ライオン
LION
ゲーム&ウォッチ/任天堂


Written by T鈴木





ゴールドシリーズ



任天堂ゲーム&ウォッチGOLDシリーズ「ライオン」です。
このGOLDシリーズというゲームウォッチが、従来のシリーズとどう差別化が図られているかは、すでに他所で散々語られていると思いますが、今一度確認すると

・アラーム機能(アラームキャラクター)追加
・スクリーンの一部をカラー表示。
・本体背部に立て置きスタンドの設置。
・一定得点に達するとミスが帳消しになるミスオールクリア制の採用。。

などで、すでにこのシリーズで、以降のゲーム&ウォッチの主な機能は確立されているわけです。

そう考えると大変歴史的意義のあるシリーズに思えますが、タイトル的にも

「マンホール」
「ヘルメット」

と、まさに名作揃い。

その中にあって、ちょっとマイナーな香りのする(笑)「ライオン」を今回は紹介しましょう。
1981年4月27日発売。






フェイント命!(ライオン談)



飛び出してくるライオンを押し戻せ
2人の調教師を動かし、檻から出ようとするライオンをイスで押し戻しましょう(イスって……)。
檻の中は3×4=12マスで構成されており、左右外側の6マスはライオンが飛び出してくる危険地帯。
ここにライオンが来たら調教師を素早くその場へ動かしましょう。
(ライオンを1匹押し戻すごとに2点)

…と言っても、危険地帯に来ても必ずしもライオンが飛び出してくるわけではありません。
フェイントをかけてすぐに引っ込むときもあるので、引っかからないに様に要注意です!

このフェイントと言う要素は当時から既に「ライオン」の代名詞になっていますが、これを「巧妙な駆け引き」と見るか、「テンポが悪い」と見るか…。
この辺りが「ライオン」がファンの間で評価が2分される由縁なのです(あなたはどう思いますか?)。





ホントにホントにライオンだ〜



ゲームBは、ゲームAで2匹しかいなかったライオンが3匹になります。
ただでさえフェイントを仕掛けてくる小賢しさに加え、3匹になったら太刀打ちできない!…という声が聞こえてきそうですが、

・ライオンが飛び出している最中は、他のライオンはい動かない。
・同時に2頭以上のライオンが飛び出してくることはない。


ということをよく覚えておきましょう。

一定得点(200点・500点)に達するとにはミスが帳消しになるし、また100点ごとにライオンのスピードが一時的に遅くなるので、上手く活用して最高得点(999点)を狙ってください。
2匹同時に飛び出してくることはない。





しかし評価は…



「ライオン」のパッケージ
というわけで、前述のとおり「フェイント」が大きな足かせとなって、イマイチ評価の低い「ライオン」。
実際に筆者の周りでも「マンホール」「ヘルメット」はたくさんの人が所持していましたが、この「ライオン」を持っていた人はごく僅かでした…。

今から見れば「手に汗握る心理戦!」「やたらバリバリスコアを稼ぐだけがゲームじゃない!」といくらでも擁護できるのですが、やはり当時のジャリからしてみれば、地味で爽快感のないゲームは受け入れ難かったのでしょう(今ではマニア垂涎アイテムとなっている「フラッグマン」も当時はまるで人気なかったし)。





あらしにも登場



なお、この「ライオン」は、かのゲームコミックの金字塔「ゲームセンターあらし」にも登場しました。
ゲーム&ウォッチとしては既に作品中に「ジャッジ」や「マンホール」も登場していたので、当然と言えば当然の流れですが(後に「ヘルメット」「パラシュート」も登場)、劇中では「ライオンゲームとそっくりのゲーム」と表記されています(笑

違いと言えば

・100万点まで出せる。
・NASAの宇宙飛行士訓練用ゲームである。
・空中にゲーム画面の立体映像を映し出せる(その際ライオンは鋼鉄ロボットになる)。


などで、実際にはライオンを模倣して作られたトンデモゲームだったようですね(ちなみにあらしは「グレートタイフーン」とか使って5分間で100万点到達している。本物のライオンだったらこうはいかん笑)。
ライオンそっくりのゲーム(笑





「ライオン」の全キャラパターン





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