界に、いや世界にも多大な影響を与えた不朽の名作
小学生編〜中学生編は今読んでも熱い!
特に南葛vs明和、南葛vs東邦戦は、スポーツ漫画史に残る名勝負。
手に汗握る展開。作画も大迫力です。
が、後期「ジュニアユース編(ヨーロッパ遠征編)」からは急激にトーンダウン
私が思うに、日向小次郎に代わる、新たな因縁ライバルを構築できなかったのが原因か。
ヨーロッパ編のラスボス、シュナイダーは、翼と言うより
若林のライバルなんだよなぁ。
末期もなんかヌルい青春ラブコメになったり、最後はグダグダ。
それでも名作は名作。
たくさんの思い出とともに、多くの読者が「キャプ翼」の終焉を嘆き慈しんだのでした。
翼フォーエバ〜!
◆「キャプテン翼 ワールドユース編」(週刊少年ジャンプ/1994〜1997)

短期連載の「オランダユース編」を挟み、「キャプテン翼」がジャンプに帰ってきた!
と言っても、近年のJリーグブームに便乗したとしか思えない、おざなりな復活だったように思える。
ブラジルでプロになった翼。
そして開幕された「ワールドユース」において、かつての仲間たちと世界に挑む!
特筆すべきは、前作に勝るとも劣らない必殺技のインフレ度。
シュートで大木は折れる!スパイクは砕ける!
そしてフィールドの上空に舞うドラゴン!(笑
もはや「少林サッカー」も真っ青の超人ぶりです。
おかげでサッカーの持つ緻密な戦略等は殆ど描かれず、至極大味な展開に…。
なんかコロコロコミックの漫画みたい。
連載当初から貼りまくった伏線も回収できず、やたら交通事故による負傷者や死人が出たりして、ストーリーもしっちゃかめっちゃか。
「キャプ翼、終わったな」
そう誰もが思いましたが…
◆「キャプテン翼 ROAD TO 2002」(週刊ヤングジャンプ/2001〜2004)

掲載誌をヤングジャンプに変え、翼が帰ってきた!(またか)
タイトルの示すとおり、日韓ワールドカップを見据えた作品となっている。
スペインリーグに移籍し、実在の選手(のモドキ)と対戦を繰り広げる翼。
そこではかつてジュニアユースで激戦を広げたサンターナ、ナトゥレーザが待ち構えていた!
そしてJリーグの選手となり、各地で激戦を繰り広げているかつての仲間たち。
前作の反省点を踏まえてか(?)地味なリアル指向サッカーに路線変更。
それはそれでいいのだが、前作までの荒唐無稽なトンデモぶりも捨てがたいんだよなぁ(なんてワガママなんだ!笑)
ちなみにワールドカップはおろか、チャンピオンズリーグさえも描かれず、スペインリーグ戦を2〜3試合描いて終わり。

アネゴ(早苗)との中学生レベルの淡いラブロマンスも描かれてるぞ。
◆「キャプテン翼 GOLDEN-23」(週刊ヤングジャンプ/2005〜2008)

今度こそワールドカップを描くのか!?
と思いきや、オリンピック編!(笑
なぜか5輪代表監督に就任した吉良を中心に、黄金世代+αたちが世界に戦いを挑む!
フットサルコンビや曽我など、新キャラをいろいろ登場させたものの、井川以外は結局活かしきれませんでしたね。
(おかげで僕たちの好きな次藤や立花兄弟が戦力外に!笑)

やたら弱体化したS.G.G.K若林を尻目に、乙武君の要望通り、若島津がFWにコンバートしたことだけが最大の見せ場なのでした(でもすぐ腰砕け)。





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