ガンダムフォーメーション |
GUNDAM FORMATION |
LSI GAME PASOCOM TYPE PT-6000/バンダイ |
Written by T鈴木 |
悲しいけどこれ電ゲーなのよね |
上の画像の本体フォルムを見て
「どうせ形だけパソコンで、中身はただの電子ゲームなんでしょ?」
と思ったあなた。
なかなか分かってきましたね!(笑
まさにご推察通り、形こそパソコン本体を模しているものの、中身は通常の電子ゲーム。
’84年当時、まだ一般庶民には高根の花だったパソコンを、雰囲気だけでも味わってもらおうと言う、バンダイ社の粋な計らい商品なのです(同シリーズには「キューブゾーン」、「4WDワイルドラリー」があり)。
ちなみに当時の筆者は絵に描いたような極貧ナイコン族。
毎月恨めしそうに「ベーマガ」や「ログイン」を読んでは、買えもしない光栄や日本ファルコムの輝かしいPCゲームに思いを馳せておりました(まぁ今となっては、両社ともほぼ家庭用ゲーム機にしか商品展開してないんですけどね)。
バンダイ驚異のメカニズム |
|
と言っても、一応パソコン的要素はあります(非常に申し訳程度に)。 左の画像を見ていただければお分かりでしょうが、RUNキーやSPACEキーなど、PCキーボードでお馴染の入力装置は既に標準装備されており、あくまで子供ターゲットの玩具としては、なかなか本格的なデザインとなっております。 もちろんそれ以外のキーは、押しても押せないただのオブジェなわけですが、そんな問題が実に些細なことであると思えるほど、バンダイ社の開拓(フロンティア)精神と、「とりあえず出たアイデアは何でも商品化しとけ!」みたいな勇猛果敢、豪快さには、ただただ称賛を贈りたい気分になります(でもないか)。 |
こいつ…動くぞ(たぶん) |
「え〜。ぢゃあゲームにパソコン的な要素はないの!?」 とお思いの貴方。 安心してください。 ゲームスタート時に、大変申し訳程度にメニュー入力画面があります。 パワーキーを押して電源ON。 RUNキーを押してプログラムスタート! するとゲームレベル、サウンドのON−OFFを聞いてくるので、リターンキーにて選択。 最後に再びRUNキーを押すと、ガンダムが起動し、ゲームが開始されます。 うーん、(微妙に)本格的ですね! プログラムこそ組めませんが、こういう「それっぽい」操作が、いやがおうにも気分を盛り上げるってもんです(てかさっさとゲーム始まれよ笑)。 |
|
俺だって!俺だって〜〜〜! |
|
ゲームはファミコン版の「ホットスクランブル」、またはMSX版の後半面(鉄骨避けじゃないよ)のような、コクピットビューのシューティングゲームとなります。 画面中央からザクが出現。 あなたはライフルの照準を操作し、迫りくるザクを狙い撃ってください(ザクが出現すると画面右上のレーダーが反応。また照準で狙える位置に入るとLEDランプが点滅する)。 ザクを撃ち漏らし、画面端まで来てしまったらガンダムのパーツが1カ所破損してしまいます(左下のダメージメーターが増え、LEDランプが点滅する)。 その際はRUNキーを押してホワイトベースに直行。 すぐさま修理モードに移行し、壊れた場所を素早く修理してください。 ガンダムのパーツ5カ所がすべて破壊されるとゲームオーバーです。 またRETURNキーでスピードアップ。 燃料が切れる前にホワイトベースに到達することで、ステージクリアとなります。 ホワイトベースまでの距離はSC(スペースコンパス)によって表示されるぞ(って、RUNキーでいつでも行けるのに、敢えて必死にホワイトベースを目指す意味は!?)。 |
ちなみに狙えるザクは限られていて、右画像の赤マル、青マルで囲まれた8機のみ。 赤マルの方のザクを撃ち落とすと10点、青マルの方のザクは20点だ。 他にもスペースコンパスが1メモリ増えるごとに20点。 ガンダムを1カ所修理するごとに10点。 ステージクリア時に、残り燃料の量によって200点〜800点の得点が加算されるぞ。 |
|
やらせはせん!やらせはせんぞ〜! |
|
ガンダムが破損したら、RUNキーを押し、修理モードに入ってください。 ガンダムの壊れた部分が点滅表示されますので、それぞれ対応したパーツにカーソルを移動させ、素早く修理しましょう。 ちなみの間違ったパーツを選んでしまうと、ダメージが増えてしまいます(何て奴!)。 ちなみに、修理モードであっても、あくまで第一次戦闘配置中ということをお忘れなく! ザクが来ればレーダーは反応するし、あまつさえ修理中に攻撃を受ければ即座にゲームオーバーになってしまいます。 いざとなったら修理なんてほっといて、さっそと出撃するしかない! |
勝利の栄光を、君に! |
というわけで、無理にパソコンゲームを意識したのか、中途半端に複雑なゲームになっています。 そもそも戦闘モード自体、狙えるザクが分かりにくく爽快感に欠けるし、修理モードのゲーム性もそれほど高いとは言えません。 一番の難点は、この筐体デザインでは操作がしにくいこと(笑 これではパソコンタイプにした意味があまりありませんね……。 と言ってもやはりコレクト品としては存在感があるし、電ゲー史に異端として名を残す珍品であることには変わりないので、コアなコレクターなら手に入れておいて損はないでしょう。 (しかし何が「フォーメーション」なのかは謎) |
|