ドンキーコング2
DONKEY KONG 2
ゲーム&ウォッチマルチスクリーン/任天堂


Written by T鈴木


パート2


先に発売されたゲーム&ウォッチマルチスクリーン「ドンキーコング」が、シリーズ中、いや全ての電子ゲームの中で空前絶後の大ヒットを飛ばしとことは皆さんご周知かと思われますが、ひとつヒット作が生まれればパート2を出したくなるのが人情と言うもの。
続いて発売された「ドンキーコングJr.」も、前作に負けず劣らず大ヒットを飛ばしました。
しかし、そこでこの任天堂看板シリーズは終りません!翌年には、初代に続くマルチスクリーンでの続編として「ドンキーコング2」を発売。
「ジュニアではない、マルチスクリーンとしてドンキーコングとしての正当な続編が出る!」
・・・・と、電ゲー業界が沸き返ったかどうかは知りませんが、とにかく当時としては珍しい「パート2」ものに、前作を擦り減るほど遊んだユーザーは狂喜したのです(筆者も「小学●年生」とかの児童誌でこれの発売を知ったとき、興奮して友達に雑誌を見せまくったりしましたねぇ)。


内容はジュニア!?


上の画面までたどり着け!

ドンキーコング2というからには、再びマリオが主人公・・・・ではなく、ジュニアが主人公です。
「それではドンキーコングJr.2」では!?
とツッコミが入りそうですが、実際にアーケードゲームの「ドンキーコングJr.」がモチーフとなっています。
G&Wニューワイド版「ドンキーコングJr.」が、アーケード版の1〜2面をモチーフにしているのに対し、本作では3〜4面をモチーフにしているようです。
つまり、「ドンキーコングJr.」「ドンキーコング2」の2本を続けて遊んで、初めてアーケード版の完全移植となるのです!(ぎゃふん)

ゲーム内容も「Jr.」と大差ありません。
まずは下画面からゲームスタート。
スタート地点にあるカギを上画面に放り投げ(これがよく忘れるんだ笑)、地面を這うスナプジョーやスパークをジャンプでかわしつつ、自らも上画面までたどり着きましょう。
頭上にもスパークがいるので、ジャンプするときは注意!

コングの鎖を外そう!

上画面にたどり着いたら、下で放り投げたカギがあるので、再びカギを放り投げます。
カギはコングを繋ぐ鎖のどれかに飛んでいきますので、その場所まで行ってツルを登ってコングの鎖を外してください。
地上にはスナップジョー。空中には鳥がいて、触れるとミスです。
1個鎖を外すと、再びスタート地点まで戻って、またカギを取りに行かねばなりません(えぇ!)。4個全ての鎖を外すと、見事にクリア。
コングを助け出すことが出来ます。

・・・・と、ここまで説明すれば一目瞭然ですが、前述した通りアーケード版「ドンキーコングJr.」の3〜4面の移植ですね。
できれば下画面はオリジナル同様、メカニック面にしてほしかったところですが、ワケが分からなくなるし無理か(笑)。


コングシリーズ


このドンキーコング、電子ゲームとしては、最も多くのシリーズ作が発売されました。
いまでこそ続編とかシリーズ作なんてのは当たり前のような気がしますが、当時としては割りと珍しかったと思います。
しかし凄い数ですねぇ(笑)。
ことG&Wの世界に限っては、マリオを凌駕したりします。


ドンキーコングのG&Wだけでこれだけあるぞ


コングシリーズ


ドンキーコング2のパッケージ

しかしこの「ドンキーコング2」、前作ほどのヒットにはなり得ませんでした。
1982年と、比較的ブームが落ち着いた時期に発売されたと言うこともありますが、当時は今と違って何が何でも新作ゲームを買おうという風習はなく、つまり、面白ければ同じゲームが2年3年と売れ続けたのです。
そんなわけで、「2」が発売された時期でも、まだ「1」や「Jr.」が売れ続けてたんですねぇ(少なくとも筆者の周りでは'83〜84年当時でもまだ売れ続けていました)。

もうひとつ、この「ドンキーコング2」が不振だった理由に、ゲームテンポの悪さが挙げられます。
これは「2」を語る上で必ず出る指摘なのですが、一度コングの鎖を外した時点で、再びスタート地点に戻らなければならないもどかしさ。
その意味があるとは思えない作業が、至極ゲームのテンポを悪くしているのです。
初代やジュニアがテンポよく次々とクリアしていく楽しさがあるだけに、これは大きなマイナスですね。

ちなみに難易度自体はかなり高くて、カンスト(999点)するのはひと苦労です!
もし手に入れる機会があれば、ぜひ挑戦してみてください。



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