スモウ
SUMOU
(ゲームデジタル/バンダイ)
Written by 史
バンダイ・ゲーム・デジタル
バンダイのゲームウォッチとも呼ばれているGD(ゲームデジタル)シリーズは、任天堂のそれと比べても勝るとも劣らない完成度と豪華ラインナップで僕たちを魅了し、20年という歳月が流れた今日においても、その人気は衰えを知りません。日常風景をゲームの題材に取りこんでいるところが、私達を惹きつけるのかもしれませんね。「地震」「オットセイショー」「信号無視」… そこで、今回はボディーが金色でゲームの題材が「スポーツ」のシリーズの一つ「スモウ」を取り上げてみましょう。
スモウです…
土俵をかたどった本体は味があってとってもGOODですね。行司や力士もちょこまか動いて、これがと〜ってもカワイイのです。スタート音は、あの行司の雄叫び「にぃ〜しぃ〜○○のぉ〜やまぁ〜、ひぃがぁ〜しぃ〜○○のぉ〜やまぁ〜」になっています。それに、なんと立合いまで再現されています。右側の痩せ型の力士が自分ですよ。「押し出し」「引き」「うっちゃり」の3種の技を巧みに使って、全勝優勝を目指しましょう。晴れて横綱に昇進です。う〜んお勧め! スモウに興味がなくたって、十分遊べますョ。(僕達の時代ではやはり「千代の富士」ですよねぇ)
思いで(○○ばな〜)
仲良くしていた同級生の小向君は、スモウマニアで、折りに触れてはスモウについての話しをふってくるのです。小学4年に上がった頃、僕らにクラブというものに参加する義務が課せられました。何にしようかと悩んでいると「スモウ部に入ろう」と彼が言ってきました。(スモウは、カッコ良くない。理由は、マワシを付けた姿が恥ずかしいから…)そう思っていた僕は、その勧誘にかなり難色を示し抵抗しました。しかし、僕は彼の弟子の様な存在であり、そのような失敬な理由を打ち明けることが出きず、猛烈なプッシュの末、僕はなくなくスモウ部に入ってしまいました。それからは、毎日ほとんど張り飛ばされる為だけに稽古場に通っており、相当ストレスが溜まりました。学期末にある試験「スモウの決まり手を5つ答えよ」にも落第したりもしました。ある日、「新しい電子ゲームを買ってもらったから、遊びにコイヨー」と彼が言ってきました。このまま弟子であることが得策ではないと感じていた僕は、はじめて彼との約束を破りました。翌日の彼は「なんで昨日来なかったんだよ…」と語り、肩を落していました。いつも元気な彼がここまでショックを受け、僕に電子ゲームを見せることを楽しみにしていてくれたことに僕は感動しました。その日、一緒に帰り彼にウチに遊びに行くと、「これだよ!」といって僕に差し出したのが「スモウ」でした。よほどスモウが好きなしょうねぇ。